Select Language

北朝鮮のサイバー攻撃で6億ドル以上の外貨や仮想通貨に被害

北朝鮮のサイバー攻撃で6億ドル以上の外貨や仮想通貨に被害

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
北朝鮮のサイバー攻撃で6億ドル以上の外貨や仮想通貨に被害

update 2021.08.31 15:27

コインチェックのハッキング事件にも関与した疑い

国際連合安全保障理事会(United Nations Security Council)の北朝鮮制裁委員会によると、2015年から2018年の期間、北朝鮮のサイバー攻撃により、6億7,000万ドル相当の外貨や仮想通貨が盗難の被害にあっていることが明らかになった。[1]

2015年以来、北朝鮮は、海外の金融機関などを対象にサイバー攻撃を仕掛けており、アジアの仮想通貨取引所を中心に少なくとも5回のハッキングに成功したことがわかっている。国際連合安全保障理事会の専門家は、被害にあった取引所名の明言は避けたものの、その中には、2018年1月にコインチェックのハッキングで発生した被害総額5億3,000万ドルのネム(NEM)流出事件も含まれているようだ。このような北朝鮮による攻撃は、韓国でも同様に確認されており、大手イーコマースプラットフォームであるInterparkは1,000万人以上のユーザー情報が盗まれ、データの返還と引き換えに270万ドルの支払いを求められているという。

国際連合安全保障理事会の専門家によると、北朝鮮は、ブロックチェーン技術を経済制裁の回避手段として利用しているとのことだ。例えば、香港を拠点とするMarine Chainは、2018年9月の倒産を迎えるまで、ブロックチェーンを介して北朝鮮と船舶の売買を行なったとされている。さらに北朝鮮は、各国政府の規制が及んでいない仮想通貨を資金洗浄に利用したことから、批判の対象となっているようだ。

今回の報告から、北朝鮮は、新しいテクノロジーを駆使して巨額の仮想通貨資産を得ていることが明らかになったが、各国はこの動きに未だ対応できずにいる。米国や欧州市場では、ブロックチェーン分析の分野でテクノロジー開発が進み、有効なソリューションとなることが期待されているが、日本や韓国などのアジア諸国は、北朝鮮によるサイバー攻撃の脅威にどのように備えていくのだろうか。

release date 2019.03.13

出典元:

ニュースコメント

世界に波及する北朝鮮によるサイバー攻撃の脅威

以前から、北朝鮮は、世界各国へのサイバー犯罪に関与していることが報道されてきたが、近年では、金融機関のデジタル化や仮想通貨の台頭で、その被害は拡大傾向にあるようだ。ある企業の調査によると、昨年発生した仮想通貨取引所のハッキング事件は、65%が北朝鮮によるものだとの推測もあり、その影響力の強さが伺える。厳しい経済制裁を受ける北朝鮮では、ハッキングによる攻撃が重要な外貨獲得手段となっており、軍部の特殊部隊として高いスキルを持ったハッカー集団が存在すると噂されている。その経緯を見ると北朝鮮のハッカーは非常に優秀で、現在判明しているだけでも、中央銀行となるバングラディシュ銀行から8,100万ドル、インドの銀行から1,350万ドル、チリの銀行から1,000万ドルを直近の3年間で盗みだすことに成功したという。これまでは、地理的や政治的にも重要度が高い日本や韓国が標的にされていたが、北朝鮮によるサイバー攻撃の脅威は世界に波及しており、各国政府も無関係ではいられない状況となっているようだ。


Date

作成日

2019.03.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル