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リップル、高騰によりイーサリアムの時価総額を一時追い抜き2位に浮上

リップル、高騰によりイーサリアムの時価総額を一時追い抜き2位に浮上

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update 2021.08.31 15:22
リップル、高騰によりイーサリアムの時価総額を一時追い抜き2位に浮上

update 2021.08.31 15:22

パートナーシップ拡大と機能開発で復調の兆し

リップル(XRP/USD)は、先週の21日頃から100%以上の急騰を見せ、ピーク時には0.76ドルに達したことで、時価総額で2位のポジションを堅守していたイーサリアム(ETH)を一時的に追い抜いた。その後、24日に入り価格を下げたことで時価総額は3位に後退したものの、その差は20億ドル以下に留まっており、引き続き投資家たちの関心を集めている。

リップルは主に、決済を一件ずつ処理する即時グロス決済、両替、送金などの利用に焦点を当てている。主要な大手銀行とパートナーシップをいち早く締結し、ブロックチェーンを基盤とする金融インフラの開発を進めている。しかしながら、2018年前半は他の仮想通貨同様に仮想通貨市場の低迷に悩まされたうえ、リップルが有価証券であるかどうかについて法廷闘争を続けてきたほか、R3コンソーシアムが主要な銀行との提携を公約していたが実現しないこととなり、大きな論争が起こっている。このような状況の中で、リップルは約80%ほど価格が下落していたが、今回の価格高騰から、リップルの流れは変わりつつあるのではとの見解がでてきた。主な要因として、銀行との新たなパートナーシップの拡大やリップルの送金ソリューションとなるxRapidリリースへの期待が高まったことが考えられる。

xRapidは、送金業者向けのブロックチェーンを使ったシステムで、リップルをブリッジ通貨とすることにより金融機関間の取引を高速で行うことを可能にし流動性コストを抑えることができる。なお、法定通貨を一度リップルに変換し、再度任意の法定通貨に変換する方法で送金を行うため、国境を越える国際取引でも利用できるという柔軟性も兼ね備えている。xRapidは、まだ銀行でのテストは実施されていないが、米Western Union(ウェスタンユニオン)やMoneyGram(マネーグラム)などの送金業者ではすでに試験的な導入が始まっている。[1]リップルは、xRapidの商用利用開始については、10月から11月になると示唆しており、仮想通貨取引所のBittrex、Bitso、Coins.phの3社は、xRapidによる送金機能の導入にすでに合意しているという。

8月には、xRapidの市場投入について、リップルのマーケット戦略責任者であるCory Johnson氏が以下のようにコメントしている。

xRapidはこれまですでにトライアルによる成功例を収めています。今年後半にベータ版から製品版へ移行し提携する取引所へ提供します。これにより、異なる通貨間でもシームレスな取引が実現できる優れたシステムとして信頼され、金融機関への導入も可能になると考えます。

Cory Jhonson, Chief Market Strategist at Ripple - Rippleより引用

xRapidの他に、リップルはxCurrentという金融機関向けサービスをリリースしており、銀行間のメッセージのやり取りや取引確認を行うためのブロックチェーンベースのツールとして、現在120の銀行や金融機関が国際取引向けに導入、またはテスト導入されている。最近xCurrentを導入した銀行として、500万人のユーザーを抱え、2016年には370億ドルの海外送金を計上したサウジアラビアの国立商業銀行(National Commercial Bank, NBC)が挙げられる。また、2月には中国最大のイーコマース企業で、国際取引も行う送金業者のLian Lian International(連連)での利用も決まり、世界最大の中国のイーコマース市場への参入の可能性も視野に入れている。

最近のシステムアップデートで、リップルは、毎秒5,000ものトランザクションを処理することが可能となり、世界中のどのプラットフォームよりも高速に送金を処理できるようになった。比較として、クレジットカードのVISAは、毎秒2,400のトランザクション処理が可能である。xRapidは、リップルの重要な機能であり、リップルの流通を爆発的に加速させる可能性を秘めているという。

リップルの今後について、6月にリップル社のCEOであるBrad Garlinghouse氏は、以下のようなコメントをしている。

私は以前、今年末までには大手銀行がxRapidを導入し流動性ツールとして活用することを確信していると公言しました。さらには今では、来年末までには数十もの銀行でのxRapidの採用を期待しています。

Brad Garlinghouse, CEO of Ripple - CNBCより引用

Brad氏の発言が現実のものとなれば、リップル価格にも大きなインパクトを与えることが予測される。

なお、仮想通貨取引所においては、今年の5月にeToroがリップルの提供を開始し、次いでLMAXもリップルの提供を、業界初となる機関投資家向けの仮想通貨取引所を介して開始している。

release date 2018.9.24

出典元:

ニュースコメント

リップル社のプロダクト、xCurrent、xRapid、xViaとは

リップル社の提供するプロダクトは、ブロックチェーン技術を基盤にし銀行や個人間での国際送金を高速で安全に行えるようにするシステムである。このプロダクトには金融機関向けのxCurrent、支払いの流動性コストを抑えるxRapid、請求書などの送金情報等を送信するxViaの3つのプロダクトがあり、それぞれ企業や金融機関へ提供している。まず、xCurrentは銀行間でリアルタイムにメッセージのやり取りを可能とすることで、即時国際送金の決済を実現し、すべての送金プロセスを可視化するプロダクトとなる。続いて、xRapidは新興国市場などへの送金を行う送金業者や金融機関に向けたものとなり、リップルをブリッジ通貨にすることで事前に現地通貨を用意する必要がなくなり、流動性コストを最小限に抑えることができるが、一方でxRapidは実際に仮想通貨のリップルを利用するため、今回のようにxRapidに関するニュースが公表されるとリップルの価格に多大な影響を与えると考えられている。最後に、xViaは送金情報のような重いデータを添付しても素早くデータ移動ができるAPIとなっている。リップル社のプロダクトが一般的に普及すれば、国際送金が飛躍的に早くなるうえ低コストでより幅広く一般的な層に利用されていくことは間違いなく、リップルの今後の動向に期待が高まっている。


Date

作成日

2018.09.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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