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北朝鮮が支援するハッキング集団による被害を警告

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update 2021.08.31 15:26
北朝鮮が支援するハッキング集団による被害を警告

update 2021.08.31 15:26

MacOSもターゲットにハッキング対象を拡大

ロシアのセキュリティ会社であるKaspersky Lab(本社:39A/3 Leningradskoe Shosse Moscow, 125212 Russian Federation[1])【以下、Kasperskyと称す】は、北朝鮮が支援するハッカー集団、Lazarus APT【以下、ラザルスと称す】が、継続的に仮想通貨取引所への攻撃を仕掛けていることを警告した。[2]

今月26日にKasperskyが投稿したブログ記事によると、ラザルスは、取引所のファイアウォールを突破し、資金を盗み出すために、新たな技術や戦術を生み出していることがわかった。2018年中旬、Kasperskyは、AppleJeusと呼ばれる取引所を攻撃する手法についてのレポートを公開しており、その中で、ラザルスが、仮想通貨関連企業をターゲットにバックドアによるウィルス感染を仕掛けていることが明らかにされている。また、ラザルスは、MacOSのコンピュータも攻撃対象とすることで、ターゲットを拡大しているという。

最も悪名高いハッカーグループのひとつであるラザルスは、これまで、少なくとも5つの取引所でのハッキング事件に関与していると言われており、5億3,600万ドルが流出した日本のコインチェックハッキング事件でも、首謀者としての疑いがかかっている。この事件をきっかけに、日本市場は、仮想通貨業界の再編に動き、取引所におけるセキュリティの強化を図ったため、それ以降、目立った被害は発生していないが、コインチェック事件は、現在でも未解決のままだ。

テクノロジーや経営基準などが向上しているにも関わらず、取引所は、サイバー攻撃に対して弱さを見せており、2019年に入ってからは既にCryptopiaとDragonEXがハッキングの対象となり、数百万ドル規模の被害に見舞われている。Kasperskyは、新しいサードパーティ製品やソフトウェアをインストールする際は、細心の注意を払い、Microsoft Officeの文書なども有効化しない様、仮想通貨関連企業に対してアドバイスを送っているが、2019年、仮想通貨市場のセキュリティが向上することに期待したい。

release date 2019.03.28

出典元:

ニュースコメント

増加するバックドアによるセキュリティ侵害

世界中の仮想通貨取引所を標的としたサイバー攻撃では、2015年から2018年の間に北朝鮮が6億ドルを超える仮想通貨を盗難したことが明らかになり、仮想通貨業界の大きな脅威となっている。特にソフトウェアやウェブサイトに罠を仕掛け、利用者のデバイスをウィルス感染させるバックドアを利用した方法は、システム管理者だけではなく、パートナー企業、取引所のユーザーなども攻撃対象となるため、セキュリティに長けた企業でも対策は容易ではない。事実、バックドアによるセキュリティ侵害の被害は、増加傾向にあり、ランサムウェア(システムのアクセスを制限するマルウェア)やダウンローダー(マルウェアを不正にダウンロードするプログラム)などに次いで、被害件数が多いという。対策として、セキュリティソフトウェアを常に最新のものに保つことや定期的なコンピュータのチェックを欠かさないことが挙げられるが、取引所での被害を避けるためには、何より個々のITリテラシー向上が必須となるだろう。


Date

作成日

2019.03.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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