Select Language

Zaifハッキングの事後調査で疑わしい取引の特定に成功

Zaifハッキングの事後調査で疑わしい取引の特定に成功

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:22
Zaifハッキングの事後調査で疑わしい取引の特定に成功

update 2021.08.31 15:22

ブロックチェーン分析により送金ルートを割り出す

三菱UFJフィナンシャルグループの子会社で仮想通貨技術に精通するJapan Digital Design株式会社(本社:東京都中央区日本橋本石町3-3-5 日本橋トークビル[1])【以下、デジタルデザインと称す】は、今月5日のプレスリリースにて、調査中の約6,000万ドルの被害を出したZaifのハッキング事件について、疑わしい取引の特定に成功したことを伝えている。

デジタルデザインは、Zaifのハッキング事件後すぐに、ITコンサルティング企業のL Plus LLC(東京都千代田区神田多町2-1 神田東山ビル7F[2])と情報セキュリティを競う競技であるCapture the Flagの団体TokyoWesternsと協力して資金の流れを追っていたという。デジタルデザインは、不正流出したモナコイン(Monacoin)は、10月20日から送金により資金移動されているとして、これまでに5つの疑わしい取引とその特徴を規制当局に報告している。

情報の全てが公開されているわけではないので、その真偽は明らかにはなっていないが、デジタルデザインは、ブロックチェーンの静的コード分析によって送金ルートを割り出したようだ。また、今回の調査で、IPアドレスなどの手がかりを取得することも可能だということがわかり、情報の正確性やトラッキングコストを示す有用な情報も手に入れたという。

Zaifは、9月にビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインを含む仮想通貨資産をハッキング被害によって失っているが、金融庁から指摘があったとおり、被害報告の遅れが発生している点などからも、対策への甘さが見えた。尚、運営元のテックビューロは、この件で金融庁により顧客資産の補填を命じられ、Zaifをフィスコへ事業譲渡するという決定が下されている。市場の信頼回復に向けた金融庁の積極的な取り組みが読みとれるものの、警視庁の発表によると今年の上半期だけで5億4,000万ドルのハッキング被害が発生した日本市場は危機的状況にあるという事実は変わりないだろう。

release date 2018.11.06

出典元:

ニュースコメント

ブロックチェーン分析は犯罪防止の切り札となるか

今回のデジタルデザインの調査で肝となったのが、ブロックチェーン分析という新しいテクノロジーだが、仮想通貨業界で今最も注目されていると言っても過言ではない。そのテクノロジー開発の先頭を走るのは、バイナンスとの提携や投資ラウンドで1,600万ドルを集めたことで一躍有名となった、米国、ニューヨークに拠点を置くChainalysisである。Chianalysisのソリューションは、リアルタイムにブロックチェーン上のトランザクションを監視することができ、膨大なパターンの中から、犯罪利用などの危険性がある取引を自動で検出することが可能だという。この手のソリューションを開発する企業は、業界でも数社しか存在しないが、米国政府も仮想通貨の犯罪利用防止に効果を発揮することを期待するなど、将来性の高い分野と言える。日本では、金融庁主導による規制の強化で仮想通貨市場の安全を取り戻そうとしているようだが、こういったテクノロジーの力を最大限活かすことも有効なアプローチなのかもしれない。


Date

作成日

2018.11.06

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからコインチェックに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについても解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からコインチェック(Coincheck)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.17 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル