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CySEC、ブローカーの業績動向を開示

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update 2022.01.27 17:05
CySEC、ブローカーの業績動向を開示

update 2022.01.27 17:05

過去最高益を叩き出した2016年からピークアウト

キプロスの金融監督当局であるキプロス証券取引委員会【以下、CySECと称す】は、キプロスを地盤とするブローカーの2017年業績動向を開示した。

まず、キプロスの投資会社(Cyprus Investment Firms)【以下、CIFsと称す】としてライセンス登録する企業数は、継続して増加しており、2012年の129社から2017年12月31日時点には235社となり、5年の間にほぼ倍に増加している。また、それらのCIFsには、4,430名の従業員が勤務しているという。それまで他方で活況を呈していたバイナリーオプション取引が2016年初頭にピークアウトを迎えたことから、CIFsの顧客数は2016年に大きく落ち込んだものの、2017年は微増し150万人程に推移している。[1]

CIFsの業績面を確認すると、2017年のトレーディング収益は16億8千万ユーロであり、純利益は2億2,270万ユーロ、総資産は約100億ユーロとなっている。これらの業績データは、2016年と比較して減少していることから、市場全体がピークアウトしていることが伺えよう。

更にCIFsの企業動向の詳細を見ると、132社がCFDを提供している一方、87社は伝統的な投資サービスを提供している模様だ。またCFDを提供するブローカレッジファームに勤務する従業員は3,582名に上り、顧客数は全体で140万人、預かり資産は77億ユーロである。加えて、売上高は13億ユーロ、税引き後利益は1億7,600万ユーロを計上し、過去最高を記録した2016年からは大きく落ち込む結果となっている。

これらの業績データに加えて、今年8月には、ESMAの新規制が導入された他、ESMAがCFD新規制策の期間延長を続けていることなどから、市場が縮小傾向にあると見込まれる。そのため、キプロスにおけるブローカレッジ業界の市場規模は、2017年には既にピークアウトを迎えていたと測り知ることができよう。

release date 2018.12.28

出典元:

ニュースコメント

今後も苦戦が続くと予想されるCySEC規制下のブローカー

キプロス証券取引委員会(CySEC)は、キプロスでの金融商品取り扱いや投資サービスを管理・監督する規制当局であり、キプロスに本拠を置く金融機関等に対し、厳格な審査を行い金融(CIF)ライセンスを発行している。キプロスがEUへ加盟していることから、CySECは欧州証券規制当局委員会(CESR)のメンバーとしてMiFID(欧州金融商品市場指令)に準拠した金融機関に対する規制監督の役割も担っている。今回CySECより開示された統計にあったように、2016年をピークに業績は減少していることから、続く2018年のキプロスを地盤とするブローカー各社の経営は、引き続き苦戦を強いられていることが予想される。欧州当局が規制強化を今後も継続させる可能性が高いことから、ブローカー各社は規制に準拠した革新的なサービスを提供したり、新たな市場開拓を行うことで業績維持・拡大を図る必要がありそうだ。今後、キプロス地盤のブローカー各社がどのようなサービス展開や戦略を打ち立て業績の巻き返しを図るのか、動向に注目したい。


Date

作成日

2018.12.28

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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