作成日
:2019.05.20
2021.08.31 15:26
今月17日、大幅な価格下落に見舞われたビットコイン(Bitcoin)だが、週末にかけて再び8,000ドル台への急激な回復を見せたことから、Googleトレンドで計測された検索結果が2018年4月並みの高水準に達していることが明らかになった。
Googleトレンドが示すデータによると、「ビットコイン」をキーワードとした検索トラフィック数は、韓国などの主要な市場の個人投資家による関心が高まったことにより、劇的に増加しているようだ。ここ数週間のビットコインや仮想通貨市場全体の好調は、CMEのビットコイン先物やグレーススケールによるビットコインの投資提案など、主に機関投資家の投資が牽引してきたが、個人投資家の関心の高まりがこの流れをより強固なものにする可能性があるという。
これまでライトコイン(Litecoin)やビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、イオス(EOS)、バイナンスコイン(Binance Coin)のような主要通貨の多くは、米ドルベースで年間140%から400%の成長を記録している。それでも仮想通貨価格が最高値に達した2017年と比較すると、ほとんどの仮想通貨が90%近く値を落とし、過去16か月間ビットコインよりも低調な価格推移を示している状況だ。しかしながら、現在、ビットコイン価格が復調の兆しを見せつつあることから、これらアルトコインに対する期待も高まっていると言えよう。
ある仮想通貨トレーダーは、今年後半はビットコイン価格の上昇が継続し、6月ごろにはビットコイン価格が目標値を定め、その値動きを追うようにアルトコイン価格も反転すると予想している。このトレーダーは、その根拠として仮想通貨市場のサイクルに触れながら、ビットコイン価格における強気な動きは、ブロック生成の報酬が半減される半減期のおよそ1年前に訪れる傾向にあることを示唆した。次の半減期は2020年5月に設定されているため、時期的にも整合性が取れており、半減期以降にビットコインの供給量が著しく低下することも加味すると、その可能性も十分にあると言えるだろう。
一方、投資家の中にはビットコインやその他の仮想通貨における価格の変動が激しすぎることを懸念する者もおり、理想的な緩やかな上昇が見られない状況を不安視している。最近、イーサリアム(Ethereum)やリップル(Ripple)と言った主要な仮想通貨は、対米ドルで8%を超える大幅な上昇を見せており、これが買われ過ぎと判断され急落に対する危機感を強めているようだ。今月19日、ビットコイン価格は暴落の後、直ぐに8,000ドル台にまで回復してるが、この強気な相場いつまで続くのか、今後の値動きにも注目していきたい。
release date 2019.05.20
ビットコインとアルトコインが高い相関性を示すことは、過去のデータが立証しているが、特に近年では、主要な仮想通貨ほどその傾向が顕著に現れているようだ。例えば、ここ1年間のビットコインとイーサリアムの相関性は、0.9を超える高い水準にあり、急騰や暴落のタイミングも同調する動きを見せている。機関投資家や個人投資家が仮想通貨という枠の中でビットコインとアルトコインを同等の資産だと大別していることが要因だと考えられるが、本質的にはそれが正しいとは言えないのが現状だ。ほとんどの仮想通貨がブロックチェーンや分散型ネットワークを基礎技術としているものの、それぞれの開発団体や実装する機能、目指す方向性など異なる点も多いため、実際には様々なリスク要因が存在するであろう。現在は、市場全体に投資が流入している側面もあり、ビットコインとアルトコインの強い相関関係が出来上がっているが、この傾向がいつまで継続するのか、今後の仮想通貨市場の動きを見守っていきたい。
作成日
:2019.05.20
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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