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MT4と同じヒストリカルデータをMT5でも使いたい!インポートの方法を解説

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update 2024.09.24 15:17
MT4と同じヒストリカルデータをMT5でも使いたい!インポートの方法を解説

update 2024.09.24 15:17

多くの海外FX業者で導入されているMetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)の主な特徴の1つが、EA(エキスパートアドバイザ)のバックテストを簡単に実施できることです。バックテストとは、自動売買プログラムの売買戦略を過去の値動きに当てはめ、どのような成績になるのか検証する作業のことをいいます。

そのバックテストで最も大切なのが、ヒストリカルデータです。ヒストリカルデータが正確でなければ、バックテストでEAの性能を正確に図ることができません。

MT4では外部から精度の高いヒストリカルデータをダウンロードしてインポートし、バックテストの精度を上げることができました。近年、多くの海外FX業者で導入が進んでいるMT5でも、MT4と同様に外部のヒストリカルデータをインポートすることが可能です。

この記事では、MT5にヒストリカルデータをインポートする方法や、MT5におけるヒストリカルデータの特徴、正確なヒストリカルデータを提供していることで定評のある3つのサービスについて紹介します。

MT5のヒストリカルデータの特徴

MT5におけるヒストリカルデータの特徴は以下の3つです。

  • 利用するブローカーの営業開始以降はFX業者のデータが提供される
  • 営業開始前の分はメタクォーツ社などのデータで正確とはいえない
  • 複数のヒストリカルデータを管理し選択することが可能

FX業者のヒストリカルデータが利用できる

MT5の場合、利用するFXブローカーが営業を開始した後の期間については、ブローカーのヒストリカルデータが提供されます。そのため、サービスを長く提供しているブローカーであれば、業者が提供するヒストリカルデータだけで長期間のバックテストをカバーすることが可能です。

また、MT5で利用できるヒストリカルデータにはスプレッドの情報も含まれるため、そのブローカーのレートとスプレッドを使ったバックテストが可能になります。

営業開始前のデータは不正確

営業開始前のヒストリカルデータは、メタクォーツ社などブローカー以外が提供元となります。このヒストリカルデータは精度が高くないとされており、バックテストには不向きです。

例えば、海外FX業者A社がMT5の提供を開始したのが2020年3月だとします。この場合、2020年3月以降のヒストリカルデータはA社が提供元ですが、2020年3月以前のヒストリカルデータはメタクォーツ社などが提供元となります。(メタクォーツ社のデータが利用されていることが多いですが、他の提供元からのデータが入っている可能性もあります。)

バックテストの期間設定を2018年3月~2023年3月とする場合、2018年3月~2020年2月末まではメタクォーツ社、2020年3月~2023年3月はA社が提供するヒストリカルデータを使用することになり、バックテストが正確な結果になりません。

EA(エキスパートアドバイザ)を運用しようとしているブローカーが、数年以内に営業開始したFX業者である場合は、より正確なバックテストを行うために、外部から精度の高いヒストリカルデータをインポートする必要があるでしょう。

デフォルトのヒストリカルデータ

複数のヒストリカルデータを管理可能

MT5では複数のヒストリカルデータを管理することが可能で、ヒストリカルデータごとに「カスタム銘柄」と呼ばれる設定が作成できます。そのため、同じ通貨ペアや銘柄であっても、ヒストリカルデータごとで異なる設定を行うことが可能です。バックテストをするときに、ストラテジーテスターの「銘柄」リストからカスタム銘柄を選択できます。

MT5のカスタム銘柄 MT5のカスタム銘柄
point カスタム銘柄の名称設定

ドル円のヒストリカルデータをインポートする場合は、カスタム銘柄の名称に「提供元の名前」を含めるようにすると、管理がしやすくなります。

高精度なヒストリカルデータの提供元は?

MT4/MT5のストラテジーテスター機能を利用すると、損益だけでなく勝率や損益率、最大連敗数や最大ドローダウンなどといった様々なデータを算出することが可能です。このデータを基に、EAを組み合わせたり、EAのプログラムを改善したりしてポートフォリオを構築していきます。

精度の高いヒストリカルデータを提供するFX業者で有名なのは、国内外資系FX業者のDukascopy(デューカスコピー)と海外FX業者のFXDD(エフエックスディーディー)、有料でティック単位のヒストリカルデータを提供するTick Data Suite(TDS)の3つです。

定評のあるヒストリカルデータ元

Dukascopy

国内外資系FX業者のDukascopyは、主要8通貨ペアを含む48通貨ペアのヒストリカルデータを無料で提供しています。デューカスコピーのヒストリカルデータをダウンロードするには、デモ口座もしくはライブ口座の開設が必要です。ヒストリカルデータは、CSV形式・HST形式のどちらでも保存できます。

point HST形式とは

HST形式のファイルは、MetaTrader独自のフォーマットで記録されたヒストリカルデータです。テキストデータではないため、一般的なテキストエディタだとHST形式のファイルは正しく閲覧・編集できません。HST形式のファイルは、MT4・MT5のどちらでも読み込むことが可能です。

デューカスコピーのヒストリカルデータは、以下のページからダウンロードできます。

デューカスコピーからヒストリカルデータをダウンロード link

FXDD

海外FX業者のFXDDは、主要通貨ペアを含む21銘柄のヒストリカルデータを提供しています。MT4での活用を想定しているため、データはHSTファイルとしてのみダウンロード可能です。

FXDDからヒストリカルデータをダウンロード link

拡張子が「.hst」となっているHSTファイルも、MT5にインポートできます。ヒストリカルデータをインポートする際のファイル選択で、デフォルトだと「ASCII Text」が選択されていますが、リストから「MetaQuotes files」もしくは「All files」を選択してください。FXDDからダウンロードしたHSTファイルが一覧に表示されます。

MT5でHSTファイル形式を選択 MT5でHSTファイル形式を選択

TDS

Tick Data Suitは、精度の高いヒストリカルデータを入手できる有料サービスです。主要通貨ペアであれば、過去20年以上のヒストリカルデータをダウンロードでき、バックテストが正確に実施できます。

TDSの料金やサービスの詳しい内容を確認 link

MetaTrader4(MT4)であれば、TDSと自動で連携することも可能です。一方、MetaTrader5(MT5)の場合はTDSからヒストリカルデータをCSV形式で抽出し、その後に手動でインポートする必要があります。

TDSのヒストリカルデータをダウンロードする方法

TDSのデータをダウンロードするまでの手順は以下の通りです。

手順1

ダウンロードしたい通貨ペア・銘柄の欄の右端にある「ダウンロードボタン」をクリックすると、PCにダウンロードされていないヒストリカルデータを一括ダウンロードできます。ダウンロードする期間を指定したい場合は、「ダウンロードボタン」の左にある「操作」ボタンをクリックして期間を設定します。

ヒストリカルデータのPCへのダウンロード ヒストリカルデータのPCへのダウンロード
caution PCに十分な空き容量が必要

主要通貨ペアの場合、20年以上のヒストリカルデータをPC上にダウンロードするため、PCに十分な空き容量が必要です。例えばドル円の場合、2003年1月から2023年2月まで一括ダウンロードしたときのデータサイズは700MB程度です。容量は通貨ペア・銘柄によって若干異なります。また、ダウンロードが完了するまでに、しばらく時間がかかります。

手順2

TDSのヒストリカルデータをCSV形式で抽出する場合は、該当銘柄の欄にある「操作」ボタンをクリックして、「ティックをエクスポート」タブを選択します。設定が完了したら「エクスポートを開始」ボタンをクリックします。

ティックをエクスポート操作画面 ティックをエクスポート操作画面

番号

項目

内容

1

開始

CSV形式で抽出する期間の開始日付を選択します。

2

終了

CSV形式で抽出する期間の終了日付を選択します。

3

フォーマット

「MetaTrader 5」を選択します。

4

区切り文字

区切り文字をリストから選択します。

5

GMTオフセット

バックテストするデータのGMT設定をします。ほとんどの海外FX業者では「GMT+2」となっています。

6

DST

夏時間の設定をします。リストから夏時間を設定する地域を選択できます。

7

エクスポートを開始

CSV形式へのデータの抽出を開始します。

MT5にヒストリカルデータをインポートする方法

MT5にヒストリカルデータをインポートするには、以下の操作が必要です。

  • チャートの最大バー数を増やす
  • データをインポートするための「カスタム銘柄」を作成する
  • 「カスタム銘柄」にデータのインポートを行う

ここでは簡潔に説明しますので、詳しい手順はMyforexで作成している「MT5ご利用ガイド」をご参照ください。

チャートの最大バー数を増やす

MT5からメニューバーの「ツール」をクリックし、「オプション」を選択します。「チャート」タブ内の「チャートの最大バー数」を「Unlimited」に変更し、「OK」ボタンをクリックします。その後、MT5を再起動します。

チャートの最大バー数を設定 チャートの最大バー数を設定

「カスタム銘柄」を作成する

メニューバーの「表示」をクリックし、「銘柄」を選択します。時間足のヒストリカルデータをインポートする場合は「チャートバー」タブ、ティック単位のヒストリカルデータをインポートする場合は「ティック」タブをクリックし、インポートするヒストリカルデータの銘柄を選択します。その後、「カスタム銘柄を作成する」ボタンをクリックします。

カスタム銘柄の作成 カスタム銘柄の作成

「カスタム銘柄」画面の銘柄名をダブルクリックし、既存の銘柄名と異なる名称を設定します。設定完了後、「YES」ボタンをクリックしてください。

カスタム銘柄の設定 カスタム銘柄の設定

データのインポートを行う

カスタム銘柄画面で設定した銘柄名を選択し、「バーをインポートする」ボタン(ティックデータの場合は「ティックをインポートする」ボタン)をクリックします。作成したカスタム銘柄は、「Custom」のカテゴリの中に表示されます。

ヒストリカルデータのインポート ヒストリカルデータのインポート

インポートするヒストリカルデータのファイルを選択します。ファイルが表示されない場合は、右下のファイルの種類を「All Files」に変更し、全てのファイル形式が表示されるようにしてください。「csv」「hst」のファイル形式のデータをインポートすることが可能です。

インポートするヒストリカルデータを選択 インポートするヒストリカルデータを選択

インポートするヒストリカルデータの詳細設定を行います。設定完了後、「YES」ボタンをクリックするとヒストリカルデータのインポートは完了です。

インポートするヒストリカルデータの詳細設定 インポートするヒストリカルデータの詳細設定

番号

項目名

説明

1

区切り文字

データ内の各項目を区切る文字を指定します。

2

スキップ

データ内の指定した列と行は、インポートされません。ヒストリカルデータ内に、インポートを希望しない列や行がある場合は、列、または行の番号を指定します。

3

時差調整

ヒストリカルデータを指定した時間分ずらします。

4

ティックボリューム

ヒストリカルデータにティックボリュームが含まれる場合、チェックを入れます。

MT5でもMT4のヒストリカルデータを活用できる

ここまで、MT5におけるヒストリカルデータの特徴や、高精度なヒストリカルデータをダウンロードして使用する方法について紹介しました。基本的に、MT4で活用できるデータはMT5でも利用可能です。

Dukascopy(デューカスコピー)とFXDD(エフエックスディーディー)のヒストリカルデータは無料で利用できるため、EAの運用を考えている方やMT4/MT5のバックテスト機能を試したい人におすすめです。DukascopyはCSV形式・HST形式、FXDDはHST形式でダウンロードできます。MT4/MT5には、どちらのファイル形式であってもインポート可能です。

本格的にEAの運用を考えている人や、できるだけ精度の高いヒストリカルデータで10年以上のバックテストをしたい人は、有料サービスのTick Data Suit(TDS)を検討するのがいいでしょう。


Date

作成日

2023.03.10

Update

最終更新

2024.09.24

Myforex編集スタッフーFX担当ー

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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