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Anyoptionがキプロスのライセンスを返上

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update 2022.01.27 17:45
Anyoptionがキプロスのライセンスを返上

update 2022.01.27 17:45

今後はCFDやポートフォリオ管理に注力

イスラエル最大のバイナリーオプション業者として知られるAnyoptionを元々運営していたOS,android)Ouroboros Derivatives Trading Limited(本社:24,28th October Street, 2nd Floor, 2414 Engomi, Nicosia, Cyprus[1])【以下、Anyoptionと称す】は、キプロス証券取引委員会(The Cyprus Securities and Exchange Commission)【以下、CySECと称す】により認可を受けていたライセンスを取り下げたことが明らかになった。

ただ、Anyoptionは昨年、ポートフォリオ管理兼、取引プラットフォームを提供するInvest.comのブランドを持つGS Sharestocks Ltd.,(本社:1 Chrysanthou Mylona and Griva Digeni Street, Panayides Building, 3030 Limassol, Cyprus[2])【以下、Invest.comと称す】と合併していることから、ライセンスの取り下げについては、特段サプライズとなるニュースではない。Anyoptionは今後、バイナリーオプションの取り扱いをやめ、代わりに仕組商品の提供やポートフォリオ管理、株式売買、CFDに注力していくようだ。

CySECによると、Anyoptionによるライセンスの返還は自主的なものであり、何らかの規制措置を講じたわけでないことを明らかにしている。なぜAnyoptionがライセンスを返上したのかその理由は明かされていないものの、最近は多くのブローカーが自主的にライセンスの返還を行っているようだ。なお、CySECはライセンスにもとづく責務を全うするまでは、引き続きAnyoptionへの監督を続ける意向である。キプロスの規制枠組みでは、企業は顧客の未決済残高をすべて返金し、苦情に対しても誠実に対応する必要があり、外部監査役により未払いの負債がないことの確証と顧客簿明細を提出しなければならない。

Anyoptionは2012年にCySECの認可を受けてライセンスを取得し、一時は競争が厳しいバイナリーオプション業界で一歩抜きんでる存在として地位を固めつつあったが、他の競合が苦しんだように、Anyoptionも勝ち残ることができなかった。バイナリーオプション業界はまさしく飽和状態で競争が激化していることに加え、規制も強化されている。そこで、新市場に参入することの難しさから、多くの企業がそれに代わる代替策を見つけることに腐心している。なお2016年8月には、バイナリーオプションに代わる有力な事業を推し進めるため、ブルガリアとキプロスに新オフィスを開設し、その2か月後にはポートフォリオ管理と投資助言に関するライセンスをCySECから取得している。

Invest.comに関しては、Anyoptionが抱える稼働顧客のポートフォリオ、グローバル展開に必要なキプロスCySECと南アフリカ金融サービス委員会(Financial Srvices Board)認可のライセンス、規制やコンプライスに則った手続き方法、オンラインマーケティング手法、テクノロジー基盤のすべてを引き継ぎ、活用していくことで経営基盤の強化を図っていく考えだ。

release date 2018.9.14

出典元:

ニュースコメント

広がるバイナリーオプション業界の規制強化

昨今、複数の金融当局がバイナリ―オプションの規制強化に乗り出している。今年8月よりすでにEU全域で適用開始となっているESMAのレバレッジとバイナリーオプション規制の発表や、またこの発表に伴い、英国金融行動監視機構(FCA)が規制対象となるCFD類似商品を提供するブローカーに対し警告を発表している。このバイナリーオプションに対する規制強化のきっかけとなったのは、2016年3月にイスラエル証券庁(ISA)より発表されたイスラエル国内でのバイナリ―オプション取引の禁止が発端と言われている。さらに、イスラエルではバイナリーオプション新法案が昨年10月に同庁により法律化されており、このイスラエルでの規制強化以降、世界各国の金融当局がバイナリ―オプションの規制強化に乗り出している。こうした規制強化の背景には、法整備や規制が進んでいるFXに対して、バイナリ―オプションはビジネスのルールが明確に決まる前に世界中へ拡大した金融商品であるがため、出金やプロモーション条件などでトラブルが多発、さらには未登録のバイナリーオプション業者による、ウェブサイトを利用した詐欺行為の増加などがあったからと考えられる。こうした問題に対処すべく規制強化の動きが広がっていることは、健全で透明性が確保された市場発展のためにプラスへとなるだろうが、同時に、Anyoptionのようにライセンスを返還し、バイナリーオプションに代わる事業を展開する業者も増えていくことになるだろう。


Date

作成日

2018.09.14

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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