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フランス議会の財政委員会が匿名通貨の利用禁止を提案

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update 2021.08.31 15:27
フランス議会の財政委員会が匿名通貨の利用禁止を提案

update 2021.08.31 15:27

犯罪利用のリスクを懸念もテクノロジーの重要性は理解

フランス国民議会(Assemblée nationale, 所在地:126, rue de l'Université, 75355 Paris 07[1])の財政委員会は、ブロックチェーン技術や仮想通貨に関する報告書を提出し、その中で、様々な犯罪利用のリスクにつながることへの懸念から、匿名性の高い取引を目的とした仮想通貨の利用禁止を提案していることが、明らかになった。

この報告書は、ブロックチェーン技術や仮想通貨の幅広い利用に否定的な意見を提すものではないが、財政委員会の院長であるÉric Woerth氏は、仮想通貨の利用拡大がマネーロンダリングや脱税、詐欺などの犯罪を助長することを指摘している。特にWoerth氏は、個人の特定を避けるように設計された匿名通貨による影響を危惧しており、利用を禁止することが適切な措置であることを報告書の中で言及した。

しかしながら、Woerth氏は、匿名通貨に関しての分類については触れておらず、例えば、オプションとしてプライバシー機能が付随している仮想通貨と、通常の設定で匿名送金を実行するモネロ(Monero)の様な仮想通貨を同一視しているようだ。

ジーキャッシュ(Zcash)に関していえば、仮想通貨取引所のジェミニを運営するウィンクルボス兄弟は、自社のプラットフォームに匿名通貨として有名なジーキャッシュをリスティングした際、プライバシー機能がオプションとなっている仮想通貨の方が規制当局にとっても受け入れやすいと述べている。先日、英大手通信企業のクラウドネットワークBT Radianz Cloudにジェミニが加盟したことが報道されており、信頼性の高い取引所として認知されている。

財政委員会が発行した報告書は、匿名通貨の利用については明確に反対しているが、その他の仮想通貨やブロックチェーン技術に関しては、敵対的なアプローチは示されていない。Woerth氏も、新しいテクノロジーを利用する重要性に関しては理解を示しており、市場全体の利益を守るためには、仮想通貨の用途を区別してより適切な規制を確立しなければならないとコメントしている。

release date 2019.03.07

出典元:

ニュースコメント

各国で厳格化する匿名通貨取引への対応

特に先進国地域では、匿名通貨と呼ばれる種類の仮想通貨の取引が禁止または制限されており、国際的な包囲網が敷かれていることもあって、各国政府の対応は年々厳しくなる一方である。日本市場では、2018年5月以降、自主規制団体の日本仮想通貨交換業協会が、匿名通貨の取り扱いを禁止してから、モネロ、ジーキャッシュ、ダッシュ(Dash)、オーガー(Augur)などが仮想通貨取引所から除外されている。また、2018年12月に金融庁が提出した仮想通貨に関する規制草案にも、匿名通貨のリスティング規制について記載されている。米国では、前述の通り、一部の匿名通貨がコインベースやジェミニなどの大手取引所で取引可能となっているが、決して全面的に歓迎されているわけではない。犯罪利用を懸念するアメリカ合衆国国土安全保障省は、匿名通貨のブロックチェーンを解析する技術の開発に興味を示している。詳細は明かされていないが、これが現実のものとなれば、匿名通貨の犯罪利用を未然に防ぐ抑止力となる可能性があるとのことだ。テクノロジーに投資することで解決を目指す方法もひとつの手段だと言えるが、最終的にフランス政府はどのような対応を取るのだろうか。


Date

作成日

2019.03.07

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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