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仮想通貨を盗むアンドロイド向けマルウェアの存在を報告

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update 2021.08.31 15:26
仮想通貨を盗むアンドロイド向けマルウェアの存在を報告

update 2021.08.31 15:26

32の取引所を対象に偽装アプリでユーザー情報を収集

サイバーセキュリティ企業のGroup-IB(本社:Progress Plaza Business Center 115088, Russia, Moscow, Sharikopodshipnikovskaya, bld. 1, Fl. 9 [1])は、仮想通貨および法定通貨の盗難を目的としたアンドロイド向けの新型マルウェアの存在を報告した。[2]

Gustuffと呼ばれるこの新型マルウェアは、全自動のハッキング機能を持つトロイの木馬という種類のもので、大量感染を促すサイバー兵器と形容されるほどの威力がある。Group-IBによると、Gustuffは、悪意のあるリンクを添付したSMS(ショートメッセージサービス)を送信し、そこから、ターゲットのデバイスに任意のプログラムをダウンロードさせるという。仮想通貨取引所や銀行のアプリケーションを標的とするGustuffは、Web偽装と呼ばれる方法により、偽のアプリケーションを作り出して、フィッシング詐欺の要領で重要なユーザーデータを不正に取得することが可能のようだ。

Group-IBの発表では、Gustuffが、コインベース、BitPay、Bitcoin Walletを含む32の取引所や関連サービスに加え、バンク・オブ・アメリカ、J.P.モルガン、Wells Fargo、Capital One、TD Bank、PNC Bankなどで使用されるアンドロイド向けアプリケーションが攻撃の対象となっていることが明らかにされた。また、対象のアプリケーション数では、米国が27、ポーランドが16、オーストラリアが10、ドイツが9、インドが8と、欧米でリリースされているアプリケーションが中心となっている。Group-IBによると、Gustuffは、ユーザーの利用を支えるAccessbility Service(アンドロイド向けアプリケーションの機能)を採用したアプリケーションのセキュリティを突破することが可能で、更に、有害なアプリケーションを排除する機能であるGoogle Play Protectも無効化することもできるという。

Bestofferというロシアのハッカー集団によって作成されたGustuffは、2018年4月にはその存在が確認されており、PayPalやRevolut、Western Union、eBay、Walmart、Skype、WhatsAppなど、様々なプラットフォームに対して有害となることも認識されている。金融市場がデジタル化に舵を切って以来、このようなサイバー犯罪は増加の一途をたどっているが、規制が緩い仮想通貨の登場で、急速な広がりを見せているようだ。最近では、北朝鮮が支援するハッカー集団による被害も報告されているだけに、仮想通貨市場のサイバー犯罪には、今後も注視して現状を伝えていきたい。

release date 2019.04.01

出典元:

ニュースコメント

対策が難しいスマートフォン向けのマルウェア

ギリシャ神話の戦争での戦略にちなんで名付けられたトロイの木馬は、Eメールやウェブサイト、ソフトウェアのアップデートなどが感染経路となり、コンピュータやスマートフォンなどのデバイスに侵入し、ユーザーに気づかれることなく任意のプログラムを実行する厄介なマルウェアだ。被害を受けているのは仮想通貨取引所だけでなく、リテールFX・CFDブローカーにもマルウェア感染が広がっているのが現状だ。対策ソフトウェアをインストールすることで検出も可能だが、新型に関しては、認識されないものもあるため、対策の有無に関わらず、結果的に大きな被害をもたらす可能性もある。特にアンドロイド向けスマートフォンを対象とするGustuffは、ユーザーのリテラシーの低さや対策の脆弱性なども相まって、猛威を振るうことが予想される。スマートフォンにも、セキュリティ対策ソフトは存在するが、ライトユーザーが多いこともあり、その利用率は低く、自衛の観点では絶望的だと言えるだろう。Google側の一刻も早い対応が望まれるが、この問題を同社が認識しているかも含めて未知数なため、しばらくは、ユーザー側が仮想通貨の利用に最善の注意を払う他ないのかもしれない。


Date

作成日

2019.04.01

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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