作成日
:2023.09.13
2024.04.17 23:01
チャート上に真横に引いた直線である水平線は、多くのトレーダーに利用されているテクニカル分析ツールです。水平線を引くことで、エントリーや決済の目安が分かりやすくなったり、相場で意識されている価格帯が視覚的に確認できたりするので、トレードに本格的に取り組む方は正しい引き方を覚えておきましょう。
水平線だけでもトレードで十分利用できますが、トレンド判断を助けてくれるダウ理論という分析手法も組み合わせて使うことで、トレードの精度をより高められます。
水平線とは、チャート上に真横に引いた直線のことです。水平線を引くことで、多くのトレーダーが意識している価格やエントリーの目安が視覚的に分かりやすくなります。水平線には「サポートライン」と「レジスタンスライン」という2種類があります。
サポートラインとは、過去の安値同士を結んだ水平線のことであり、価格を支える機能を果たします。一方でレジスタンスラインとは、過去の高値同士を結んだ水平線であり、価格を抑える機能を果たします。
サポートラインとレジスタンスラインが実際チャート上でどのように機能するのか見ていきましょう。
以下のチャートはドル円の4時間足です。2022年末まで緩やかな下落トレンドが発生していましたが、127.1円台で安値をつけた後、128円付近のサポートラインで何度も反発して下落が止まっています。しかし反発中でも131.6円付近のレジスタンスラインを高値が超えらずにいました。
そして2023年2月頃、価格がレジスタンスラインを突破した後、トレンドが転換し上昇トレンドとなりました。
レジスタンスラインを突破した後、そのレジスタンスラインがサポートラインとして機能することがあります。したがってレジスタンスラインを突破したとしてもラインを消さずに残しておくようにしましょう。
水平線が相場分析において重要である理由として以下の2つが挙げられます。
水平線は価格が止まるポイントをチャート上に視覚的にわかりやすく表示できます。したがって反発を利用したエントリーや、一度価格が止まることを見越した決済に利用できます。
また多くのトレーダーが水平線を利用しています。多くのトレーダーが水平線を意識すればするほど、水平線の価格がテクニカル分析で機能するようになります。他のトレーダーがどのような価格帯を重要視しているのか知るためにも水平線を利用することが重要なのです。
水平線はむやみやたらに引いたらよいというものではありません。以下の4つのポイントを踏まえて正しい水平線を引くことで、初めてトレードに役立てられます。
安値や高値は価格が反発するポイントとして多くのトレーダーに意識されます。したがってまずは、直近の安値や高値を探して、水平線を引きます。
以下のチャートはポンド円の日足です。2021年の8月につけた149円の安値に引いたサポートラインが価格上昇のきっかけとなっています。また2021年11月に再び149円へ下落した際にもサポートとして機能していることが分かります。
高値・安値はさまざまな場所で確認できるので、全ての高値・安値に水平線を引くとチャートが見づらくなります。したがって目立った高値・安値のみに水平線を引くようにしましょう。
何度も反発している価格帯は、売買が拮抗している重要な価格帯だと考えられます。したがってサポートラインやレジスタンスラインとして機能する可能性が高いため、水平線を引いておきましょう。反発回数の基準としては、3回以上反発している価格帯を優先して引きましょう。
以下のチャートはポンド円の日足です。反発回数が3回以上確認できた価格帯に水平線を引きました。
するとここで引いた水平線が後にも機能していることが分かります。
水平線を引く際は、ローソク足のヒゲを含めて引くようにしましょう。実体で水平線を引くのが間違いというわけではありませんが、相場において高値と安値が重要であるという点からもヒゲも含めて水平線を引くようにしましょう。
以下のチャートはポンド円の日足です。ローソク足の実体とひげ先の両方を基準とした水平線を引きました。
水平線付近に再度価格が下落してきた際、実体で引いた水平線は一度割っているのに対して、ヒゲ先で引いた水平線は割っていないことが分かります。
水平線はかならずしも線である必要はなく、ある程度の幅を持たせた帯として使用することがおすすめです。実体基準、ひげ先基準どちらにも水平線を引いておき、価格の帯として捉えるとよいでしょう。
多くのトレーダーは、100円や110円といったキリの良い価格帯を意識しています。またキリの良い価格帯でエントリーや決済注文を行う人も多くいるのです。したがって、水平線を引ける価格帯とキリの良い価格帯が一致するとその水平線は機能しやすいのです。
以下のチャートはドル円の4時間足です。106円と107円、108円に水平線を引きました。
どの水平線もサポートライン、レジスタンスラインとして機能していることが分かります。このようにキリのいい価格帯の水平線は機能しやすいので、水平線を引いておきましょう。
水平線のみを使ってトレードをすることももちろん可能ですが、ほかの分析方法と併用することでより分析の精度を高められます。特に水平線は、トレンド判断に役立つダウ理論という分析手法と相性が良いといわれています。
ダウ理論とは、米国の証券アナリストであるチャールズ・ダウが提唱した株価の分析手法であり、FXや他の金融市場でも応用して利用されるようになりました。ダウ理論では、以下の6つの原則を使って、トレンドを見極められます。
理論 | 内容 |
---|---|
①価格はすべての事象を織り込む
|
戦争や災害なども含めたファンダメンタルズ要因はすべてチャート上に反映されている |
②トレンドは3種類ある
|
トレンドには短期・中期・長期トレンドがある |
③トレンドは3段階からなる
|
トレンドには先行期、追随期、利食期の3つの段階がある |
④平均は相互に確認される
|
複数の銘柄の動きを見てトレンドの精度を確認する |
⑤トレンドは出来高でも確認される
|
トレンドの確認には、価格だけでなく出来高の増減も重視する |
⑥トレンドは明確な転換シグナルが出現するまで継続する
|
トレンドは、明確な転換シグナルが出現するまで継続する |
一部FXに当てはめることの難しい原則もありますが。以下の3つの原則はFXでも適用しやすい考え方です。
ダウ理論では、安値を切り上げながら高値を更新していくと上昇トレンドだと判断できます。また高値の更新が止まり、直近の安値を割ると上昇トレンドが終了したと判断できます。
下落トレンドはその逆です。下落トレンド中は、高値を切り上げながら安値を更新していきます。安値の更新が止まり、直近の高値を割ると上昇トレンドが終了したと判断できます。
ダウ理論のトレンド把握のためには高値と安値の場所を探さなければなりません。水平線を引くことで、高値・安値が分かりやすくなるので、水平線とダウ理論は相性がいいのです。
水平線とダウ理論を組み合わせたトレード手法をいくつか紹介します。
1つ目は、ダウ理論でトレンドを確認し、トレンド方向に水平線をブレイクしたタイミングでエントリーする方法です。
以下のチャートはドル円の日足です。安値を切り上げながら高値を更新していっていることから上昇トレンドであることが分かります。そしてレジスタンスラインを突破したことを確認して、買いエントリーを行います。
2つ目は、水平線のレジサポ転換を狙った手法です。一時的にレジスタンスラインとして機能していた水平線が上抜けされると、サポートラインとして機能することが多々あります。この現象を「レジサポ転換」といいます。ダウ理論における押し目の基準としてレジサポ転換を確認して、エントリーをします。
以下のチャートはドル円の日足です。安値を切り上げながら高値を更新していっていることから上昇トレンドであることが分かります。そこでレジサポ転換場所で押し目買いをします。
レジサポ転換は毎回出現するわけではありません。以下のチャートのようにサポートラインがレジスタンスラインにならないこともあります。想定と違った場合は損切りを忘れないようにしましょう。
3つ目は、ダウ理論を使って確認できる長期足のトレンド方向に、短期足でエントリーする方法です。短期足をより細かく分析することで、スキャルピングやデイトレードのような短期トレードの精度を上げられます。
以下のチャートはドル円の日足です。131.9円付近まで下落したものの、水平線に触れずに上昇してしまった場合がありました。その部分をより細かく見てみましょう。
以下のチャートはドル円の4時間足です。4時間足の目立った安値・高値に黄色の水平線を引きました。すると4時間足でもダウ理論でいう上昇トレンドの条件が成立していることが分かります。そしてレジスタンスライン突破部分やレジサポ転換などでエントリーが可能です。
このように短期足と長期足を両方確認することで、大局を把握しつつ、エントリー回数を増やせます。
水平線は多くのトレーダーによって使われているテクニカル分析ツールなので、活用することはトレードでの手助けになるでしょう。しかしむやみやたらに水平線を引けばよいという訳ではありません。水平線の正しい引き方のポイントを押さえて、重要な価格帯の水平線のみを引く必要があります。
またダウ理論で分かるトレンド方向を組み合わせることで、より取引精度を上げることができるので、両方の使い方を理解しておきましょう。
作成日
:2023.09.13
最終更新
:2024.04.17
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説
2024.11.20 20:00
Milton Marketsが2024年11月より最大100%分入金ボーナスを開催
2024.11.20 19:30
スマホ版MT4のやさしい使い方ガイド~iPhone&Androidの基本操作~
2024.11.20 19:00
ZoomexがクリプトバトルZを開催!毎週開催の取引大会で現物USDTやボーナスを獲得
2024.11.15 20:00
ゴールドラッシュXMは本当に儲かるのか?ほぼ破綻リスクゼロのEAの実力は
2024.11.14 20:30
Titan FXがブラックフライデーキャンペーンを開催!取引でキャッシュバックが付与
2024.11.14 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー