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中国大手仮想通貨取引所BTCCが韓国市場への参入を表明

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update 2021.08.31 15:22
中国大手仮想通貨取引所BTCCが韓国市場への参入を表明

update 2021.08.31 15:22

多様なサービスでグローバル市場での再建を狙う

香港に拠点を構える世界初の仮想通貨取引所として知られるBTCCは、仮想通貨関連サービスと併せて、10月31日に韓国で新しい取引所をローンチすることを発表した。

正式なリリースは、11月になると言われているが、BTCCは、少なくとも今月中にベータ版のリリースを実施するという。BTCCは取引所に加えて、ウォレットサービス、マイニングプール事業、消費者向けペイメントサービスを含む4領域のサービス提供を視野に入れているようだ。特にペイメントサービスは、仮想通貨を利用したオンライン、オフラインに対応し、実店舗などでも利用できるソリューションとしてサービスを拡大していくことがBTCC Koreaのウェブサイト上で紹介されている。[1]

この度のBTCCの韓国への事業展開は、地元企業やグローバル企業との戦略的な連携によって、実績を広げることに狙いがあるという。2011年に設立されたBTCCは、世界最大の取引量を誇っていたが、仮想通貨に否定的な政策をとった中国政府の圧力によって、一時営業停止に追い込まれた。昨年9月に中国政府がICOを全面的に禁止し、その後も中国国内の取引所へ規制強化を続けていることから、国内の主要な取引所は、国外への移転を余儀なくされ、BTCCは、グローバル市場向けの取引所として香港で営業再会を果たした。現在BTCCでは、米ドルとの通貨ペアとして、ビットコイン(Bitcoin)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、イーサリアム(Ethereum)、ライトコイン(Litecoin)、ダッシュ(Dash)が採用されているほか、ビットコインに対して他4つの仮想通貨の取引ができるという。韓国での新サービスでは、どの通貨ペアがリスティングされるのかは、未だ明らかにされていない。

韓国の仮想通貨市場では、アップビット、ビッサム、コインワン、コービットの4大取引所がシェアを占めている。ビッサムは韓国で最大の取引量を誇る一方で、アップビットは韓国で最も多い276の異なる市場で164種類の仮想通貨が取引可能だ。加えて、アップビットは米国を拠点とするBittrexと提携するほか、韓国の大手IT企業で人気モバイルアプリKakao Talkを運営するKakao Corporationが後ろ盾に存在することから、協業などの面で強さを見せている。

HuobiもBTCC同様に、中国政府の影響で国外に移転した大手取引所のひとつだが、今年3月にすでに韓国市場への参入を果たしている。Huobiは、現在、200の市場にリスティングされる100種類の仮想通貨の取引サービスを提供しているという。

BTCCもこれに続き、韓国市場に根付くことができるのか。新規市場で同社がどのようなサービスを展開していくのか今後の動向に注目していきたい。

release date 2018.10.18

出典元:

ニュースコメント

中国から撤退するも国外で拡大する中国資本の取引所

中国政府の規制は、中国の仮想通貨市場を大きく縮小させ、今年7月には、かつて巨大なシェアを誇った中国のビットコイン取引量が減退し、全体の1%まで落ち込んだことが中国人民銀行により発表された。また、中国内でのICOも厳しく禁止されており、中国内の仮想通貨関連企業は虫の息となっている。しかし一方で、この中国内での規制は、企業や取引所を国外拠点に追いやるだけで、根本的な解決にはならないという意見もある。事実、中国資本の取引所は、シンガポールや香港、韓国などで営業を再開しており、中国内へのサービス提供も行っている。中国政府は海外取引所からのアクセスをブロックするなどして対策を打っているが、次々と誕生する取引サービスに完全には対応しきれていないのが現状だ。HuobiやOKEx、マイニング企業のBitmainなどがグローバル市場で躍進していることから、結果的に国外への展開が良い方向へ向かっているといえる。かつて世界一の規模を誇ったBTCCも、この流れに乗って再建が進むことに期待したい。


Date

作成日

2018.10.18

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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