作成日
:2018.10.23
2022.05.25 14:04
IC Marketsブランドを持つInternational Capital Markets Pty Ltd(本社:Level6 309 Kent Street Sydney NSW 2000 AUSTRALIA
)【以下、IC Marketsと称す】が、2018年7月にキプロス証券取引委員会(The Cyprus Securities and Exchange Commission)【以下、CySECと称す】よりライセンスを取得したことを受け、既にキプロスへオフィスを開設し新たなサービスの提供に向け準備を進めていることが明らかとなった。IC Marketsは、2007年に金融業界のプロフェッショナル集団により立ち上げられたオーストラリア最大手のFX・CFDブローカーである。これまでオーストラリアの規制当局であるオーストラリア証券投資委員会(the Australian Securities and Investments Commission)【以下、ASICと称す】の許認可のもと、ASICライセンスを活用し、グローバルなサービス提供を行っている。また、IC Marketsが全ての口座タイプに採用するTrue ECNマーケットプレイスでは、50のリクイディティプロバイダーから高い流動性供給を確保しており、高い透明性と低いレイテンシーを実現した取引環境を提供している。取引プラットフォームは、MetaTrader4、cTraderを導入している他、2017年5月にIC MarketsはMetaTrader5をリリースし取扱いを開始している。
今年8月からEU全域で適用開始となっているESMAの新規制の影響によってリテール市場の縮小が進むなか、EU圏のブローカー各社は顧客を維持することに苦心しているが、このような厳しい環境下のなかで、IC MarketsがCySECライセンスを取得し、この時期にキプロスへ進出したことはタイミングとして非常に興味深いものがある。同社がキプロスの地でどのようなサービスを展開し市場拡大へ向けた戦略を打ち出すのか、今後の動向に注目していきたい。
release date 2018.10.23
IC Marketsは、設立は2007年と老舗の海外FXブローカーである。かつては、日本在住の顧客へもサービス提供を行っていたが、同じくASICにて認可を受けているPepperstone同様、2015年4月に日本の第一種金融商品取引業者としての許認可を取得していないことを理由に、日本からの撤退を余儀なくされている。この日本市場からの撤退は、「日本の金融庁による圧力」とも噂され、この時期に多くのASICライセンス保有のブローカーが日本からの撤退を発表している。しかしながら、IC Marketsは2017年中頃より、密かに日本顧客へ向けてサービス提供を復活させていたが、2018年7月より許認可や金融ライセンスに基づく決定が原因となり、再び日本顧客へのサービス提供を停止している。日本市場へも積極的にサービスを展開していたIC Marketsであるが、国外でのシェアが大きく、安全性と約定能力においての評価が非常に高いのも特徴である。2018年イギリスのFXブローカーTOP8で4位の評価を獲得するなど、低スプレッドでのサービス提供や企業の安定性が高いことから、国外の顧客からも非常に高い人気を得ている。こうした国外におけるサービス提供を得意としているIC Marketsだが、厳しいEU規制下であるキプロス進出で、どのような発展を遂げるのか、非常に楽しみである。
作成日
:2018.10.23
最終更新
:2022.05.25
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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