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水平線の正しい引き方とは?ダウ理論と組み合わせたトレード手法も解説!

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update 2024.04.17 23:01
水平線の正しい引き方とは?ダウ理論と組み合わせたトレード手法も解説!

update 2024.04.17 23:01

チャート上に真横に引いた直線である水平線は、多くのトレーダーに利用されているテクニカル分析ツールです。水平線を引くことで、エントリーや決済の目安が分かりやすくなったり、相場で意識されている価格帯が視覚的に確認できたりするので、トレードに本格的に取り組む方は正しい引き方を覚えておきましょう。

水平線だけでもトレードで十分利用できますが、トレンド判断を助けてくれるダウ理論という分析手法も組み合わせて使うことで、トレードの精度をより高められます。

水平線とは

水平線とは、チャート上に真横に引いた直線のことです。水平線を引くことで、多くのトレーダーが意識している価格やエントリーの目安が視覚的に分かりやすくなります。水平線には「サポートライン」と「レジスタンスライン」という2種類があります。

水平線の例

サポートラインとは、過去の安値同士を結んだ水平線のことであり、価格を支える機能を果たします。一方でレジスタンスラインとは、過去の高値同士を結んだ水平線であり、価格を抑える機能を果たします。

サポートラインとレジスタンスラインを実際のチャートで確認する

サポートラインとレジスタンスラインが実際チャート上でどのように機能するのか見ていきましょう。

以下のチャートはドル円の4時間足です。2022年末まで緩やかな下落トレンドが発生していましたが、127.1円台で安値をつけた後、128円付近のサポートラインで何度も反発して下落が止まっています。しかし反発中でも131.6円付近のレジスタンスラインを高値が超えらずにいました。

水平線をチャートで確認
水平線をチャートで確認

そして2023年2月頃、価格がレジスタンスラインを突破した後、トレンドが転換し上昇トレンドとなりました。

point レジスタンスがサポートになる

レジスタンスラインを突破した後、そのレジスタンスラインがサポートラインとして機能することがあります。したがってレジスタンスラインを突破したとしてもラインを消さずに残しておくようにしましょう。

水平線をチャートで確認
水平線をチャートで確認

水平線が相場分析において重要な理由

水平線が相場分析において重要である理由として以下の2つが挙げられます。

  • エントリーや決済の目安が分かりやすい
  • 多くのトレーダーが水平線を意識している

水平線は価格が止まるポイントをチャート上に視覚的にわかりやすく表示できます。したがって反発を利用したエントリーや、一度価格が止まることを見越した決済に利用できます。

また多くのトレーダーが水平線を利用しています。多くのトレーダーが水平線を意識すればするほど、水平線の価格がテクニカル分析で機能するようになります。他のトレーダーがどのような価格帯を重要視しているのか知るためにも水平線を利用することが重要なのです。

水平線を正しく引くための4つのポイント

水平線はむやみやたらに引いたらよいというものではありません。以下の4つのポイントを踏まえて正しい水平線を引くことで、初めてトレードに役立てられます。

  • 直近の最高値と最安値にラインを引く
  • 何度も反発している価格帯を優先してラインを引く
  • ローソク足のヒゲも含める
  • キリの良い価格帯に引く

直近の安値や高値にラインを引く

安値や高値は価格が反発するポイントとして多くのトレーダーに意識されます。したがってまずは、直近の安値や高値を探して、水平線を引きます。

以下のチャートはポンド円の日足です。2021年の8月につけた149円の安値に引いたサポートラインが価格上昇のきっかけとなっています。また2021年11月に再び149円へ下落した際にもサポートとして機能していることが分かります。

水平線を安値に引く
水平線を安値に引く
caution 水平線の引きすぎには注意

高値・安値はさまざまな場所で確認できるので、全ての高値・安値に水平線を引くとチャートが見づらくなります。したがって目立った高値・安値のみに水平線を引くようにしましょう。

何度も反発している価格帯にラインを引く

何度も反発している価格帯は、売買が拮抗している重要な価格帯だと考えられます。したがってサポートラインやレジスタンスラインとして機能する可能性が高いため、水平線を引いておきましょう。反発回数の基準としては、3回以上反発している価格帯を優先して引きましょう。

以下のチャートはポンド円の日足です。反発回数が3回以上確認できた価格帯に水平線を引きました。

水平線の反発回数
水平線の反発回数

するとここで引いた水平線が後にも機能していることが分かります。

水平線の反発回数が後にも機能する
水平線の反発回数が後にも機能する

ローソク足のヒゲも含める

水平線を引く際は、ローソク足のヒゲを含めて引くようにしましょう。実体で水平線を引くのが間違いというわけではありませんが、相場において高値と安値が重要であるという点からもヒゲも含めて水平線を引くようにしましょう。

以下のチャートはポンド円の日足です。ローソク足の実体とひげ先の両方を基準とした水平線を引きました。

水平線をひげ先で引く
水平線をひげ先で引く

水平線付近に再度価格が下落してきた際、実体で引いた水平線は一度割っているのに対して、ヒゲ先で引いた水平線は割っていないことが分かります。

point 水平線は帯で利用してもよい

水平線はかならずしも線である必要はなく、ある程度の幅を持たせた帯として使用することがおすすめです。実体基準、ひげ先基準どちらにも水平線を引いておき、価格の帯として捉えるとよいでしょう。

水平線を帯で利用する
水平線を帯で利用する

キリの良い価格帯に引く

多くのトレーダーは、100円や110円といったキリの良い価格帯を意識しています。またキリの良い価格帯でエントリーや決済注文を行う人も多くいるのです。したがって、水平線を引ける価格帯とキリの良い価格帯が一致するとその水平線は機能しやすいのです。

以下のチャートはドル円の4時間足です。106円と107円、108円に水平線を引きました。

水平線をキリのいい価格帯に引く
水平線をキリのいい価格帯に引く

どの水平線もサポートライン、レジスタンスラインとして機能していることが分かります。このようにキリのいい価格帯の水平線は機能しやすいので、水平線を引いておきましょう。

水平線とダウ理論は相性がいい

水平線のみを使ってトレードをすることももちろん可能ですが、ほかの分析方法と併用することでより分析の精度を高められます。特に水平線は、トレンド判断に役立つダウ理論という分析手法と相性が良いといわれています。

ダウ理論とは?

ダウ理論とは、米国の証券アナリストであるチャールズ・ダウが提唱した株価の分析手法であり、FXや他の金融市場でも応用して利用されるようになりました。ダウ理論では、以下の6つの原則を使って、トレンドを見極められます。

理論 内容
①価格はすべての事象を織り込む
戦争や災害なども含めたファンダメンタルズ要因はすべてチャート上に反映されている
②トレンドは3種類ある
トレンドには短期・中期・長期トレンドがある
③トレンドは3段階からなる
トレンドには先行期、追随期、利食期の3つの段階がある
④平均は相互に確認される
複数の銘柄の動きを見てトレンドの精度を確認する
⑤トレンドは出来高でも確認される
トレンドの確認には、価格だけでなく出来高の増減も重視する
⑥トレンドは明確な転換シグナルが出現するまで継続する
トレンドは、明確な転換シグナルが出現するまで継続する

一部FXに当てはめることの難しい原則もありますが。以下の3つの原則はFXでも適用しやすい考え方です。

  • 価格はすべての事象を織り込む
  • トレンドは3種類ある
  • トレンドは明確な転換シグナルが出現するまで継続する

ダウ理論でトレンドを判断する方法

ダウ理論では、安値を切り上げながら高値を更新していくと上昇トレンドだと判断できます。また高値の更新が止まり、直近の安値を割ると上昇トレンドが終了したと判断できます。

ダウ理論上昇トレンド
ダウ理論上昇トレンド

下落トレンドはその逆です。下落トレンド中は、高値を切り上げながら安値を更新していきます。安値の更新が止まり、直近の高値を割ると上昇トレンドが終了したと判断できます。

ダウ理論下降トレンド
ダウ理論下降トレンド

ダウ理論のトレンド把握のためには高値と安値の場所を探さなければなりません。水平線を引くことで、高値・安値が分かりやすくなるので、水平線とダウ理論は相性がいいのです。

水平線とダウ理論を組み合わせたトレード手法を解説

水平線とダウ理論を組み合わせたトレード手法をいくつか紹介します。

  • 水平線をブレイクしたらエントリー
  • 水平線のレジサポ転換を狙う
  • 短期・長期足のダウ理論を確認してエントリー

水平線をブレイクしたらエントリー

1つ目は、ダウ理論でトレンドを確認し、トレンド方向に水平線をブレイクしたタイミングでエントリーする方法です。

以下のチャートはドル円の日足です。安値を切り上げながら高値を更新していっていることから上昇トレンドであることが分かります。そしてレジスタンスラインを突破したことを確認して、買いエントリーを行います。

水平線ブレイクでエントリー
水平線ブレイクでエントリー

水平線のレジサポ転換を狙う

2つ目は、水平線のレジサポ転換を狙った手法です。一時的にレジスタンスラインとして機能していた水平線が上抜けされると、サポートラインとして機能することが多々あります。この現象を「レジサポ転換」といいます。ダウ理論における押し目の基準としてレジサポ転換を確認して、エントリーをします。

以下のチャートはドル円の日足です。安値を切り上げながら高値を更新していっていることから上昇トレンドであることが分かります。そこでレジサポ転換場所で押し目買いをします。

レジサポ転換を狙う
レジサポ転換を狙う
caution レジサポ転換のだましには注意

レジサポ転換は毎回出現するわけではありません。以下のチャートのようにサポートラインがレジスタンスラインにならないこともあります。想定と違った場合は損切りを忘れないようにしましょう。

レジサポ転換のだまし
レジサポ転換のだまし

短期・長期足のダウ理論を確認してエントリー

3つ目は、ダウ理論を使って確認できる長期足のトレンド方向に、短期足でエントリーする方法です。短期足をより細かく分析することで、スキャルピングやデイトレードのような短期トレードの精度を上げられます。

以下のチャートはドル円の日足です。131.9円付近まで下落したものの、水平線に触れずに上昇してしまった場合がありました。その部分をより細かく見てみましょう。

水平線ブレイクでエントリー
水平線ブレイクでエントリー

以下のチャートはドル円の4時間足です。4時間足の目立った安値・高値に黄色の水平線を引きました。すると4時間足でもダウ理論でいう上昇トレンドの条件が成立していることが分かります。そしてレジスタンスライン突破部分やレジサポ転換などでエントリーが可能です。

水平線短期足エントリー
水平線短期足エントリー

このように短期足と長期足を両方確認することで、大局を把握しつつ、エントリー回数を増やせます。

水平線はダウ理論と組み合わせて精度を上げよう

水平線は多くのトレーダーによって使われているテクニカル分析ツールなので、活用することはトレードでの手助けになるでしょう。しかしむやみやたらに水平線を引けばよいという訳ではありません。水平線の正しい引き方のポイントを押さえて、重要な価格帯の水平線のみを引く必要があります。

またダウ理論で分かるトレンド方向を組み合わせることで、より取引精度を上げることができるので、両方の使い方を理解しておきましょう。


Date

作成日

2023.09.13

Update

最終更新

2024.04.17

Myforex編集スタッフーFX担当ー

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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