作成日
:2018.12.27
2022.07.02 10:18
香港証券取引所に上場する投資持株会社であるMadison Holdings Group(本社:28/F, BEA Harbour View Centre, 56 Gloucester Road, Wanchai, Hong Kong
)【以下、Madisonと称す】が、日本にて仮想通貨取引プラットフォームの提供を行うBitOcean(本社:東京都江東区南砂2-36-11 プライムタワー東陽町8F )【以下、ビットオーシャンと称す】株式を大量取得する計画であると、香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)が報じた。時価総額にして41億香港ドル超(約5億3,400万ドル)の規模を誇るMadisonは、良質なフランスワインを提供する世界最大のワイン会社の一つとして知られる一方で、仮想通貨業界における経験は皆無である。そのため、この度のビットオーシャン株式取得は、Madisonにとって主軸事業の多角化を図るうえで、大きな経営判断を下したと言えよう。ビットオーシャンに関しては、日本にて16社ある仮想通貨交換業者の1つとして金融庁に登録されているものの、依然仮想通貨取引サービスを展開しておらず、Madisonとしては仮想通貨市場の将来性を見込み、今後新たなビジネス機会を生み出すものと期待し、ビットオーシャン株式の取得を検討したと考えられる。
この度の株式取得は、Madisonの子会社であるMadison Labsが、ビットオーシャン株式67.2%を16億8千万円(1,512万ドル)で購入する見通しとのことだ。
ビットオーシャン株式の取得に際し、Madisonの会長であるRaymond Ting Pang-wan氏は、以下のようにコメントしている。
我が社のワイン事業は安定的に利益を生み出してくれていますが、事業規模が小さく、ワイン取引を非常に大きなビジネスへと拡大させることは困難なことでもあります。そのため、我々は金融テクノロジーや仮想通貨事業の分野において事業の多角化を図ることで、株主価値を向上させる考えを持っております。仮想通貨取引やブロックチェーン技術を活用したビジネスは、ますます人気が高まっており、これら仮想通貨の分野に投資をすることで、我が社の収益源の拡大を図っていきます。また、日本は世界のビットコイン取引の約20%を占め、唯一日本と米国の2つの市場だけが仮想通貨取引プラットフォームの提供に対する登録制度を採用しております。そこで我々は、規制を遵守したうえで、仮想通貨事業に参入したいと考え、この度のビットオーシャン株式の取得に至りました。
Raymond Ting Pang-wan, chairman at Madison - South China Morning Postより引用
ビットコイン価格は下落が続き、仮想通貨市場は総じて厳しい局面を迎えているが、Ting氏は仮想通貨市場の先行きに対し、非常に楽観的な見通しを持っており、長期的な視点から市場参入するには今こそベストなタイミングだと考えているようだ。
なお、Madisonにとっては、ビットオーシャン株式取得を通じ、仮想通貨業界に参入する第一歩を踏み出す形ではあるが、金融業界においては既に事業の多角化を推し進めている。2017年には、証券及びアセットマネジメント事業を手掛け、香港証券先物委員会(Hong Kong Securities and Futures Commssion)の登録業者でもあるEternal Pearl Securitiesや、同じく香港を拠点とするCVP CapitalとCVP Asset Managementの株式を大量取得している。仮想通貨関連を始め様々な金融会社の株式取得を推し進めるMadisonにとって、事業多角化戦略が多くの収益機会をもたらすことが期待されよう。
release date 2018.12.27
この度の株式取得計画は、Madisonがビットオーシャン株式を取得する形にはなっているものの、Madison Labsの取得分67.2%の内50%以上を、大手仮想通貨取引所であるBitMEXの親会社であるHDR Global Trading Limitedが取得する計画だという。このことから、この度の計画によりビットオーシャンを通じてBitMEXが日本進出を本格化させるのではないかとの声が高まっている。BitMEXの日本進出が実現した場合、10月にICOの格付けサイトであるICOratingが実施した調査で上位にランクインするほどの強靭なセキュリティ対策を行っている取引所が日本に上陸し、BitMEXが提供している仮想通貨デリバティブ取引が日本の顧客にも提供されることになることから、日本の投資家の間では期待が膨らんでいるようだ。Madisonの新たなビジネスへの挑戦が、独自のプラットフォームや仮想通貨ATMの開発・提供を行うビットオーシャンの技術を用いて軌道に乗ることができるのか、今後の事業展開に注目したい。
作成日
:2018.12.27
最終更新
:2022.07.02
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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