Select Language

Paysafe、VISAのプリンシパルメンバーシップを取得

Paysafe、VISAのプリンシパルメンバーシップを取得

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
Paysafe、VISAのプリンシパルメンバーシップを取得

update 2021.08.31 15:27

欧州全域で高い成長が見込まれるプリペイドカードの提供を開始

SkrillやNETELLERを子会社に持つ決済サービスプロバイダーのPaysafe(本社:Queen Victoria House 3rd Floor 41-43 Victoria Street Douglas, Isle of Man IM1 2LF[1])が、大手クレジットカード会社VISAのプリンシパルメンバーシップ(VISAブランドの使用料を支払うことで、カード発行権や加盟店契約権を得る仕組み)を取得したことが明らかとなった。

PaysafeはVISAとパートナー契約を締結し、プリンシパルメンバーシップを取得したことにより、欧州全域に亘り需要拡大が見込まれるプリペイドカードの発行が可能となるという。グローバルベースで見ると、プリペイドカードの利用は2016年から2022年の間に22.7%の市場拡大が見込まれる成長分野に位置づけられている。また米国・オレゴン州を拠点とし、市場調査やビジネスコンサルティングサービスを提供するAllied Market Researchの調べでは、プリペイドカード市場規模は2022年までに3兆6,500億ドルに達することが見込まれているほか、2018年12月のグローバル消費の内10%で、決済手段としてプリペイドカードが用いられたとのことだ。

更に、TransferwiseやRevoultといったモバイルバンキングアプリの普及加速が、プリペイドカード市場の追い風となっていることに加え、アンダーバンクト(underbanked)と呼ばれる銀行サービスを利用できない人々の間でも、従来からの金融サービスに取って代わる存在として、低コストなプリペイドカードの利用拡大が続いている状況である。

PaysafeがVISAよりプリンシパルメンバーシップを取得したことに絡み、SkrillとNETELLER、およびIncome AccessのCEOであるLorenzo Pellegrino氏と、VISA英国・アイルランドのフィンテック部門責任者であるHugh Kingdon氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

現金決済に取って代わる使い勝手の良いプリペイドカードの利用拡大が進むことが期待されると共に、消費者やビジネスの現場で、プリペイドカードが有する特徴やメリットに対する認識が急速に高まっております。VISAとの提携を通じプリペイドカードを発行することで、人気と信頼性の高いまさに画期的なサービス展開を図れると考えております。

Lorenzo Pellegrino, CEO of Skrill, NETELLER and Income Aceess at Paysafe Group - Paysafeより引用

近年欧州のプリペイドカード市場は、我が社のVISAブランドを利用した革新的なサービス展開が図られると共に、目覚ましい成長を遂げております。そして、プリペイドカードは想定以上の負債を抱えるリスクを抑えるという特徴を有している他、資金管理が容易であり、且つ口座残高以上の消費を抑制することも可能であります。

Hugh Kingdon, Head of Fintech, in the UK & Ireland of VISA - Paysafeより引用

なお、法人においてもプリペイドカードの利用拡大が確認されており、旅行費用の決済として、または顧客を対象としたキャッシュバックプロモーションや従業員向けリワード・インセンティブプログラムとして、プリペイドカードが活用されている模様だ。また、小売店や政府機関、金融機関それぞれが、eコマース(電子商取引)やPOS(point-of-sale、単品単位で商品の売上を記録すること)システムを用いた取引に加えて、現金引き出しなどのためにプリペイドカード取引に対応し始めており、まさに生活の様々な場面でプリペイドカードの利用拡大が進んでいることが伺える。

2018年11月末にPaysafeはWorldpayと提携し、インターネットゲームやスポーツベッティング決済の強化も図っている。また、オランダやベルギーなど欧州でPaysafeは決済サービスRapid Transferという銀行間送金決済サービスの提供を開始している。そしてこの度、世界で最も利用されている国際ブランドであるVISAと手を組むことで、成長著しいプリペイドカードの利用増加及び会社全体の業績拡大が期待できよう。

release date 2019.02.01

出典元:

ニュースコメント

世界で進むキャッシュレス化

VISAプリペイドカードは利用者があらかじめカードに現金をチャージすれば、その範囲内でクレジットカードと同じようにVISAの加盟店で利用できるカードだ。利用開始に際して銀行での顧客確認や信用審査などがなく、コンビニやスーパーマーケットで購入できるカードもあり、利用しやすいサービスが特徴となっている。キャッシュレス化が進む欧米諸国では現金払いを受け付けない商店が存在し、VISAやマスターなど国際ブランドの決済カードが広く浸透しているが、プリペイドカード普及の背景には、学生や退職者など、クレジットカードを持つことが難しい人々への一定の需要があるためと見られる。また、商店などの実店舗以外にも、オンラインショッピングやスマートフォンアプリの購入など、国際ブランドの決済カードを利用する機会はますます増加すると考えられている。一方の日本はというと、中高年を中心に現金主義社会とも言われ、キャッシュレス化は世界と比べる進んでいないが、国際ブランドの決済カードへのニーズは確実に高まっていることは間違いない。日本からNETELLERとSkrillサービスを撤退したPaysafeではあるが、2020年の東京オリンピックに向けキャッシュレス化対応が求められる日本でのプリペイドカードサービス展開にも期待したい。


Date

作成日

2019.02.01

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル