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FXにインジケーターはいらない?使用しないメリット・デメリットを解説

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update 2024.06.05 12:51
FXにインジケーターはいらない?使用しないメリット・デメリットを解説

update 2024.06.05 12:51

多くのトレーダーがインジケーターを使用したテクニカル分析で取引している一方で、「FXにインジケーターはいらない」と考えるトレーダーも少なくありません。

インジケーター否定派の意見として「シグナルどおりに価格が動かないことも多い」「シグナルが判断の妨げになることもある」といった理由を挙げる人が多いようです。初心者トレーダーの中には、肯定派・否定派どちらの意見を参考にすべきか迷っている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、「FXにインジケーターはいらない」といわれている理由を説明します。また、裁量トレードの中でインジケーターをどのように扱うべきか、使用しないメリット・デメリットなども解説します。

FXインジケーターがいらないといわれている理由

FXにインジケーターはいらないと考えている人も少なくありません。なぜ、FXにインジケーターは不要といわれているのか理由を解説します。

100%の精度で相場を予測できるわけではない

インジケーターを使用したからといって、必ずしも値動きを正確に予測できるわけではありません。インジケーターにシグナルが現れても、定石どおりに価格が動かないこともあります。

ダマシのシグナル

特にインジケーターが苦手な相場では、ダマシのシグナルが頻発します。ダマシが多い環境で取引してしまい、資金を減らしてしまうトレーダーも少なくありません。また、インジケーターが得意としている相場であっても、ダマシは一定数発生します。

上記のような理由からFXにインジケーターはいらないといわれているのです。

point ダマシは回避できない

的中率100%のテクニカル分析は存在しないため、ダマシにあうのは必然です。いかにダマシが発生したときの損失を抑えるかが、FXで継続的に利益を出す上で重要になります。そのためには、自分で損切りするルールを決め、それを必ず実行することが求められます。

混乱の原因になることもある

インジケーターのシグナルがトレーダーを混乱させてしまうこともあります。複数のインジケーターを同時に使用している場合、各インジケーターが正反対のシグナルを発することも少なくありません。

インジケーターにはそれぞれ得意・不得意な場面があるため、インジケーターを組み合わせることにはお互いの弱点を補いながら相場を分析できる利点があります。しかし、チャート上に表示しているインジケーターの数が多いと、情報過多になってしまい、どのシグナルを信じればよいのか迷ってしまうのです。

結果として取引の機会を逃がしたり、損切りのタイミングを見誤るリスクが高くなる場合もあります。そのため、インジケーターはいらないと考えるトレーダーもいます。

FXインジケーターを過信するのは危険

インジケーターをうまく活用できれば、取引に役立つ情報を得られます。しかし、インジケーターのシグナルを過信するのは危険です。

聖杯探しはトレードの本質を見失いがち

自分に合った取引手法を確立できていない段階では、勝てるインジケーターや手法を探し求めて、ひたすら書籍やネット上の情報を探し回っているという人も少なくありません。情報を集めることも大切ですが、これら「聖杯」の追求は時として際限がなく、いつまでたっても取引手法が身につかない原因になってしまうこともあります。

新しいインジケーターや手法の追求が際限なく続く理由の一つとして、マーケットの変動が複雑で予測不可能な要素に満ちている点が挙げられます。必ずしも過去のデータやパターンと同じように相場が動くとは限りません。

そのため、どのような相場であっても上手く機能するインジケーターや手法など、見つかるはずもないのです。新しいインジケーターや手法を試すことばかりに集中していると、本質的なトレードスキルを身につけられなくなってしまう可能性もあります。

また、FXの取引ではテクニカル分析だけでなく、市場心理やマーケットの傾向なども考慮して総合的に相場環境を判断する必要があります。FXでは優位性のある取引手法を使用していても一定の損失が発生するため、資金を守るためのリスク管理も不可欠です。

しかし、インジケーターの追求に没頭していると、これらのスキルを培う機会が失われてしまう可能性があります。

point リスク管理とは?

リスク管理とは、投資のリスクを減らすための手段のことをいいます。FX取引における主なリスクとして、為替変動リスクや金利変動リスク、流動性リスクなどが挙げられます。FXで利益を得るには各種リスクを適切にコントロールすることが重要です。

使わないFXインジケーターはチャートから削除する

同時に多数のインジケーターを使用すると混乱する可能性があります。そのため、FXでインジケーターを使用する際は、必要なインジケーターだけをチャートに表示することが重要です。

余計なインジケーターを削除してチャートをすっきりさせると、情報過多による混乱を回避できます。必要最小限のインジケーターに絞ることで、迷わず判断を下せるようになるでしょう。

また、特定のインジケーターを使い続けることは、その指標の特性をより深く理解することにもつながります。インジケーターを適切に扱えるようになれば、的確にエントリーポイントや損切りポイントを設定できるようになるでしょう。

FX取引におけるインジケーターの位置づけ

FX初心者の中には、取引の中でインジケーターをどのように扱うべきかわからず、戸惑っている人もいるのではないでしょうか。FXの裁量取引においてインジケーターをどのように捉えるべきか解説します。

FXインジケーターは相場分析の補助

相場分析においてインジケーターは、あくまで補助的なツールです。

インジケーターは数学的・統計的な手法を用いて、過去の値動きからパターンや傾向を分析するために用いられます。インジケーターを利用すれば、トレーダーはマーケットの動向を分析し、利益が見込めるエントリーポイントや損切り水準を探す手掛かりを得ることができます。

例えば移動平均線では大まかな値動きの方向、RSIでは現在の価格が過去の値動きと比較して、買われ過ぎ・売られ過ぎの状態にあるかどうかを分析できます。ローソク足だけではわかりにくい値動きの情報を把握できる点が、テクニカルインジケーターの利点です。

移動平均線

ただし、FXインジケーターを妄信しないように注意しなければなりません。価格がインジケーターのシグナルとは異なる動きを見せることもあります。

そのため、裁量取引ではインジケーターから得られた情報だけではなく、サポートライン・レジスタンスラインの位置や市場心理などを考慮した総合的な分析スキルが求められます。

テクニカル分析は統計的なアプローチ

インジケーターを使用したテクニカル分析は、「移動平均線のゴールデンクロスが発生したら上昇トレンドが発生することが多い」というような統計的なアプローチがベースになっています。

あくまでも「このシグナルが現れた場合、過去の相場ではこのように動くことが多かった」という程度のものです。

実際のマーケットは多くの要因によって影響されるため、常に予測が難しいものです。インジケーターにシグナルが現れたからといって、必ずしも期待した値動きが始まるとは限りません。

場合によっては同じインジケーターを使用していても、人によってシグナルの解釈が異なる場合もあります。インジケーターはあくまでも判断材料の一つと捉えるべきでしょう。

インジケーターを使用しないメリット

インジケーターを使用せずにFXの取引を行うと、情報過多による混乱を軽減できるほか、シンプルな分析で取引できるようになります。FXの取引にインジケーターを使用しないメリットを紹介しましょう。

矛盾するシグナルによる混乱を防げる

情報過多による混乱を避けられる点は、インジケーターを使用しないメリットです。チャートに表示するインジケーターの数が増えるほど、矛盾するシグナルに悩まされるケースも増えていきます。

複数のインジケーターを組み合わせて取引している場合、数が多過ぎると利益を得られたとしても、取引に成功した要因を特定するのが難しくなる可能性もあります。仮に利益を得られたとしても、次の取引に活かせない恐れもあるのです。

特に損失が続いているときや大きな含み損を抱えているときに、矛盾したシグナルが発せられると大きなストレスを感じる原因になります。ストレスを感じている状態では、冷静さを失ってしまうリスクも高まります。

インジケーターを使用した取引でストレスを感じる場合は、使用をやめることで精神的な安定を保つ効果も期待できるでしょう。

値動きにもとづくシンプルな分析が可能

インジケーターを使用する・しないにかかわらず、多くのトレーダーが値動きをどのように認識しているのかを考えることは非常に重要です。多くのトレーダーが値上がりを予想している局面では、きっかけがあれば多くの買い注文が入り、価格を押し上げていきます。

ローソク足の値動きは、マーケットにおける共通言語ともいえる重要な指標です。レートの配信元によって若干の違いはあるものの、同じ銘柄・時間足であれば基本的にどの国や地域のトレーダーがチャートを見ても、同じようなローソク足のパターンや値動きがチャートに表示されます。

値動きにチャートパターンなどのシグナルが現れた場合、他のトレーダーも同じようにパターンを認識することになるため、シグナルの方向に価格が動く可能性があります。これが多くのトレーダーが注目している指標を使用することの優位性です。

ローソク足はインジケーター肯定派・否定派の両方が注目しているため、強力な指標といえるでしょう。

プライスアクション

テクニカル分析には、ローソク足のパターンやプライスアクションをもとにしたインジケーターを使用しない分析手法もあります。値動きそのものに着目した分析手法では、水平線やトレンドラインをチャートに書き込むだけで分析を進められます。

シンプルな分析で取引できる点は、インジケーターを使用しないメリットといえるでしょう。

インジケーターを使用しないデメリット

インジケーターを使用しないデメリットとして、ローソク足だけではわかりにくい値動きの傾向を見落としてしまう可能性がある点が挙げられます。

インジケーターの利用には、相場の状態や傾向を把握しやすくなる利点があります。例えば、移動平均線は直近の価格からN本前のローソク足までの価格の平均を表した指標です。値動きを平滑化することでノイズを取り除き、価格が向かっている方向を表示します。

ノイズの多い相場では、ローソク足を観察するだけでは価格がどこに向かっているのか見誤ってしまう恐れもあります。基本的にインジケーターを使用しないという場合でも、必要に応じてチャートに表示するなどして柔軟に運用することも大切です。

FXインジケーターの選び方

FXでインジケーターを使用する際に押さえておきたいポイントを2つ紹介します。

トレードスタイルに合わせて選ぶ

インジケーターを効果的に活用するには、自身のトレードスタイルに合わせたものを選ぶことが大切です。インジケーターごとにうまく機能する相場と苦手な相場は異なります。

例えば、RSIは過去の値動きと比較して、現在の価格が買われ過ぎなのか売られ過ぎなのかを分析する際に用いられます。

RSI

トレンド相場では値動きの方向にインジケーターの値が張り付いた状態になるため、基本的にRSIはトレンドの分析に向いていません。一方で、RSIのようなオシレーター系のインジケーターは、相場が反転するタイミングの分析を得意としているので、逆張り系の手法に向いています。

どのような値動きを捉えたいのかを考慮した上で、目的に合わせたインジケーターを選びましょう。

必要最低限のインジケーターを厳選

取引に使用するインジケーターは厳選しましょう。トレードにおいて過度な複雑さは混乱を生み出してしまう原因になる可能性があります。

特に秒単位のスキャルピングでは瞬時の判断が求められるため、インジケーターの数が多すぎると判断に迷ってしまい、エントリーや損切りが遅れてしまう恐れもあります。

テクニカル分析では各インジケーターの欠点を補うために、複数のインジケーターを組み合わせて使用するケースも少なくありません。しかし、必要以上に多くのインジケーターをチャートに表示するのは避けるべきです。

チャートに表示するのは必要最低限のインジケーターにとどめておきましょう。

まずは定番のインジケーターを使いこなす

先に説明したように、インジケーターのシグナルのみで売買の判断を下すべきではありません。しかし、インジケーターを適切に使用することで、ローソク足チャートだけではわからない値動きの傾向を把握できます。

初心者の内はあれこれインジケーターに手を出すよりも、まずは移動平均線やボリンジャーバンド、RSIなどの定番のインジケーターを使いこなせるようになりましょう。多くのトレーダーに利用されているインジケーターには、支持されるだけの理由があります。

ボリンジャーバンド

安定的に成果を上げるためには、インジケーターの特性を深く理解することが重要です。まずは使用するインジケーターを1~3つ程度に絞って、長所や短所、クセなどを把握しましょう。

インジケーターで勝てないときに見直すべきポイント

FX取引にインジケーターを使用しているものの、なかなか成果につながらないという場合は、ルールどおりに取引できているかどうか、自身の取引を振り返ってみましょう。

許容損失を設定する

取引1回あたりの許容損失を設定して損失を抑えましょう。

リスク管理や資金管理は、FXのトレードの土台となる部分です。優位性のある取引手法を使用していても、一定の損失は必ず発生します。許容損失を設定せずに取引を続けていると、1度の損失でそれまでに積み上げてきた利益を失ってしまうリスクが高まります。

トレーダーによって取引1回あたりの許容損失は異なりますが、一般的に2%前後に設定するケースが多いようです。許容損失を低く設定するほど、相場での生存率も高まります。

point リスクを避ける「仕組み」作りを

利益を伸ばしたいという意思がリスクの取り過ぎにつながらないよう、あらかじめリスクを小さく止める損切りルールを採用しておくと安全性が高まります。リスク管理の手段として、トレード1回の許容損失額を資金の2%に設定する「2%ルール」を採用したり、「ストップ注文」を利用して指定のレートに到達した場合に強制的に損切りを行うといった方法があります。

実際の取引では想定される損失が許容損失以下に収まるように、損切りをエントリー水準の近くに設定するか、ロット数を調整する必要があります。

エントリー時点での損切り水準は、高値・安値やインジケーターで示された水準など、テクニカル分析上、意味のある水準に設定するのが一般的です。相場の状況に合わせて決めることになるため、損切り水準の調整だけで、想定損失を許容損失以下に収めるのは難しいケースもあるでしょう。

見込まれる利益と損失を確認して、無理なく取引できるロット数に調整しましょう。

為替市場はプレーヤーの入れ替わりが激しいマーケットといわれています。利益をあげることも大切ですが、まずは長期的にマーケットで生き残れるように、リスク管理を徹底しましょう。

ルールを厳守する

FXの取引では、あらかじめ決めておいたルールを守ることも重要です。

トレードを始める前に使用する取引手法のルールにもとづいて、エントリーポイントや損切りライン、利確ポイントなどを決めておくことで、すべきことを明確化できます。あらかじめどこで利益を確定して、どこで損切りするのかを決めておけば感情に流されにくくなり、迷わず行動できるようになるでしょう。

エントリーとイグジット

また、ルールを設定することで取引に一貫性を持たせられます。優位性のある取引手法でもうまく機能する条件が揃っていなければ、期待したような成果を得られません。ルールを守らなければ優位性も失われてしまいます。そのため、ルールに従って決められた条件が揃った時にだけトレードして、取引に一貫性を持たせることも大切です。

テクニカル分析に絶対的な正解はない

インジケーターのシグナルのまま取引するだけでは、なかなかFXで利益をあげることはできません。裁量取引においてテクニカルインジケーターは、あくまでも補助的なツールです。インジケーターのシグナルは、判断材料の一つとして扱うべきでしょう。

そのため、インジケーターはFXにおいて必須のツールではありません。インジケーターを使用せずに取引しているトレーダーも存在します。テクニカル分析に絶対的な正解はなく、インジケーターなしで利益をだせているのであれば、それがその人にとっての正解といえるでしょう。

インジケーターを使用する手法で利益をだせていないという人は、一度チャートからインジケーターを削除してみるのも良いかもしれません。あらためて必要性を感じたときにインジケーターを取り入れると良いでしょう。


Date

作成日

2024.02.28

Update

最終更新

2024.06.05

Myforex編集スタッフーFX担当ー

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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