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スイス大手銀行のデューカスコピーがICOの実施を計画

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update 2021.08.31 15:22
スイス大手銀行のデューカスコピーがICOの実施を計画

update 2021.08.31 15:22

独自トークンにより自社モバイルバンキング口座の普及拡大を目指す

スイスの大手銀行であるDukascopy Bank SA(本社:Route de Pre-Bois 20 ICC, Entrance H 1212, Geneva 15, Swizerland[1])【以下、デューカスコピーと称す】は、イーサリアムブロックチェーンを利用したICO(イニシャルコインオファリング)の実施を計画していることを明らかにした。

デューカスコピーは、今回のICOでDukascoinsという独自トークンを200億ドル分発行することを予定しており、同社のモバイルバンキングの利用促進を目的に配布することを明らかにしている。これに伴い、ユーザーはモバイル当座預金口座(モバイル当座預金)の開設を行うか、デューカスコピーのモバイルアプリ、Connect 911 Messengerを利用することを条件に、5Dukascoinsを獲得することができる。配布されたトークンは、他のイーサリアムトークンと同様に自由に取引することができる他、現在、デューカスコピーがAIによるチャットボットを開発中で、このチャットボットのマーケットプレイス内での利用も可能となるようだ。デューカスコピーは、モバイルバンキングでの当座預金口座のサービス提供拡大に注力する中で、国内外の顧客に対しコストレスでセキュアーな親しみやすい新しいソリューションを前面に押し出した商品戦略を行っている。その起爆剤として期待されるDukascoinsは、すでにホワイトペーパーや技術的な仕様も完成しており、2、3か月後の発行を予定しているようだ。

このイーサリアムトークンの発行に加えて、デューカスコピーはアメリカドル資産に裏付けされた安定的な価値を持つ仮想通貨であるテザー(USDT)と同様のコンセプトを持つDukasnotesを開発していることも発表している。Dukasnotesが紐づく法定通貨の詳細については明言されていないものの、現時点では自国のスイスフランが有力と考えられている。デューカスコピーは、東京や香港、上海、ドバイ、リガ(ラトビア)、キエフ(ウクライナ)、モスクワなど世界中に拠点を構え300人を超える従業員を抱える。この度のICO案件については、現在スイス金融市場監督局(FINMA)の承認待ちであるが、デューカスコピーの同プロジェクトにかける強い意気込みが伺える。

release date 2018.10.1

出典元:

ニュースコメント

デューカスコピー、規制された銀行では初となるICO発行

スイス金融市場監督機構(FINMA)によって認可を受けた高い透明性と約定スピードが魅力のスイスのオンライン銀行デューカスコピーの業績は経営コストが純利益を圧迫しており、これはここ数年間の競争の激化によるものとみられる。このような状況の中、同社は経営戦力の見直しを行い、さらなるサービスの拡大を目指す。この度の同社における独自仮想通貨発行の目的は、自社サービスのConnect 911メッセンジャーと、モバイルバンク口座、Mobile Current Accounts(MCA)の利用促進である。今回発行を予定しているのは、ERC20(イーサリアムでトークンを発行するための規格のこと)に準拠する2つのトークンDukascoinsとDukasnotesとなるが、Dukascoinsについてはメッセンジャーやモバイルバンク口座の利用を条件に、20 Dukascoinsが市場に配られ、そのうち5枚がユーザーに、銀行に10枚のDukascoinsが付与される。残りの5枚は紹介者か、紹介先がいない場合は銀行に配布されるようだ。さらに、10万枚以上の大量のDukascoinsをFOK方式(注文数量の全部が即時に約定しない場合、注文数量の全部を即時に失効させる処理方法)にて販売し、トークンを流通させることを予定している。Dukascoinsについては上記の限定された条件下でのみ市場に循環することに加え、限られた発行枚数の為、価値の上昇が期待される。イーサリアムに基づいた、支払い手段と投機的手段の両方に機能するこのDukascoinsの売買を希望する人のために、同社は、取引所に関連したビジネスの展開も予定しているようだ。一方で、同社は、計画の実施がスイス金融市場監査局(FINMA)の承認によって遅れる可能性があることにも言及している。


Date

作成日

2018.10.01

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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