作成日
:2023.02.01
2023.03.29 10:32
「マルチタイムフレーム分析」は相場の世界で長く生き残っているトレーダーが当たり前のように活用している考え方のひとつです。FXで相場環境を認識するために欠かせないマルチタイムフレーム分析について、分析例を交えながら、考え方や便利なインジケータの導入方法について解説していきます。
マルチタイムフレーム分析とは、マルチタイムという名の通り複数の時間軸を用いて行うチャート分析方法を指します。
マルチタイムフレーム分析では、多くの場合、長期・中期・短期、3つの時間軸のチャートが使用されます。長期や中期のチャートで取引環境の認識を行い、短期足でエントリータイミングを計ります。なお、マルチタイムフレーム分析は頭文字をとって「MTF分析」と表記される場合も多いです。
複数の時間軸を見てチャートを分析するのは大変と思われる人も多いかもしれません。マルチタイムフレーム分析を活用することには主に3つのメリットがあります。
マルチタイムフレーム分析では、中期・長期足のチャートを分析することで中長期的なトレンドを把握することができます。一般的に、マーケットでは短期より長期のトレンドのほうが優位性が高くなります。そのため、中長期のトレンドに沿ったトレードを心がけることで短期足だけを見ているトレーダーよりも有利にトレードができます。
長期足に対して順張り方向のポジションをとる場合、長期足のトレンドが収束するまでポジションを持つことができます。長期的なトレンドに沿ったトレードでは短期的なトレードや逆張りに比べて大きな利益が狙えます。そのため、より高いリスクリワードが期待できるのです。
エントリーする際、ポジションの決済までの大まかなシナリオを考えている方も多いかと思います。マルチタイムフレーム分析をもとにシナリオを作ると、短期足だけでなく上位足による環境認識の情報を組み込めます。
そのため、エントリーや決済の条件を細かく設定でき、固定値幅による損切・利食いではなく、シナリオに沿った根拠のある利食いや損切りがしやすくなります。
マルチタイムフレーム分析の基本的な考え方は、複数の時間足を分析することにあります。以下で移動平均線とマルチタイムフレーム分析を併用した相場分析の一例を説明します。下記の例ではいずれも10本足の移動平均線を表示しています。
長期足では、主に大きなトレンドの方向感を確認することができます。上記のチャートでは移動平均線(10本足)を週足と日足チャートの両方に表示している状態となります。いずれもチャート右端では下落方向に傾いており、長期的には下降トレンドを形成していると言えます。
なお、傾きが緩やかな状態が続く場合は、レンジ相場と判断することができます。
中期足でも長期足と同じく、移動平均線の傾きでトレンドの判別を行います。長期と中期が同じ方向を向いているとトレンドが継続、異なる方向を向いている場合は今後トレンドが転換する可能性が考えられます。
また、中期では合わせて直近の高値と安値が意識されやすくなります。そのため、中期の高値や安値が目標や損切のラインに設定されることが多々あります。参考としてオレンジ丸が高値、青丸が安値を示しています。
上記のチャートでは、上位足と同じくいずれのチャートでも移動平均線が下向きとなっており、下降トレンドであることがうかがえます。高値や安値を利確の目標ラインとして順張りをするか、安値付近で逆張りをするかの2つのシナリオが立てられます。
短期足は主にエントリーの参考として使われます。直近高値・安値をブレイクしたときの順張りや、RSIなどのオシレーターを利用した逆張りなどのトレードができます。
上位足では下降傾向であることが見られましたので、短期足の高値圏でトレンド方向へのスキャルピングや、安値をブレイクしてからのスイングトレードが考えられます。
マルチタイムフレーム(MTF)分析を活用することでよりトレードの質を上げることができます。ここでは、マルチタイムフレームを使った相場での立ち回り方法と注意点を解説します。
マルチタイムフレーム分析を使うことで詳細なシナリオを組むことができます。
例えば、長期足・中期足が揃って下向きのときにエントリーしたとします。長期足よりも中期足の方が価格への反応が早いため、中期足が先に反転上昇あるいはレンジとなる可能性があります。そうなった場合は、あらかじめ決めた目標ラインに届かなくても、決済すると決めておくことでより早く相場で立ち回ることができます。
また、上位足にトレンドが出るタイミングを待つことで、短期足の瞬間的な反転に動揺することなく対応できます。上位足を考慮したシナリオをあらかじめ作っておくことで、エントリー中にメンタルが左右されることを減らせるのです。
マルチタイムフレーム分析で複数の時間軸を分析するとしても、FXには様々な時間足があり、その組み合わせ方も様々です。時間足の組み合わせを決めてトレードシナリオを立てた場合、できる限りそのシナリオに従うようにしましょう。
例えば日足、1時間足、15分足を活用してトレードをすると決めた場合は、同一取引中は決めた時間足だけを見るようにします。他の時間足を見てしまうとトレードシナリオが揺らいでしまうことがあるため、注意が必要です。
エントリー後もマルチタイムフレーム分析を忘れずに行いましょう。初心者によくある失敗は、エントリーすると事前にマルチタイムフレーム分析で決めたことを忘れて、短期の時間足ばかりを見てしまうことです。
上位足はチャートの動きが少なくてつまらないかもしれませんが、上位足のチャートの監視こそがマルチタイムフレーム分析の肝となる部分です。上位足の重要性を忘れてしまうとマルチタイムフレーム分析を活かしたトレードをしているとは言えません。
ここではMT5を使用してマルチタイムフレーム分析をする方法を簡単に説明します。
まずはMT5に複数のチャートを表示しましょう。気配値表示の通貨ペアを右クリックして、「チャートウインドウ」を押すことでチャートが表示されます。
チャートを表示したら、画面上メニューの「ウインドウ」から表示したチャートを整列することができます。また左上の「M1〜MN」の表示を選択することで、チャートの時間足を変更できます。
「ナビゲーター」の「インディケータ」にはMoving Average(移動平均線)など様々なインジケータが格納されています。必要なインジケータをチャートへドラッグ&ドロップすることで、チャート上に表示できます。
MT4・MT5では、外部で入手したファイルをインストールすることで、様々な機能を追加することができます。Myforexでは、マルチタイムフレーム分析を補助するためのインジケータとして、2種類の上位足インディケータを提供しています。
名称 | 利用可能なテクニカル指標 |
---|---|
上位足インディケータ(トレンド系) | 移動平均線・パラボリックSAR・ボリンジャーバンド |
上位足インディケータ(オシレーター系) | MACD・RSI・ストキャスティクス |
上位足インディケータ(トレンド系)
利用可能なテクニカル指標 |
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移動平均線・パラボリックSAR・ボリンジャーバンド |
上位足インディケータ(オシレーター系)
利用可能なテクニカル指標 |
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MACD・RSI・ストキャスティクス |
Myforexの上位足インディケータを導入すると、一つのチャートに上位足の移動平均線・パラボリックSAR・ボリンジャーバンド、またはMACD・RSI・ストキャスティクスを表示できます。一枚のチャートでマルチタイムフレーム分析ができることが最大のメリットです。
インディケータは以下のページからダウンロード可能です。
参照: | 上位足インディケータ(トレンド系) | Myforex™(マイフォレックス) |
上位足インディケータ(オシレーター系) | Myforex™(マイフォレックス) |
作成日
:2023.02.01
最終更新
:2023.03.29
FXトレード歴7年で、海外FX業者の利用経験が豊富。テクニカル分析を用いた短期トレードが得意で、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)を取得。テクニカル分析からFX業者比較まで、FX関連の幅広い記事の執筆を行う。
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