作成日
:2023.07.28
2023.08.29 08:43
ストキャスティクス・RSI・RCIをトレードで活用するには、チャートに対する反応の違いを理解して、銘柄や相場状況により使い分ける必要があります。同じ相場であっても、それぞれのインジケーターが異なるシグナルを出していることも珍しくありません。
この記事では、各インジケーターの違いの基となる計算方法や設定値について説明し、FXのトレンド相場とレンジ相場に分けて使い方や見方を解説します。
その他にも、ダマシを回避する方法や各インジケーターを組み合わせることによる売買シグナルの変化、有用性の高い逆張り手法など、実践に役立つ基本的な使い方をご紹介します。
実際のトレードに活用するため、チャートに対する反応の違いをドル円の日足で確認します。サブウィンドウの上から順にストキャスティクス、RSI、RCIを表示しました。
画像引用:TradingView
以下の通り、一般的な表示方法を適用しています。
いずれもチャートに追従しながらピークとボトムをつけ、買われ過ぎ・売られ過ぎライン(上下灰色の破線)との交り方も似ていますが、反応速度や上下の振れ幅に違いがあります。
チャートに対する反応の違いを明確にするため、3つのインジケーターを重ねて比較します。
画像引用:TradingView
まずはRCIのピークとボトムに注目してください。ストキャスティクスとRSIとは違う反応をしています。理由は、RCIの計算式に価格の要素が直接反映されないためです。
以下で各インジケーターの特徴と違いがある項目を確認した後に、計算式やおすすめの設定、実際の使い方などを解説していきます。
役割
ストキャスティクス | 現在値(終値含む)の高さ・安さを、一定期間(過去n期間)における値動き(最高値から最安値)と比較してグラフにする |
---|---|
RSI | 現在値(終値含む)の上昇分を、一定期間(過去n期間)における値動きと比較してグラフにする |
RCI | 現在値(終値含む)の方向や反転ポイントを、一定期間(過去n期間)における順位付けされた価格と時間の相関度合いからグラフにする |
縦軸
ストキャスティクス | 0%~100% |
---|---|
RSI | 0%~100% |
RCI | -100%~100% |
レンジ相場における買われ過ぎ/売られ過ぎエリア(トレンド相場では適用不可)
ストキャスティクス | 80%以上/20%以下 |
---|---|
RSI | 70%以上/30%以下 |
RCI | 80%以上/-80%以下 |
価格モメンタム(値幅)への反応性
ストキャスティクス | 高い |
---|---|
RSI | 高い |
RCI | ー |
もみ合い相場における反応性
ストキャスティクス | 低い |
---|---|
RSI | 低い |
RCI |
高い
(現在値と価格差があるときに限る)
|
ラインの数
ストキャスティクス |
2本
(手法に応じて1~3本)
|
---|---|
RSI |
1本
(RSIを追加せず、移動平均線との組み合わせが多い)
|
RCI |
1~3本
(手法による)
|
計算に使用する要素
ストキャスティクス |
終値、最高値、最安値、期間
(期間は%D、Slow%Dを算出する際に使用)
|
---|---|
RSI | 上昇幅、下落幅、期間 |
RCI | 日付順位、価格順位、期間 |
上表で特筆すべきは、RCIの縦軸の下限が-100%であることと、それに伴って売られすぎエリアが-80%以下になることです。ストキャスティクスとRSIとは違う数値となる理由は、計算に使用する要素が日付順位と価格順位であり、価格変動が直接反映されないためです。
各インジケーターの形状の基になる計算式と設定する期間の違いについて解説します。
トレードの勝敗に影響を与える設定値についても確認していきましょう。
ストキャスティクスは「%Kと%Dを表示するファストストキャスティクス」と「%DとSlow%Dを表示するスローストキャスティクス」がトレードで使用されています。%DとSlow%Dは%Kを基にして算出されるので、主役となる%Kの計算方法と設定値から説明します。
%K =
(現在値 - 過去n期間の最安値)÷(過去n期間の最高値 - 過去n期間の最安値)× 100
ストキャスティクスは、現在値(終値含む)の高さ・安さを過去n期間(終値が確定する時間足を含む指定した時間足の本数)における値動き(最高値から最安値)と比較するインジケーターです。%Kの計算式の要素がチャート内で何を指しているかを確認します。
%Kの期間は一般的に5、9、14が使われています。一例として、n=9を代入してドル円の日足が確定した時点における%Kを算出します。
現在値(確定時なので終値):140円
最高値:150円
最安値:100円
%K =
(140円 - 100円)÷(150円 - 100円)× 100 = 80%
ストキャスティクスはn期間の価格変動の中における現在値の相対的な位置関係を示していることを、図解と照合してみてください。
ストキャスティクスを1時間足に適用した場合、n=9は9時間分となります。5分足に適用すれば、n=9で45分間分(5分 × 9本)です。
続いて、%Dの計算方法と設定値を説明します。
%D =
(%K1+%K2+%K3+・・・%Kn)÷(n期間)× 100
%Dは過去n期間における%Kの総和をn期間で割ることにより求められます。このように経過した期間に伴って算出される各数値を、経過期間(n期間)で割ることで各数値の誤差変動が滑らか(*1)になります。%Dのn期間は一般的にn=3がデフォルトです。
(*1)%Dは%Kを移動平均化(滑らかにした)した指数です。
最後に%Dをさらに滑らかにしたSlow%Dを確認しましょう。
Slow%D =
(%D1+%D2+%D3)÷ 3 × 100
Slow%Dのn期間は一般的にn=3がデフォルトです。
パラメーターを「%K=9、%D=3、Slow%D=3」に設定したスローストキャスティクスを使用しているトレーダーも多いです。ファストストキャスティクスの弱みとなるダマシを減らすことができる上に、トレンド転換の初動もある程度鋭敏に捉えられます。
開発者のジョージ・レーン(George Lane)氏は推奨値を提示していません。%Kの設定値を5、9、14に換えてみて、ファストストキャスティクスとスローストキャスティクスの使い分けから始めるのが良いでしょう。
RSI(相対力指数)の計算方法と設定値を説明します。
RSI =
A ÷(A + B)× 100
A:過去n期間の上昇幅の合計の平均値
B:過去n期間の下落幅の合計の平均値
RSIは、現在値(終値含む)の上昇分を過去n期間における値動きと比較するインジケーターです。n期間には一般的に14期間が使われています。RSI開発者のワイルダー氏が相場には28日の周期があると信じており、半分の14日間を重視していたためです。
ドル円の日足終値の推移を例にしてRSIを計算します。14日間の終値と変動幅の例は以下の通りです。
RSIの 計算 |
終値 | 値上がり幅 | 値下がり幅 |
---|---|---|---|
1日目 |
100円
(前日99円)
|
+1円 | ー |
2日目 | 103円 | +3円 | ー |
3日目 | 102円 | ー | -1円 |
4日目 | 104円 | +2円 | ー |
5日目 | 105円 | +1円 | ー |
6日目 | 106円 | +1円 | ー |
7日目 | 109円 | +3円 | ー |
8日目 | 108円 | ー | -1円 |
9日目 | 106円 | ー | -2円 |
10日目 | 110円 | +4円 | ー |
11日目 | 111円 | +1円 | ー |
12日目 | 110円 | ー | -1円 |
13日目 | 112円 | +2円 | ー |
14日目 | 113円 | +1円 | ー |
1日目のデータは前日の終値と比較しています。n=14を計測するには、15期間分の計測が必要になる点に留意しましょう。上表よりRSIを計算します。
A:n期間の上昇幅(+)の合計の平均値
A =
(1 + 3 + 2 + 1 + 1 + 3 + 4 + 1 + 2 + 1)÷ 14 = 1.357
B:n期間(-)の下落幅の合計の平均値
B =
(1 + 1 + 2 + 1)÷ 14 = 0.357
RSI
RSI =
1.357 ÷(1.357 + 0.357)× 100 = 79.17%
わずか14日間にドル円が13円(1,300pips)も上昇した現在の加熱感を割合で示すことで、客観的に評価できるようになりました。
RSIを構成する要素が値幅とn期間のみである点に注目です。14日前より現在値が高ければ50%超となり、安ければ50%未満となります。上昇トレンドであれば「安値切り上げ・高値更新」、下降トレンドであれば「高値切り下げ・安値更新」が続くことから、トレンド相場であれば50%ラインの上下における押し目・戻り目で仕掛けるのがポイントといえるでしょう。
RSIは「n=14」で使用するケースが多いです。開発者ワイルダー氏が推奨するだけあり、大半の取引ツールのデフォルト値は14になっています。
実践では、n=14に固定してチャートに対するRSIの反応特性を活かしたトレードをするか、銘柄や相場状況に応じて最適化を繰り返すことにより、エントリーパターンを形式化させていきます。
RCI(順位相関指数)は、現在値(終値含む)の方向や反転ポイントを、過去n期間における順位付けされた価格と時間の相関度をもとに表示するインジケーターです。
RCI =
{1 - 6d/ n(n²-1) }× 100
d:日付順位と価格順位の差を2乗して合計した数値
日付順位:最新の日付(当日)を「1」にして、2日目を2とし、過去に遡りながら3,4,5・・・と順位を付けます。日足以外の時間足も同様で、現在値を含む時間足を「1」とし、過去に向かって2位以降の順位を付けます。
価格順位:期間中の1番高い価格を「1」とし、次に高い価格を2として、安い価格に向けて3位以降の順位を付けます。
n:計測期間
nにはRCIを算出する期間を代入して計算します。
RCIの設定値は「n=5, 9, 14」で使用されるケースが多いです。もともと心理学における数学的方法論として導入された指標のため、開発者のチャールズ・エドワード・スピアマン氏からは相場における推奨値が提示されていません。
ドル円の日足終値の推移を例にしてRCIを計算します。5日間(*1)の終値と変動幅の例は以下の通りです。
(*1)1週間で区切る短期取引において、日足に採用する設定値は5日間に設定すると良いでしょう。市場では1週間の営業日数が意識されていると考えられます。
日付順位
RCIの計算 | 日付順位 |
---|---|
当日 | 1 |
1日前 | 2 |
2日前 | 3 |
3日前 | 4 |
4日前 | 5 |
価格順位と差
RCIの 計算 |
終値 | 価格順位 | 日付・価格順位の 差の2乗 |
---|---|---|---|
当日 | 100円 | 5 | 16 |
1日前 | 103円 | 3 | 1 |
2日前 | 102円 | 4 | 1 |
3日前 | 104円 | 2 | 4 |
4日前 | 105円 | 1 | 16 |
起算日が一番上です。上表よりRCIを計算します。
d =
16 + 1 + 1 + 4 + 16 = 38
RCI =
{1 -(6×38)/ 5(5²-1)}× 100 = -90%
上記の計算要素に価格そのものが含まれていないことを押さえましょう。計算日の4日前より下落が続く中で1日反転上昇したことで-100%を回避しました。RCIは期間(時間)と価格の相関を順位付けしている点でストキャスティクスとRSIとは違います。
その他、RCIの上限・下限値も異なるので、チャートが一方向に動き続けた状況を例にして計算します。ドル円が下落し続けた場合のRCIの計算に必要な要素は以下の通りです。
日付順位
RCIの計算 | 日付順位 |
---|---|
当日 | 1 |
1日前 | 2 |
2日前 | 3 |
3日前 | 4 |
4日前 | 5 |
価格順位と差
RCIの 計算 |
終値 | 価格順位 | 日付・価格順位の 差の2乗 |
---|---|---|---|
当日 | 100円 | 5 | 16 |
1日前 | 101円 | 4 | 4 |
2日前 | 102円 | 3 | 0 |
3日前 | 103円 | 2 | 4 |
4日前 | 104円 | 1 | 16 |
上表よりRCIを計算します。
d =
16 + 4 + 0 + 4 + 16 = 40
RCI =
{1 -(6 × 40)/ 5(5²-1)}× 100 = -100%
価格の下落幅に関係なく、レートが下がり続ければ-100%になります。
続いて、ドル円が上昇し続けた場合のRCIの計算に必要な要素は以下の通りです。
日付順位
RCIの計算 | 日付順位 |
---|---|
当日 | 1 |
1日前 | 2 |
2日前 | 3 |
3日前 | 4 |
4日前 | 5 |
価格順位と差
RCIの 計算 |
終値 | 価格順位 | 日付・価格順位の 差の2乗 |
---|---|---|---|
当日 | 104円 | 1 | 0 |
1日前 | 103円 | 2 | 0 |
2日前 | 102円 | 3 | 0 |
3日前 | 101円 | 4 | 0 |
4日前 | 100円 | 5 | 0 |
上表よりRCIを計算します。
d =
0 + 0 + 0 + 0 + 0 = 0
RCI =
{1 -(6 × 0)/ 5(5²-1)}× 100 = +100%
価格の上昇幅に関係なく、レートが上がり続けて日付と価格の順位が完全相関になるとRCIは+100%になります。RCIは0ラインをベースにして-100%~100%を変動し、0以上であればチャートが上昇方向にあり、0以下であれば下落方向です。
値幅が計算要素に含まれないため、もみあい相場であっても僅かな価格差さえ生じていればRCIの反応に強く表れる点がストキャスティクスやRSIとは違います。
先にRCIでよく用いられる設定値としてn=5, 9, 14を紹介しましたが、ブル・ベア相場では5期間連続上昇・下落が頻繁に起こり、RCIが上限・下限に張り付いてしまいます。効率的な最適化としては、n=9をベースにして銘柄や相場状況に応じた微調整を加えるのが良いでしょう。
価格が同じになった場合は平均の順位を付けます。例えば、価格順位3位に該当する価格が2日あった場合、順位は3位と4位の平均となる3.5位として計算します。
3つのインジケーターに共通する弱点とは、買われ過ぎ・売られ過ぎシグナルのダマシです。いずれも逆張り指標とされていますが、トレンド相場では役に立ちません。
各インジケーターで目安にされている逆張りシグナルは以下の通りです。
逆張りシグナル | 買われ過ぎ | 売られ過ぎ |
---|---|---|
ストキャ スティクス |
80%以上 | 20%以下 |
RSI | 70%以上 | 30%以下 |
RCI | 80%以上 | -80%以下 |
2022年3月以降に歴史的な大相場を見せたドル円の日足を例にして、弱点のダマシについて確認しましょう。上昇トレンドが形成され始めると、ストキャスティクス・RSI・RCIのいずれも買われすぎエリアへと入っていきます。
逆張りは買われ過ぎラインを割った時点です。仮にその時点で売りを仕掛けていたら、損切りや建値決済になっていたことが分かります。
画像引用:TradingView
ストキャスティクス・RSI・RCIが買われ過ぎラインから大きく割り込んだ箇所に注目しても、チャートは大きな押し目を形成していません。本当に強い相場では、インジケーターラインが大きく上下動しても価格チャートは浅い押し目・戻り目に留まります。
ストキャスティクス・RSI・RCIの数値が示す相場の状態は以下の通りです。
ここでのポイントは「買い・売りモメンタムが強い = 加熱しているから売り・買いの逆張りが有効」とはならないことです。買われるからさらに買う、売られるからさらに売るのが、トレンド相場におけるトレードの基本となります。
上昇トレンドにおける買われ過ぎラインを超えてからの考え方は、一時的な利益確定の売りに合わせて買われ過ぎラインを割ったタイミングを押し目買いのチャンスと捉えることです。過去の高値・安値の水平線や移動平均線などのトレンド系インジケーターと組み合わせて、反転上昇するポイントを見定めます。
上昇トレンドにおいては、買われ過ぎライン割れからの一時的な下落を売りで狙わないようにしましょう。リスクリワードが非常に悪いトレードになります。
一方でトレンドが終了するときには、買われ過ぎ・売られ過ぎの売買シグナルが最高のエントリータイミングになるのも事実です。この時ばかりは押し目買いと戻り売りは通用しません。そのため、トレードでは損切りを徹底することが重要です。長期トレンドの転換であれば相場の天底でポジションを保有することになり、今後二度と建値にレートが戻ってこない可能性があります。
ストキャスティクス・RSI・RCIのダマシを回避する方法をまとめます。
相場状況によりインジケーターのシグナルの意味が変わることを踏まえてトレードに活用していきましょう。
RSIとRCIの使い方と見方との違いを知るために、ストキャスティクスの基本的な2つの使い方を確認しましょう。
①%K、%D、Slow%Dのいずれか1本をチャートに表示して、買われ過ぎライン80%または、売られ過ぎライン20%とのクロスで売買する方法です。
チャートに対する反応性は%K、%D、Slow%Dの順に低くなります。Slow%Dの方がダマシは少なくなるものの、ボラティリティが高い銘柄では反応が遅くて実用的ではないため、銘柄や相場状況に応じて3種類を使い分けます。
レンジ相場における使い方は、買われ過ぎ80%ラインを超えてから下抜けるタイミングでショート、売られ過ぎ20%ラインを割ってから上抜けるときにロングです。トレンド相場における使い方は下記を参考にしてください。
②ファストストキャスティクスまたはスローストキャスティクスを表示して、買われすぎ70%以上におけるデッドクロスと、売られ過ぎ30%以下におけるゴールデンクロスで売買する方法です。
取引回数を減らして勝率を高めたい場合、70%→80%以上や20%→10%以下に調整してエントリー条件を厳しくします。%Kが%Dをクロスした後、チャートの動きに合わせて2つのラインが乖離しながら拡散する様子を描けることが重要です。
なお、ストキャスティクスのダイバージェンスとリバーサルもよく知られている手法のため、後ほど概要を補足します。
FXのトレンド相場におけるストキャスティクスの使い方と見方について解説します。
最初に、ストキャスティクスはトレンド方向とは反対にある買われ過ぎ・売られすぎラインまでなかなか到達しないことを押さえておきましょう。実際には50%ラインを押し目・戻り目水準として、押し目買い・戻り売りを仕掛けていきます。
画像引用:TradingView
上図は2022年3月に116円をブレイクアウトしたドル円の日足に、スローストキャスティクス(%K=9、%D=3、Slow%D=3)を表示しています。
よく言われている買われ過ぎ80%ラインからの逆張りがほぼ通用しないことが分かります。上昇トレンドが一旦終了する7ヶ月間において、売られすぎ20%水準からのゴールデンクロスで買いを仕掛けるタイミングが3回、50%水準からは4回ありました。
このようにストキャスティクスが下がりにくいブル相場において、日足のみでは売買回数が限られます。収益性が下がる原因になるため、日足の80%割れ(赤い矢印)から4時間足以下のデイトレードに切り替えて売買回数を増やすといった対策も必要でしょう。
取引の回数と勝率をトレードオフにするのであれば、ダイバージェンス・リバーサルが発生した場合の取引に限定すると良いでしょう。
上昇トレンドが終了するとき、チャートがモメンタムを高めて下落を開始してストキャスティクスが売られすぎラインに到達することがあります。一旦は上昇トレンドが終了するシグナルのため、トレードでは必ず損切りすることが重要です。長期下降トレンドへと転換した場合、二度と建値に戻ってこないリスクがあることを忘れないようにしましょう。
FXのレンジ相場におけるストキャスティクスの逆張りの使い方と見方を解説します。
2021年3月に108円をブレイクアウトした後に2段階のレンジ相場を形成したドル円の日足に、スローストキャスティクス(%K=9、%D=3、Slow%D=3)を表示しています。
画像引用:TradingView
レンジ相場におけるストキャスティクスの逆張りの使い方は、買われ過ぎ80%ラインを超えてからの下抜けでショート、売られ過ぎ20%ラインを割り込んでからの上抜けでロングとなります。
日足ではエントリータイミングが測りにくいため、レートが日足のレンジ上限・下限近辺に近づいたら4時間足以下でトレードを行います。時間足が変わってもストキャスティクスの使い方に違いはありません。
設定期間(n)を短くするほどダマシに似た売買シグナルが混ざるため、エントリー直後に逆行する回数が増えてしまいます。また、ストキャスティクス50%ラインは価格がもみあう水準のため、エントリーしないように注意しましょう。
レンジの階層が切り替わった後やトレンド相場へ転換すると、レンジ相場で保有した建値までレートが戻ってこない場合があります。エントリーの際には損切りの逆指値注文をセットにしてリスク対策を徹底していきましょう。
RSIの基本の使い方は、買われ過ぎライン70%または、売られ過ぎライン30%とのクロスで売買する方法です。
買われ過ぎ70%ラインを超えてから下抜けるタイミングでショート、売られ過ぎ30%ラインを割ってから上抜けるときにロングでエントリーするのがRSIの基本的な使い方です。
長期トレンドの順張りでは、エントリーで使用する短期足の逆張り手法が有効です。例えば、下降トレンドを形成していた日足が小休止する際、4時間足以下で戻り目を形成するので、短期足の逆張りでリスクリワードを高められます。
FXのトレンド相場でRSIを使う場合、移動平均線などのトレンド系インジケーターと組み合わせる方法がよく知られています。
一方で、RSIの特性を利用すればライン1本でもトレンド相場に対応できます。まずは、トレンドを構成する3つの段階に分けてRSIの基本の使い方と見方を確認しましょう。以下の表は上昇トレンドに限定した説明です。
上昇トレンドの段階 | 使い方・見方 |
---|---|
転換から開始 |
・RSI70%超えは高いモメンタムを示す
・RSI70%割れで押し目買いを狙う
・RSI50%以上は押し目の目安
・RSI30%割れはトレンド転換を警戒するのと同時に深い押し目として捉える
|
形成から加速 | 同上 |
終了から転換 |
・RSI70%超えエリアで上値が切り下がる
・RSI70%を複数回割り込み始める
・上記を確認できた後に70%割れで売りを仕掛ける
|
下降トレンドも同じ考え方で、RSI30%を基準にした使い方・見方となります。実際のチャートで確認するため、2022年3月に116円をブレイクアウトしたドル円の日足にRSI(14期間)を表示しました。
画像引用:TradingView
RSIが70%を超えてから割り込んだポイントに赤矢印をつけました。RSI70%超えの逆張りシグナルは、トレンド相場では、ほぼ通用しないことが分かります。RSI70%超えはモメンタムの高まりを示しており、上昇トレンドの加速を示唆しています。
上値が116円に抑えられていたレンジをブレイクアウトした後に、2ヵ月間弱で15円(1,500pips)も上昇して131円に到達しました。RSI70%割れから50%超が押し目の水準のため、日足ではエントリータイミングが測りづらいです。そのため、実際には4時間足以下でエントリーするポイントを見極めます。
トレンド相場では、単純にRSI50%水準が押し目買い・戻り売りの目安として機能するわけではありません。上昇トレンドでは30%を深い押し目の下限とし、下降トレンドでは70%を深い戻り目の上限として機能する数値を探っていきます。
FXのレンジ相場におけるRSIの逆張りの使い方と見方を解説します。2つのレンジを形成したドル円の日足に、RSI(14期間)を表示しています。
画像引用:TradingView
レンジ相場におけるRSIの逆張りの使い方は、買われ過ぎ70%ラインを超えてから下抜けるタイミングでショート、売られ過ぎ30%ラインを割ってから上抜けるときにロングです。
もみあい気味の狭いレンジでは70%→65%、30%→35%にするなどの調整が必要です。また、RSI50%は売買が均衡しているのでエントリーしないように注意しましょう。
1つのレンジ相場が終了すると、長期間に渡ってレートが戻ってきません。逆張りエントリーの際にはレンジの上限・下限に損切りの逆指値注文を入れておきましょう。
ストキャスティクスとRSIの使い方と見方との違いを知るため、RCIの基本的な3つの使い方を確認しましょう。
上記の①は、RCIが買われ過ぎライン80%または、売られ過ぎライン-80%とのクロスで売買する方法です。
レンジ相場における使い方は、買われ過ぎ80%ラインを超えてから下抜けるタイミングでショート、売られ過ぎ-80%ラインを割ってから上抜けるときにロングです。トレンド相場における使い方は、「弱点となるダマシを回避する方法」を参考にしてください。
②はRCIの短期・中期ラインを表示して、移動平均線と同じくゴールデンクロスとデッドクロスで売買する方法です。
レンジ相場における使い方は、買われ過ぎ80%ライン以上でのデッドクロスでショート、売られ過ぎ-80%ライン以下でのゴールデンクロスでロングが基本です。
中長期の移動平均線(MA)の方向性は急には変わらないため、有効なゴールデンクロスとデッドクロスは中長期MAと短期MAの方向性が揃っている必要があります。一方で、RCIは短期ラインに引っ張られるように中長期ラインの方向が転じていきます。MAのクロスでは中長期MAの方向性に合わせることが基本ですが、RCIのクロスでは中長期ラインの方向とは逆に向かう短期ラインのクロスでエントリーする必要があります。
③はトレンド相場に限定した使い方で、0%ラインのブレイクアウトで取引します。
上昇トレンドの場合、ローソク足で陰線が連続するとRCIがマイナスになります。このようなケースでは、RCIが再度0%ラインをブレイクしてプラス圏に突入するタイミングでロングするのが基本です。上昇トレンドの条件は、チャートが安値切り上げ高値更新を続けることなので、この間はRCI0%ラインの上方ブレイクを繰り返します。下降トレンドであれば、プラス圏にあるRCIが0%ラインを下方ブレイクしたタイミングがショートのシグナルです。
なお、RCIが0%ラインから乖離しても、チャートは深い押し目・戻り目を形成しないことがあります。このように計算式に値幅が含まれていない点に留意しながらRCIを使用しましょう。
RCIとストキャスティクス・RSIの中央ラインとのクロスを比較すると、RCIの0%クロスはストキャスティクスの50%クロスよりも回数が多く、RSIの50%クロスとの比較では回数の多さに加えて乖離(RCI:0%→±80%、RSI:50%→70%/30%)も大きくなります。RCIの短期ラインは、トレンド相場であっても中央値0%を大きく超える/割り込むことがあるため、深い戻り目/ 押し目の目安になります。ストキャスティクスの中央値50%に対する反応の見方と似ていますが、RSIの見方とは異なります。
FXのトレンド相場におけるRCIの使い方と見方について解説します。2022年3月に116円をブレイクアウトしたドル円の日足に、RCI(9期間)を表示しました。
画像引用:TradingView
RCIが80%を超えてから割り込んだポイントに赤矢印をつけました。RSI80%超えの逆張りシグナルは、トレンド相場ではほぼ機能していないことが分かります。
トレンド相場ではRCIが0%を割ってからが勝負です(緑矢印以降)。RCIが-80%に到達したら深い押し目として捉え、0%ラインのブレイクアウトでロングです。参考までに、RCIを2本(短期:9期間、中期:26期間)によるマイナス圏で生じたゴールデンクロスを確認します。
画像引用:TradingView
下方向の角度がきつい中期ラインであっても、短期ラインとのゴールデンクロスの後に急反転する様子が移動平均線とは異なります。RCIのゴールデンクロスとデッドクロスを利用する場合、RCIが拡散する様子をイメージ(青矢印起点)すると、その後の展開を想像しやすくなるでしょう。
FXのレンジ相場におけるRCIの逆張りの使い方と見方を解説します。2つのレンジを形成したドル円の日足に、RCIを2本(短期:14期間、中期:26期間)表示しています。
画像引用:TradingView
レンジ相場で逆張りする場合の2種類のRCIの使い方は以下の通りです。
上のチャートは、長期上昇トレンドにおける小休止で生じたレンジ相場のため、買いの回数を増やすには買われ過ぎ・売られ過ぎ水準を5~10%ほど広げる必要があります。112円~116円のレンジ相場におけるデッドクロスは、ある程度値幅が取れています。RCIの中期ラインが折れ曲がり、短期ラインと離れていくイメージを描けるかがポイントです。
ストキャスティクスやRSIと同じく、レンジ相場のトレードは取引条件を満たした箇所でのエントリーの繰り返しです。1つのレンジ相場が終了すると長期間に渡ってレートが戻ってこないため、レンジの上限・下限に損切りの逆指値注文を入れて淡々と取引を繰り返しましょう。
トレードで使用する数値やチャートに対するインジケーターの反応に違いはありますが、ストキャスティクスやRSI、RCIのトレード手法に大きな違いはありません。
単一の時間足のみを使用した逆張りはレンジ相場に限定される点や、順張りでは長期トレンドの方向に合わせて、中央値(ストキャスティクスとRSI:50%、RCI:0%)水準から押し目・戻り目を狙う点は、基本のトレード手法として共通しています。
ストキャスティクス・RSI・RCIのトレード手法に大きな違いがないことを押さえた上で、銘柄や相場状況に合わせて以下5つのトレード手法を使い分けていきましょう。
各手法のポイントについて解説していきます。
順張り手法では長期トレンドの方向に合わせて、押し目・戻り目を待ってからエントリーしましょう。マルチタイムフレーム分析をせずに、買われ過ぎ・売られ過ぎシグナルに従った逆張りは、繰り返し負ける原因になります。
ストキャスティクスとRSIは50%ライン、RCIでは0%ラインが半値押し・戻りの目安となります。上昇トレンドにおける売られ過ぎラインまでの深い押し目、下降トレンドにおける買われ過ぎラインまでの深い戻り目でエントリーすることで、リスクリワード比率が高いトレードが可能です。
RCIの短期ライン(目安期間14以下)については、中央値0%ラインのブレイクアウトが働きやすい点がRSIとは違います。RCIは僅かな価格変動であってもチャートが一方向に動くことで鋭角的に上昇・下落するため、ストキャスティクスよりも中央値からの乖離が大きくなる点に留意しておきましょう。
対象銘柄の値動きや相場状況に最適化する際は、まずは2つの設定値の変更を試してみると良いでしょう。
①期間の調整
価格変動(ボラティリティ)が大きくなるほど、インジケーターの反応性が高くなる短い期間が重視されます。
②売られ過ぎ・買われ過ぎ水準の調整
期間とボラティリティに対する2種類の調整があります。期間が長くなるほどインジケーターの変動が小さくなるので、売られ過ぎ・買われ過ぎ水準の幅を狭くします。また、ボラティリティの大きさに合わせて水準幅を広げることにより、ダマシのシグナルを減らせます。
レンジ相場における逆張りでは、3つのインジケーターのいずれも買われ過ぎ・売られ過ぎシグナルが有効です。また、ストキャスティクスとRCIについては、デッドクロス発生後のショート、ゴールデンクロス発生後のロングもエントリーのシグナルとして使われています。
逆張り手法の勝率を高めるには、マルチタイムフレーム分析が有効です。レンジ相場における優位性を高めるために長期足がレンジ入りしていることを確認し、その上限・下限ラインからの逆張りに限定することで勝率を高められます。
ただし、取引回数と勝率はトレードオフになるため、収益性を高めるには長期レンジ相場の中における短期足のレンジ上限・下限からの逆張りに切り替えるなどの調整が必要です。
ストキャスティクスとRCIの使い方で紹介したゴールデンクロスとデッドクロスは、RSIにも応用されています。RSIでは異なる期間を2本表示する方法よりも、移動平均線を重ねて表示する手法が主流です。
RCIについては長期ラインを加えた3本ラインのクロスも知られています。期間についても絶対的な基準とする設定値はなく、銘柄や相場状況に合わせた最適化が必要です。
またRCIの特性上、短期ラインの設定期間が短いと中期・長期ラインを直角的にクロスする形状になります。移動平均線のように収束から拡散がきれいに表れないことが多く、実用性に欠けると言えるでしょう。ちなみに、RSIに移動平均線を重ねると以下のようになります。
画像引用:TradingView
相場の流れを読むにはトレンド系インジケーターの方が適しているため、本記事で基本の使い方に慣れた後に他のテクニカル指標との組み合わせを試してみると良いでしょう。
ストキャスティクスとRSIのダイバージェンスは、レンジ相場の上限・下限からの逆張りや、長期トレンドに合わせた短期足の逆張りしたい場合に有効な手法です。買われ過ぎ・売られ過ぎエリアで発生したダイバージェンスに限定することで、勝率の高いトレードを選別できるでしょう。
上図の通り、価格が安値を更新している時に、ストキャスティクスやRSIの下値が切り上がっている状態が強気のダイバージェンス(ブリッシュ・ダイバージェンス)です。反対に、価格が高値を更新しているにもかかわらず、ストキャスティクスやRSIの高値が切り下がる現象を弱気のダイバージェンス(ベアリッシュ・ダイバージェンス)と言います。
単一の短期足(4時間足以下)に発生したダイバージェンスには多くのダマシが混ざっているケースも多いため注意が必要です。短期足でトレードの回数を増やしつつ、ダイバージェンスを有効活用するにはマルチタイムフレーム分析が欠かせません。
ストキャスティクスにおけるダイバージェンスの詳細な使い方については、関連記事をご覧ください。
なお、RCIのダイバージェンスはなかなかきれいに表れません。トレードで勝つ・稼ぐことが目的であれば、最適化に時間を費やすよりも、多くの方が利用しているストキャスティクスとRSIを採用した方が合理的でしょう。
ストキャスティクスとRSIのリバーサルは、トレンドの継続シグナルとして有効です。リバーサルはヒドゥン(隠れ)ダイバージェンスやコンバージェンスとも呼ばれています。リバーサルもダイバージェンスと同じく、強気と弱気のシグナルに分かれています。
強気のリバーサルは上昇トレンドの加速を示唆するシグナルです。一方、弱気のヒドゥンダイバージェンスは下降トレンドの加速を示唆しています。
長期トレンドに対して短期足が逆行する際に発生したリバーサルは有用性が高まり、リスクリワードの高い押し目買い・戻り売りでエントリーするチャンスです。なお、リバーサルについてもRCIでは綺麗に表れないので注意しましょう。
3種類のインジケーターを2つずつ組み合わせた際に、レンジ相場とトレンド相場で有用性が高まるかを簡単に確認します。
3つの組み合わせを適用したチャートは2021年10月以降のドル円の日足で、レンジ相場(112円~116円)とブレイクアウトしてからのトレンド相場です。
ストキャスティクスの%D(%Kの9期間から算出)とRSI(9期間)を組み合わせて表示しました。
画像引用:TradingView
インジケーターのピークとボトムが似ている一方で、チャートに対する反応性が違います。ストキャスティクスは、チャートの方向性の変化に対して敏感に反応し、±80%ラインへの到達も早くなっています。
RSIと組み合わせた有用性の高い使い方は、2つのサインが重複したポイントでエントリーする方法です。この方法で取引した場合、レンジ相場(112円~116円)ではストキャスティクスの買われ過ぎラインにおけるダマシのショートを減らせることが分かります。
加えて、売られ過ぎラインからのロングも、1回に限定することができます。トレンド相場では売られ過ぎ水準がほぼ重なっている点にも注目です。2つのサインが重複したポイントでのエントリーに限定することで、有利な水準で押し目買いできたでしょう。
「ストキャスティクス」と「RSI」を組み合わせて新たに作り出されたインジケーターが「ストキャスティクスRSI」です。ストキャスティクスの計算式をベースにして、各数値にRSIの値を代入して算出します。
ストキャスティクスRSI =
(RSIの現在値 - 過去n期間のRSIの底値)÷(過去n期間のRSIの天井値 - 過去n期間のRSIの底値)× 100
下図にストキャスティクスRSI(青色)の%D(%Kの14期間から算出)を重ねて表示して、各インジケーター(14期間を適用)との反応の違いを確認します。
画像引用:TradingView
ストキャスティクスRSIのピークとボトムが各インジケーターと重なってはくるものの、価格チャートに対して逆行する場面も見られます。ストキャスティクスのダマシの多さとRSIの遅効性のデメリットを相互補完するには、銘柄や相場状況に合わせた最適化が必須でしょう。
RSI(9期間)とRCI(9期間)を組み合わせて表示しました。
画像引用:TradingView
チャートが反転する際の初動では、ピークとボトムを付ける箇所は近いものの、RCIはその数値をしばらく保つ傾向にあります。RSIはチャートの波形を反映しますが、RCIはレンジ・トレンド相場ともに初動の方向へ一旦は大きく動く点が違います。
RSIとRCIを組み合わせた実用性の高い使い方は、チャートが反転する初動ではRCIを重視して、RSIのピークとボトムがRCIに迫ってくる間にチャートの反転に備えるといった使い方です。
レンジ相場・トレンド相場ともに、価格が一方向に動き続ける期間はRSIが緩やかに上昇・下降し、RCIの上限・下限に遅れて近づいていくことが分かります。この癖を理解しておけば、チャートが反転する初動と転換に焦点を当てたトレードの成功率が高まるでしょう。
RCI(9期間)とストキャスティクスの%D(%Kの9期間から算出)を組み合わせて表示しました。
画像引用:TradingView
チャートが動き出す初動と反転を捉える精度はほぼ同じで、高値・安値の波形を反映する様子にも大きな違いはありません。
売買シグナルが類似するということは、ダマシのサインも重なります。実践ではRCIとストキャスティクスの組み合わせは控えて、銘柄や相場状況に応じて現れる反応の癖を検証しながら、相性が良い方のインジケーターを採用するのが良いでしょう。
海外FXで一番使用されている取引ツールのMT4/MT5と、月間利用者数が5,000万人を超えた金融プラットフォームのTradingView(トレーディングビュー)において、無料インジケーターを重ねて表示する方法を紹介します。
実際のトレードでストキャスティクス・RSI・RCIを2つ以上使用する際、サブウィンドウに重ねて表示することで売買シグナルの有効性を判断しやすくなります。また、チャートに対するインジケーターラインの反応の違いを検証する時にも役立つでしょう。
MT4/MT5のナビゲーターパネルには標準搭載されている無料インジケーターが整理されています。下図のようにドラッグ&ドロップすることで、サブウィンドウに表示できます。
無料インジケーターを重ねて表示するには、先にサブウィンドウに表示されたものの上に、再度他のインジケーターをドラッグ&ドロップするだけです。MT4/MT5のナビゲーターパネルから操作する方法は、標準搭載されているRSIの表示・設定方法をご覧ください。
なお、海外FX業者が提供するMT4/MT5であればストキャスティクスとRSIは標準搭載されていますが、RCIは外部からダウンロードする必要があります。
MQL5コミュニティで公開されている「Spearman's Rank Correlation」は、パラメータがシンプルで使いやすく、ユーザーの評価が高い無料インジケーターです。
MQL5コミュニティとは、MT4/MT5の開発元であるメタクォーツ社が運営するインターネット上の交流サイトです。サードパーティー製のEA(エキスパートアドバイザー)やカスタムインジケーターなどもダウンロードできます。
ダウンロードした外部インジケーターをインストールする場合は、以下の記事をお役立てください。
TradingView(トレーディングビュー)のインジケーターパネルには、標準搭載されている無料インジケーターのほか、ユーザーが開発したインジケーター(コミュニティスクリプト)が整理されています。
下図のように、インジケーター名で検索した後にクリックすることでサブウィンドウに表示できます。
画像引用:TradingView
無料インジケーターを重ねて表示するには、サブウィンドウに表示されたインジケーター名にカーソル当てた後に「・・・」をクリックして「移動する」にカーソルを当て「上/下の既存ペインへ」をクリックすることでインジケーターが重なります。
画像引用:TradingView
なお、TradingViewのインジケーターにはカテゴリがあり、標準搭載されているものは「テクニカル」、ユーザーが開発したものは「コミュニティスクリプト」に分類されています。
ストキャスティクスとRSIは「テクニカル」に入っていますが、RCIインジケーターはコミュニティスクリプトから探す必要があります。「RCI3lines」を利用すると、異なる期間設定のラインを3本まで同時表示できるので便利です。
パソコンから利用できるデスクトップ版とブラウザ版の違いやTradingViewの使い方については、下記の記事をご覧ください。
実際のトレードでストキャスティクス・RSI・RCIを使う際の注意点を解説します。
負ける確率の高いトレードを減らすためにも、1つずつ確認していきましょう。
ストキャスティクス・RSI・RCIの全てにおいて、買われ過ぎ・売られ過ぎをシグナルにした逆張りはレンジ相場に限定した手法です。トレンド相場ではダマシが頻繁に発生するため、そもそも相場分析ができなければ、売買シグナルとして活かすことができません。
マルチタイムフレーム分析で長期足と短期足の環境を把握することを優先し、その上で他のテクニカル指標と組み合わせることがダマシ防止に有効です。ストキャスティクス・RSI・RCIの組み合わせでは売買ポイントを見極めるのに効果的ですが、相場の流れを分析する場合にはトレンド系インジケーターとの組み合わせが良いでしょう。
その他にもチャートに対する遅行性のない指標として、過去の高値・安値・終値の水平線やプライスアクション、チャートパターンの組み合わせもダマシを減らすために役立ちます。
また、マルチタイムフレーム分析は、短期足におけるオシレーター系インジケーターのダマシの見極めに効果的です。
ストキャスティクス・RSI・RCIのパラメータに万能な最強設定はなく、銘柄や相場状況に合わせて最適化することが理想です。一方で、設定値の細かな変更と検証を繰り返しながらトレードすることは難しいため、基本の設定値に固定して、インジケーターの特性を活かしながらトレードするのが一般的な使い方となります。
パラメータを固定して使い続けることでチャートに対する機微を察知できるようになり、精度の高いエントリーが可能になります。固定された最強設定や勝ち続けられる形式的なトレード条件はないので、最適化にこだわり過ぎないように注意しましょう。
特にストキャスティクスとRSIに使い慣れている方は、RCIを同じ感覚で使わないように注意しましょう。先に解説したように、ダイバージェンスやリバーサルが綺麗に表れないことが多いです。ゴールデンクロスとデッドクロスを使うにしても、銘柄と相場状況に合わせた最適化が必要です。
0%クロスの手法も有名ですが、レンジ相場ではほとんど通用しません。また、もみ合い相場であっても現在値(終値)が過去の価格より少しでも値幅があるだけで、チャートのボラティリティが小さいのにもかかわらず、RCIは大きく反応してしまいます。RCIを使用する場合は、計算式に格要素そのものが含まれていない点に留意しましょう。
ストキャスティクス・RSI・RCIの計算方法や各インジケーターの使い方、チャートに対する反応の違いなど、実践的な内容を交えて解説しました。
マルチタイムフレーム分析をしない場合、買われ過ぎ・売られ過ぎ水準からの逆張りをレンジ相場に限定することで、ダマシに遭う回数を大幅に減らせます。また、トレンド相場ではリスクリワードの高い押し目買い・戻り売りポイントの分析に利用できます。
基本の使い方に慣れたら、他のテクニカル指標を組み合わせてみるのも良いでしょう。ストキャスティクス・RSI・RCIの特性や違いを理解し、相場の状況・取引スタイルに合わせて使い分けることができれば、エントリーの精度を高められるでしょう。
作成日
:2023.07.28
最終更新
:2023.08.29
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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