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ネム財団が組織再編のために大規模なリストラを計画

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update 2021.08.31 15:27
ネム財団が組織再編のために大規模なリストラを計画

update 2021.08.31 15:27

資金要請の結果次第で150名が解雇される可能性

ネム(NEM)のブロックチェーン開発や事業推進の役割を担うネム財団は、厳しい予算削減と組織再編の影響で、150名の従業員を解雇する計画があることを明らかにした。[1]

先日、新しくネム財団の会長として選出されたAlex Tinsman氏は、組織を立て直すため、コミュニティに追加資金として1億6,000万XEM(約750万ドル相当)の提供を要請することを伝えている。この資金要請に対する可否は、年間50ドルのサブスクリプションを支払っている202名のコミュニティメンバーの投票によって2月中に決定され、Tinsman氏によると、解雇する社員数に関しては、この度の要請でどれだけの追加資金を得られるかに応じて検討するとのことだ。Tinsman氏のコメントでは、前体制のマネジメントの失態からネム財団は危機的な状況に陥っており、同氏が就任した2019年1月時点から、運営を継続させる余裕がわずか1か月しか残されていないことが明かされた。調べによると、ネム財団は、2017年12月から2019年1月の間、主にマーケティング活動費用として、8,000万XEM(約300万ドル相当)の資金を費やしており、それが運営を圧迫していることが考えられている。

XEMのティッカーシンボル(通貨を表す符丁)で各取引所にリスティングされている仮想通貨ネムは、90億通貨もの流通量を誇り、世界でも18番目に時価総額が大きい主要な仮想通貨となっている。ネムは、元財団のトップであるLon Wong氏が在任中の2015年に開発されたもので、元々は、同ブロックチェーン上で提供されるサービスや取引の支払いに利用される仮想通貨だったという。近年では、トランザクション速度の向上と金融取引プラットフォームとしての有用性を高めることを見込んだ、カタパルトと呼ばれる大型アップデートが計画されるなど、開発面での取り組みに注目が集まっている。しかし今のところ、カタパルトの実装は遅れているようだが、Tinsman氏は、開発を優先するためにネム財団のマーケティング活動予算を縮小することを宣言した。

匿名の元ネム財団の開発者は、前任のWong氏が、EcobitやProximaXといったICO(イニシャルコインオファリング)のプロモーションを行う際、組織の仕組みを悪用したことがそもそもの失敗の原因だったと言及している。2018年に実施されたProximaXのトークンセールは、3,300万ドル以上の資金調達に成功しており、Wong氏の名前がCEOという肩書きとともにPriximaXのウェブサイトに記載されたことが、非中央集権型の組織構造を重んじるコミュニティ内では、メンバーに対しての背信行為だと感じられていたようだ。加えて、この匿名の元開発者は、ブロックチェーンプラットフォーム開発を行える人材が不足していることを指摘しており、ネムにはもっと多くの開発が必要だと発言している。

以前は広報幹部としてネム財団に従事していたTinsman氏は、148名のコミュニティメンバーの投票によって会長に選出された。Tinsman氏は、会長に就任してまず初めに、2019年のロードマップを規律を持って遂行することに着手しており、同時に開発チームには明確な予算を与えると共に、より多くのオープンソースドキュメントを発行してコミュニティに開発の進捗を伝えていくことを表明している。また、Tinsman氏は、2019年はネム財団の収益性を強化する方向で動いていることも示しており、企業向けの研修やアフィリエイト広告などから十分な収益を確保することで、非利益団体としての依存体質を変えようとしているようだ。

コミュニティメンバーによる2月の投票では、今回の資金要請とネム財団の今後の方針が決定されるという。Tinasman氏は、この大規模なリストラを悲観的には捉えておらず、未来を切り開くコミュニティに意味ある支援となるようにしたいと発言している。

release date 2019.02.01

出典元:

ニュースコメント

昨年から仮想通貨業界で続く大規模なリストラ

長引く仮想通貨価格の低迷から、仮想通貨・ブロックチェーン業界では多くの企業や組織がリストラを実施することで、人的リソースの最適化を図っている。昨年12月末にも、仮想通貨業界大手のBitmainとHuobiがリストラで人員整理に取り組んでいることが報道された。どちらも詳細は明らかにされていないが、Bitmainに関しては、およそ2,500名の人員を抱えていることがわかっており、マイニング事業の収益減少やマイニングマシン需要の減退を見ると、数百人規模のリストラになるとの予測もある。また人員整理以外にも、Bitmainは、イスラエルの研究開発センターの閉鎖など、研究開発費用の削減にも着手していることから、事業を維持するための資金繰りに苦しんでいる内情が伺える。ほかにも、ブロックチェーン開発企業ConsenSysは全体の60%におよぶ人員削減を行い、仮想通貨取引所のShapeShiftは、全社員の30%となる37人を解雇したことを発表している。このような状況の中、非営利団体のネム財団は、コミュニティからの支援を受ける形で事業を継続しているが、厳しい仮想通貨業界で生き残るためには、一般企業のような合理的な仕組みも必要なのかもしれない。


Date

作成日

2019.02.01

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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