Select Language

乱立するICOによりイーサリアム価格が低迷

乱立するICOによりイーサリアム価格が低迷

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:22
乱立するICOによりイーサリアム価格が低迷

update 2021.08.31 15:22

ICOによる資金調達が市場に売りの圧力を生み出す

様々なブロックチェーンプロジェクトのプラットフォームとして利用されていることで有名なイーサリアム(Ethereum)だが、8月に発生したイーサリアムの遅延障害や、ここ数ヶ月にわたって報道される仮想通貨への否定的なニュースが悪材料となり、価格が急落している。イーサリアム価格は、200ドルを大きく割り込み、9月現時点では173ドル前後で取引されており、今年の最安値を更新した。イーサリアムのブロックチェーンプロジェクトは大きな成功を収めていると言えるが、仮想通貨価格という観点から考察すると、市場全体を取り巻くネガティブな相場観には勝てなかったようだ。

このイーサリアムの急落について、様々な憶測が飛び交っているが、仮想通貨研究者のKevin Rooke氏は、この急落の原因は乱立するICO(イニシャル・コイン・オファリング)であると分析し、以下のようにコメントしている。

今週だけでICOに3000万ドル相当の153,000イーサリアムがICOに投じられ、その額は今年3月からの累計を超える規模になっています。さらに恐ろしいことに、ICOで資金を集めた主催者たちは、6億ドル、すなわち3,000,000イーサリアム相当をまだ保有しているのです。

Kevin Rooke, Crypto Researcher - Twitterより引用

イーサリアムを基軸通貨として行われるICOが、市場で法定通貨に変換する需要を生み出すことで、売り圧力が強まることは一般的には認知されている。今回は、そのICOによって調達された大量のイーサリアムの売り注文が流れ込んだことで、市場は混乱状態に陥り、強い下げ相場が形成されたと予測されている。

これに対して、ICOはイーサリアム価格暴落の一因でしかないとの反論もあげられており、DApps(ブロックチェーン上で動作する分散型アプリケーション)の利用が広がらないために、イーサリアムの需要を生み出さないことが主な原因との主張もある。イーサリアムのDApps利用の75%は、猫育成ゲームのCrypto-Kittites[1]やカジノゲームという実用性の低いものやポンジスキームが占めており、残り25%も一般的にはメジャーではないDEX(ブロックチェーンネットワーク上で、中央管理者が存在せず、利用者が直接やり取りを行う分散型取引所)によるものだ。実際のところ、カジノやゲームはDAppsのキラーコンテンツになりつつあるようだが、イーサリアムの可能性を論じるには時期尚早だろう。

release date 2018.9.13

出典元:

ニュースコメント

イーサリアム価格の下落が続く一方、イーサリアムベースのプロジェクトは実用化に向け躍進

ビットコインをはじめとする仮想通貨全般が下落基調の中、イーサリアムの下落率は特に際立っており、2018年1月に記録した最高値の1,400ドル付近から下落を続け9月13日には一時170ドル付近まで下がるほどの悲観相場となった。しかしその一方で、プラットフォームとしてイーサリアムを使用したプロジェクトは、ここ最近注目のニュースとして数多く取り上げられている。ごく最近では、ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所のジェミニが申請したイーサリアムベースのステーブルコインとなるジェミニドルが、ニューヨーク州金融サービス局から承認を受け、世界初の承認事例は、世界から注目を集めた。また、米メジャーリーグに所属するドジャースがイーサリアムベースのトークンを配布することを公表するなど、イーサリアム関連のニュースが多くの反響を呼んでいる。なお、イーサリアムの共同設立者であるJoseph Lubin氏は、8月にブルームバーグのインタビューの中で「最近の仮想通貨相場の低迷によって今後イーサリアムのエコシステムの成長が妨げられることはない」と述べており、長期的なイーサリアムの成長には影響しないという見解を示している。


Date

作成日

2018.09.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

仮想通貨INITの将来性は?アプリチェーン統合レイヤー1「Initia」の特徴や評判

仮想通貨INITは、複数のアプリチェーンを統合するレイヤー1ブロックチェーン「Initia」のネイティブトークンです。当記事では、INITの将来性やSNSでの評判、Initiaの特徴などを解説します。
update2025.04.24 19:00

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

ビットコインを500円分買ってみた!利益額や買ってみた感想を紹介

Myforex編集部では、実際にビットコインを500円分購入してみました。今回の記事では、ビットコインを500円分買ってみた投資結果や利益額、買ってみて感じた感想、ビットコインの買い方などを解説します。
update2025.02.27 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル