作成日
:2024.02.28
2024.02.28 16:40
MTF(マルチタイムフレーム)分析は、裁量トレードにおいて必要不可欠といっても過言ではありません。
MTF分析を行うことで、長期・中期・短期といった複数の時間足の値動きを考慮できます。結果、より精度の高いトレードを実現するのに役立ちます。
本記事ではMTF分析に役立つMyforexのインディケータを画像付きで複数紹介します。気に入ったものがあればぜひ活用してみてください。
ATRバンドインディケータは、チャートの変動幅を可視化できるツールです。
任意の設定期間によって、ATRという「平均変動幅」を求め、その値にプラスとマイナスをしたものをチャートの上下にラインで表示します。この線はバンドと呼ばれ、チャートの変動幅が大きいと広がり、小さいと狭くなります。
マルチタイムフレームATRバンドインディケータでは、上位足のATRバンドを表示させることが可能です。価格が上位足のATRバンドを上回るまたは下回るタイミングを利益確定や逆張りエントリーの目安にすることができます。
2023年1月27日のドル円5分足チャートに1時間足のATRバンドを表示してみました。この日は、中央の赤いバンドの内側で価格が推移しており、値動きに方向感がないことがわかります。
さらに、1時間足のバンドも平行であることから、ボラティリティも一定でありレンジ相場であることが想定できます。このようなレンジ相場では、バンド付近での逆張りトレードや、いっそエントリーを控えるという選択ができそうです。
次に、2023年1月12日のドル円5分足チャートに、1時間足のATRバンドを表示してみます。
バンドの幅が広がっていることから、ボラティリティが拡大傾向であり、かつバンドの下側を往復するような値動きになっています。このことから、下落の勢いが強まっていることが予想できます。
このようなトレンドが発生している相場では、トレンド方向に押し目買い・戻り売りを狙うという戦略が立てられそうです。上位足の方向性を見つつ、短期足でタイミングを計ってエントリーしやすくなるため、デイトレードやスキャルピングでの活躍が期待できるでしょう。
マルチタイムフレームトレンド分析インディケーターは、異なる時間足・銘柄のインディケータの数値を、1つのチャート上に最大7つまで表示できます。
ストキャスティクス、MACDをはじめとする最大7つのインディケータの数値を、異なる銘柄や時間足ごとに一目で確認することができます。また、それぞれのインディケータの上昇・下降は指のマークで表示されるため、相場の全体的なトレンドの把握にも役立ちます。
例として、2023年2月10日のドル円1時間足チャートにインディケータを表示しています。インディケーターの指のマークをみると、上位足では上昇トレンド、下位足では下降トレンドが優勢であることがひと目でわかります。
現在表示している時間足にかかわらず、複数の時間足の情報を網羅的に把握できるので、相場全体の方向感を確認しやすくなります。また個別に複数のインディケータを表示する必要がないため、チャートが見やすいのも利点です。
ライン転記インディケータは、チャートに描画したトレンドライン等のオブジェクトを異なる時間足のチャートに自動でコピーして表示できます。短期足で上位足のトレンドラインなどを確認でき、マルチタイムフレーム分析を行う際に役立ちます。
以下は、2023年1月5日〜6日のドル円1時間足チャートです。ライン転記インディケータをONにした状態で、上昇トレンドラインを引いてみます。
同じ部分を5分足で拡大してみると、トレンドラインがそのまま表示されていることがわかります。
短期足の値動きに集中していると、上位足の重要な価格帯を見逃しがちです。しかし、このインディケータを利用して、上位足の高値安値や何度も反応が見られる価格帯に水平線を引いておけば、短期足でこれらを見落としにくくなります。
1つのチャート画面で上位足のオブジェクトを表示できるので、エントリーや決済の参考にしやすく、デイトレやスキャルピングで便利です。
また、トレンドラインや水平線だけでなく、長方形や三角形、ギャン、フィボナッチ等MetaTrader4/MetaTrader5に搭載されている様々なオブジェクトで利用可能です。あらゆる相場・取引スタイルに対応できるでしょう。
上位足インディケータ(トレンド系)
上位足インディケータ(トレンド系)は、表示している銘柄のチャート上に、チャートの時間足と同じかそれより上位の時間足のテクニカル指標の値を表示できるインディケータです。
上位足インディケータ(トレンド系)を利用すると、チャート上に、上位の時間足のトレンド系インディケータを表示できます。表示できるトレンド系インディケータは移動平均線・パラボリックSAR・ボリンジャーバンドの3つです。
例えば、異なる時間足の移動平均線を1つのチャートに表示させれば、時間足を切り替えることなく、上位足の移動平均線の位置関係を把握できます。
上位足の移動平均線を表示させた際の使い方の例を紹介します。
以下のチャートでは、2023年1月12日のドル円5分足に、1時間足の移動平均線(期間20)を赤色、4時間足の移動平均線(期間20)を黄色で表示しています。
どちらの移動平均線も、右肩下がりで推移していましたが、直近では赤色の1時間足の移動平均線(期間20)が水平になりかけています。
さらに、黄色の4時間足の移動平均線(期間20)と赤色の1時間足の移動平均線(期間20)の乖離も大きくなっているので、この後は一旦戻り目をつける展開になりそうです。
このように上位足の移動平均線を下位足に表示することで、相場の方向感やトレンドの強さを1つのチャートで分析しやすくなります。
次は、2023年1月20日のドル円5分足チャートです。このチャートでは、4時間足の移動平均線(黄色)がサポートラインやレジスタンスラインとして機能していることが確認できます。
過信しすぎるのは危険ですが、このように上位足の移動平均線をサポートやレジスタンスとしての目安として活用できそうです。
次は、2023年1月27日のドル円5分足チャートです。上位足の移動平均線に方向感がなく、移動平均線と価格がもつれ合っています。このことから、上位足では、レンジ相場であることが想定できます。
このようなトレンドがない相場では、レンジ継続を想定した高値安値付近での逆張りトレードや、エントリーを見送るといった戦略を立てることができます。
上位足インディケータ(オシレーター系)は、上位の時間足のオシレーター系インディケータを表示できるインディケータです。表示できるオシレーター系インディケータはMACD・RSI・ストキャスティクスの3つです。
以下は、2023年2月1日のドル円5分足チャートです。このチャートでは、上位足である1時間足と現在表示している5分足のRSI(期間14)を表示しています。
オシレーターを異なる時間足間で組み合わせることで、現在の時間足と上位足でのエントリーサインが揃ったタイミングで取引するといった使い方ができます。
例えば、RSIを利用して現在の時間足が買われすぎの状態ならロングを考えます。しかし上位足が売られすぎの状態なら、ロングエントリーは大きなリスクになります。上位足のRSIをチェックすれば、サインが一致しない場合にトレードを見送ることができます。
上位足のオシレーターを表示させることで、短期足のオシレーターだけでトレードするよりも、勝率の向上が期待できます。
作成日
:2024.02.28
最終更新
:2024.02.28
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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