作成日
:2018.11.12
2021.08.31 15:27
大手マイニング企業のBitmain Technologies Ltd(本社:Building 25, North Olympic Science & Technology Park, Baosheng South Road, Haidian District, Beijing, China 100029
)【以下、Bitmainと称す】は、同社が仮想通貨取引所バイナンスの取引口座から617BTC(当時換算約550万ドル以上)の仮想通貨を盗難した疑いがあるとして、匿名のハッカーを相手に、今月7日、訴訟を起こしていることが明らかになった。米国シアトルの地方裁判所の記録によると、John Doeと称されるこの匿名のハッカーは、あらかじめ別の取引所Bittrexの口座に230万通貨のMANAを保有し、バイナンスの口座へ資金移動を行っていた。その後4月22日に、Bitmainのウォレット内に不正アクセスし、Bitmainが保有していたビットコインで価格操作を行って、MANAの売買を行ったとのことだ。巨額な資金移動のためMANA価格は一時高騰し、通常の市場価格よりも高いレートで取引が行われたと報告されている。その後、価格が落ち着いたころ、John Doeが管理するバイナンスの口座でMANAを購入し、一連の売買によって生じた差額を不正な利益として享受していたとされている。John Doeは、今回の不正操作でMANAの価格を吊り上げることによって利益を得た疑いもかけられている。
MANA(Decentraland)とは、Ethereumのブロックチェーン技術を使ったトークンで、Decentralandと呼ばれるVRゲーム内で使われている仮想通貨だ。Decentralandは、VR空間内でバーチャルの町や店などを探索し、ユーザーはMANAを使用して土地やアイテムの売買が可能となっている。取引記録はブロックチェーン上で行うという新しい取り組みが注目され、2017年8月のICOでは、86,230イーサリアム(Ethereum)、法定通貨に換算すると約2,500万ドルの資金調達に成功している。
今年に入って、ビットコインなどの仮想通貨は、下降線をたどっているが、反対にビットコイン関連の詐欺報告は増加しているという。今回の事件が発生した4月時点でのビットコイン価格は、8,935ドル付近を推移していたが、現在は勢いなく6,300ドルから6,400ドル程度で取引されており、市場が萎縮傾向にあることが感じられる。
release date 2018.11.12
今回のハッキング事件に関して、具体的な方法こそ明かされていないものの、犯人を特定するに至っている事実は仮想通貨市場にとっても大きな前進だと言えるだろう。これまでは、マウントゴックス事件やコインチェックのNEM流出など、大規模な事件でも実行犯の尻尾を摑むことすらできず、運営の実質的な持ち逃げなどを疑う声もあったが、解決されないまま真相は闇の中となっていた。しかし、仮想通貨市場が成熟に向かう中、ブロックチェーン監視や分析を行うソリューションがその流れを変えつつある。今月初めに三菱UFJフィナンシャルグループの子会社であるJapan Desital Design株式会社は、70億円相当が不正流出したZaifのハッキング事件に関して、疑わしい取引パターンを検出することで、送金ルートの割り出しやIPアドレスの特定が可能となったこと発表した。その詳しい内容は明かされていないが、すでに金融庁にも報告済みで、解決に向かうことが期待されており、市場の安全性を取り戻すソリューションとして注目を集めている。
作成日
:2018.11.12
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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