Select Language

Financial Commission、PAMM認証スキームを導入

Financial Commission、PAMM認証スキームを導入

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.27 14:50
Financial Commission、PAMM認証スキームを導入

update 2022.01.27 14:50

個人投資家保護に大きく寄与することを期待

投資家とブローカー間の紛争解決に特化した自主規制機関であるFinancial Commission【以下、FinaComと称す】は4月5日、ソーシャルトレーディング手法の一種であるPAMM(Percentage Allocation Management Module)を提供するブローカー向けの新たな認証スキームを導入したことを発表した。[1]

多くのオフショアブローカーが積極的にサービス提供するPAMMは、経験豊富なファンドマネージャーがユーザーから委託された資金を運用する投資手法だ。ファンドマネージャーは運用で利益を上げた場合手数料を受け取る一方で、ユーザーは委託する投資金額に応じた配分の利益を得ることができる仕組みを採用している。投資経験の浅いユーザーにとっては、刻々と移り変わる経済情勢や投資環境を逐次モニタリングし、自分自身で運用を手掛ける必要がなくなるという特徴を持つ。

一方でPAMMは投資実績の改ざんや取引の透明性が低いといったリスクを抱えていることに加え、一部のオフショアブローカーが投資詐欺に悪用するケースも見受けられているのも事実だ。FinaComは、ブローカーがどのようなスキームを構築してPAMMを提供しているのか的確な理解を望む個人投資家の要望を受け、この度PAMMの仕組みを調査する運びとなった模様である。

更にFinaComは、PAMMの取引システムでは如何にして運用資金がユーザーに分配されているか、またどのような形で運用パフォーマンスが報告されているのか確認する見込みである。加えてPAMMのセキュリティ面や本人確認(Know Your Customer, KYC)プロセス、ファンドマネージャーの運用パフォーマンスを評価するレーティングシステムなどの調査も行う見通しだ。そして一連の調査を終えた上で、FinaComはブローカーが提供するPAMMシステムに問題がないと判断した際には、ブローカーに1年間有効な認定証を発行する予定である。FinaComがPAMM認証スキームを導入することで、個人投資家がPAMMシステムに抱く懸念を和らげると共に、違法ブローカーか否かを判断する手助けになると見込まれている。

なお足元では、PAMMの機能を更に高めたトレーディング手法であるSpotwareのコピートレードプラットフォームcTrader Copyの利用拡大が進んでいる他、BrokereeがMetaTrader5向けのコピートレードツールをリリースするなど、PAMMやコピートレードなどのソーシャルトレーディングはトレーダーやブローカーの間で人気が急速に高まっているようだ。そのため今回FinaComが導入する認証スキームによって、投資詐欺を防止し個人投資家保護に大きく寄与することが期待されよう。

release date 2019.04.05

出典元:

ニュースコメント

人気高まるソーシャルトレードの環境構築に期待

ソーシャルトレードは、昨今高い人気を誇る取引手法であるが、ソーシャルトレードと一言にいっても様々な種類がある。今回、認証スキームが導入されたPAMMは、ユーザーが委託した資金をファンドマネージャーが運用を行う手法で、投資金額に基づき自動的に分配される集約型ファンドが採用されている。また、MAM(Multi Account Manager)とは、運用者に資金を預けることなく、発注のみを運用者に委託する手法だ。昨年発表された、大手海外FXブローカーの利益発生口座の割合に関するデータによると、利益発生口座の割合が多い上位5社には、eToroやDarwinex等のソーシャルトレードを提供するブローカーが入っており、顧客にとって有益である手法との裏付けになるといえよう。好業績なトレーダーの取引を、そのまま自分の口座に反映することが出来ることが何よりもの利点であるが、いくらプロトレーダーとはいっても、今後も利益を出し続けられる保証はない。想定外の損失を被る可能性もあるため、フォローするトレーダーの決定は慎重に行う必要があるだろう。業界においてソーシャルトレードは、まだ新手法の分類に入るため、明確な制度が確立されていないことが投資家の不安要因ともなっている。今回のような自主規制機関の対策が、投資家が安心して有益なソーシャルトレードをできる環境の構築に繋がると期待したい。


Date

作成日

2019.04.05

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

MT4/MT5のローソク足の色は4つのポイントでカッコよくできる!

MT4/MT5は、自分だけのオリジナルデザインにチャートをカスタマイズできます。配色や表示設定を少し変えるだけで、補色やコントラストを意識することで、より視覚的に分かりやすいチャートにすることも可能です。この記事では、誰でも簡単にできるチャートのカスタマイズ方法を4つのポイントに分けてご紹介します。
update2025.02.12 19:30

MT4/MT5の自動売買をスマホだけでやるって本気?!EA設定はPCに任せよう

「MT4/MT5の自動売買をスマホで完結させたい」と考える方もいるでしょう。スマホだけで自動売買の設定やEAを稼働させることは可能ですが、操作性の低さから現実的ではありません。本記事ではMT4/MT5の自動売買におけるスマホの活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:00

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

GEMFOREX問題が大手メディアに掲載、世論を動かせるか注目

複数の大手メディアがGEMFOREX問題を取り上げたことが話題になっています。GEMFOREX騒動の経緯や2億円が未出金のままになっている元ユーザーの体験談などが掲載され、ネット上ではこの件を拡散して、世論を動かして事件化しようとする動きも見られます。
update2025.04.17 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル