作成日
:2023.03.10
2024.03.09 20:48
Bybit(バイビット)のデリバティブ取引ボットは、「無期限契約」と呼ばれる取引を自動で実行するツールです。レバレッジをかけられるので、効率的に収益を上げられる可能性があります。また、3種類のモードが用意されており、状況に応じた使い分けが可能です。
ただし、レバレッジにより資金を大きく減らすリスクもあり、モードの選択でも迷うかもしれません。そこで当記事では、デリバティブ取引ボットの基本的な仕組みや、メリット・デメリットを解説します。
Bybit(バイビット)は自動売買ツールを「取引ボット」という名称で提供しており、デリバティブ取引ボットは、ユーザーが設定した条件に従って無期限契約取引を自動で行います。
デリバティブとは金融商品の一つで、株式・債券・仮想通貨などの価格を基準にして価格が上下動します。複数の種類があり、仮想通貨市場で人気が高いのは無期限契約です。これは、永久先物契約やパーペチュアル取引と呼ばれることもあります。
無期限契約は差益の獲得を目的とした取引(CFD)の一種です。差益を得るために、「安く買って高く売る(ロング)」または「高く売って安く買う(ショート)」という手法を取ります。
デリバティブ取引ボットは、リピート系注文やグリッドトレードと呼ばれる取引をします。リピート系注文とは、特定の範囲に数多くの買い注文(または売り注文)を配置して売買を繰り返す手法です。
取引範囲を適切に設定すれば、新規売買と決済取引を数多く繰り返せます。このため、人気のトレード手法となっています。
リピート系注文の基本形は下の図のとおりです。青の曲線は仮想通貨の値動きを示しており、青丸部分で買って赤丸部分で売却します。一定間隔で買い注文(青丸)を数多く並べることで、仮想通貨が上下動すると数多くの取引をこなします。相場の底や天井を判断する必要はなく、値動きの範囲を大まかに設定すれば良いのもメリットです。
Bybitでは、デリバティブ取引ボットの他に、現物取引ボットや積立ボットも利用できます。デリバティブ取引ボットと現物取引ボットは性質が似ていますが、現物取引かデリバティブ取引かという違いがあります。
種類 | ボットが行う取引 | 期待できる利益 |
---|---|---|
デリバティブ取引ボット
(3種類)
|
1. 新規買いと決済取引
2. 新規売りと決済取引
3. 上の2種類の組み合わせ
|
短期的な売買益 |
現物取引ボット | 新規買いと売却 | 短期および中長期の売買益 |
積立ボット | 定期的な購入 | 長期的な値上がり益 |
デリバティブ取引ボット(3種類)
ボットが行う取引 |
1. 新規買いと決済取引
2. 新規売りと決済取引
3. 上の2種類の組み合わせ
|
---|---|
期待できる利益 | 短期的な売買益 |
現物取引ボット
ボットが行う取引 | 新規買いと売却 |
---|---|
期待できる利益 | 短期および中長期の売買益 |
積立ボット
ボットが行う取引 | 定期的な購入 |
---|---|
期待できる利益 | 長期的な値上がり益 |
積立ボットは他の2種類のボットと異なり、自動で現物の積立投資をします。
デリバティブ取引ボットでユーザーが設定できる主な項目は、以下のとおりです。
価格範囲とは、デリバティブ取引ボットが売買する範囲を指します。グリッド数量は、注文の本数です。上のリピート系注文の基本形では買い注文が4つ描かれており、この場合のグリッド数量は4となります。
取引ボットは、ユーザーが設定したこれらの条件に従って売買します。
Bybit(バイビット)のデリバティブ取引ボットは、具体的にどのようなタイミングで売買するでしょうか。ここでは、デリバティブ取引ボットの基本的な動きと、モードによる違いなどを解説します。
デリバティブ取引ボットには3種類のモードがあります。
ロングでボットを稼働すると、現在値でロングポジション(買いポジション)を持ちます。また、事前に設定した価格まで下落すると、新規でロングポジションを持ちます。そして、仮想通貨価格が事前に設定した価格まで上昇すると決済します。
こうして、仮想通貨価格が上下動すると新規買いと決済売りを繰り返します。
ショートでボットを稼働すると、現在値でショートポジション(売りポジション)を持ちます。また、事前に設定した価格まで上昇すると、新規でショートポジションを持ちます。そして、仮想通貨価格が事前に設定した価格まで下落すると決済します。
こうして、仮想通貨価格が上下動すると新規売りと決済買いを繰り返します。
おまかせモードの取引ボットは、稼働直後にポジションを持ちません。基準価格の下側に買い注文、そして上側に売り注文が配置され、仮想通貨価格が上下動するとドテンの要領で決済と新規ポジション保有を繰り返します。
ドテンとは、今まで持っていたポジションと反対のポジションを持つことです。
名前は「おまかせ」ですが、システムが任意に取引方法を作るのではなく、取引方法はあらかじめ決まっています。
デリバティブ取引ボットは、100種類以上の仮想通貨に対応しています。なお、証拠金として利用できるのはUSDTのみです。(2023年3月現在)
デリバティブ取引ボットの手数料は、売買の際に発生します。取引ボットの設定時や稼働停止時に手数料はかかりません。手数料の大きさはBybitの無期限契約と同じであり、一般ユーザーの場合は以下の通りです。
なお、通常の無期限契約と同じく、資金調達コスト(ファンディングフィー)の支払いまたは受け取りが発生します。
資金調達コストとは、無期限契約の価格と現物価格の乖離を防ぐための仕組みで、差異が拡大する方向のポジション保有者が支払います。例えば、無期限契約における価格が現物価格よりも高い場合、ロングポジション保有者がショートポジション保有者に支払います。
デリバティブ取引ボットの主なメリットは、以下のとおりです。
デリバティブ取引ボットは、設定に沿って自動で売買します。このため、取引のたびに入力作業をする必要はなく、24時間ずっと取引できます。
レバレッジをかけて運用できますので、現物取引ボットよりも資金効率が良く、また売りから取引を始められます。なお、設定可能なレバレッジは以下のとおりです。
自動設定時 | 2倍など |
---|---|
手動設定時 |
・ロング:
1~50倍から選択 ・ショート:
1~50倍から選択 ・おまかせ:
1~100倍から選択 |
デリバティブ取引ボットには3つのモードがあります。適切に使い分けることにより、利益獲得機会が大きくなります。
自動設定を利用すると、通貨ペアとモードを選択して投資額を入力するだけで、ボットを運用できます。
Bybitの取引ボットページには成績が優秀なボットが表示されており、無料でコピーできます。ただし、ボットの稼働期間によって成績は変わるため、表示と同じ利益を出せるとは限りません。
2023年10月には、デリバティブ取引ボットの運用を継続したまま、発生した利益と追加された証拠金の両方をリアルタイムで出金可能になりました。資金は資金調達アカウントに入金されます。
これにより、資産をより柔軟かつ効率的に管理できるようになりました。ただし、出金によって証拠金が減少すると、強制決済価格が変更される可能性があるため、注意が必要です。
デリバティブ取引ボットにはデメリットもあります。
デリバティブ取引ボットには3種類のモードがありますが、各モードには得意な相場と苦手な相場が存在します。相場との相性が悪いモードを稼働させ続けると、大きな損失を被る恐れがあります。そこで、損切りやレバレッジなどの設定や、ボットを停止させるタイミングに気を付ける必要があります。
損失が膨らみやすい状況は、以下のとおりです。
おまかせモードやショートモードでは、価格が一方的に上昇するとショートポジションを保有しますが決済しません。この場合、含み損が大きくなります。
また、相場が価格の上限を抜けるとボットは取引しないため、含み損を抱えたままの状態になります。
おまかせモードやロングモードでは、価格が一方的に下落するとロングポジションを保有しますが決済しません。この場合、含み損が大きくなります。
また、相場が価格の下限を抜けるとボットは取引しないため、含み損を抱えたままの状態になります。
デリバティブ取引ボットは無期限契約で売買しますので、強制ロスカットされる可能性があります。高いレバレッジをかけた場合は、強制ロスカットにあいやすくなるため注意が必要です。
強制ロスカットとは、保有しているポジションの含み損が拡大し、証拠金維持率が一定の水準(ロスカット水準)以下になった場合に、取引所が強制的にポジションを決済することです。強制ロスカットになると、損失が確定します。
Bybit(バイビット)でデリバティブ取引ボットを作成する方法を解説します。
なお、デリバティブ取引ボットを稼働させるには、デリバティブウォレット内にUSDT残高が必要です。残高がない場合は、現物口座などから振替しておきましょう。
以下のリンクよりBybitへアクセスし、ログインします。
Bybitにログインしたら、上部メニューの「ツール」を選択し、「取引ボット」をクリックします。
デリバティブ取引ボットの「ボットを作成」をクリックすると、ボットの設定画面へ移行します。
なお、他ユーザーのボットの設定をコピーしたい場合は、このページを下にスクロールして希望のボットを選び、「無料でコピー」をクリックしてください。
デリバティブ取引ボットの設定方法を、自動設定と手動設定に分けて紹介します。
自動設定では、取引価格の範囲やグリッド数量などが自動的に決められており、通貨ペア・取引モード・投資額を設定するだけで取引ボットを作成できます。
自動設定でボットを作るには、お好みの内容で設定して「ボットを作成」ボタンをクリックします。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
自動か手動か |
「自動設定」をクリックします。 |
2 |
通貨ペア |
取引したい通貨ペアを選びます。 |
3 |
取引モード |
おまかせ、ロング、ショートの3つから選びます。 |
4 |
投資額 |
取引に利用するUSDTの数量を入力します。数量が不足している場合、枠の右下にある「振替」で資金移動を行うなどします。 |
5 |
利食い(*1) |
利幅(%)を任意で指定できます。 |
6 |
損切り(*1) |
損失幅(%)を任意で指定できます。 |
(*1)投資額入力欄の下にある「詳細設定(任意)」をクリックすると設定可能になります。
手動設定では、価格範囲やグリッド数量、レバレッジなどの項目もユーザーが設定します。自動設定よりは手間がかかりますが、カスタマイズ性が高い設定方法です。
手動設定でボットを作るには、お好みの内容で設定して「ボットを作成」ボタンをクリックします。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
自動か手動か |
「手動設定」をクリックします。 |
2 |
通貨ペア |
取引したい通貨ペアを選びます。 |
3 |
取引モード |
おまかせ、ロング、ショートの3つから選びます。 |
4 |
価格範囲 |
価格範囲の下限と上限を入力します。相場が下限もしくは上限を超えると、ボットは売買しません。 |
5 |
グリッド数量 |
取引の価格間隔を決めます。グリッド数量が多いと、利幅の小さい取引が高い頻度で行われます。 |
6 |
レバレッジ |
レバレッジを入力します。 |
7 |
投資額 |
取引に利用するUSDTの数量を入力します。数量が不足している場合、枠の右下にある「振替」で資金移動を行うなどします。 |
8 |
利食い(*1) |
利幅(%)を任意で指定できます。 |
9 |
損切り(*1) |
損失幅(%)を任意で指定できます。 |
(*1)投資額入力欄の下にある「詳細設定(任意)」をクリックすると設定可能になります。
手動設定画面の価格範囲入力欄の近くに「自動設定」があります。この部分をクリックすると、前項で解説した自動設定が入力されます。
内容を確認して問題なければ「確認」ボタンをクリックします。
以下の詳細画面に移行したら、ボットの作成は完了です。
デリバティブ取引ボットの状況確認方法と、利食い・損切りの変更方法について解説します。
以下のリンクより、Bybit(バイビット)へアクセスし、ログインします。
Bybitへアクセスしたら、上部メニューの「ツール」を選択し、「取引ボット」をクリックします。
「マイボットを見る」をクリックします。
マイボットのページでは、「有効中」のメニューで現在稼働している取引ボットが表示され、「停止中」のメニューでは稼働を停止している取引ボットが表示されます。
より詳しく確認したい場合や、損切りや利食いのタイミングを変更したい場合は「詳細」ボタンをクリックします。
詳細ページは3つのタブで分かれています。「ステータス」では設定した条件、「ポジション」では取引を行う価格と数量、「取引履歴」では実行された取引の履歴が表示されます。
ステータス画面では、利食いと損切りの変更も行えます。変更したい場合は、「利食/損切」と書かれた部分にあるマークをクリックしてください。
任意の数値を入力して「確認」ボタンをクリックすると、変更が完了します。
デリバティブ取引ボットを運用したまま、発生した利益や追加した証拠金を出金できます。
以下のリンクより、Bybit(バイビット)へアクセスし、ログインします。
Bybitへアクセスしたら、上部メニューの「ツール」を選択し、「取引ボット」をクリックします。
「マイボットを見る」をクリックします。
出金したいデリバティブ取引ボットの「詳細」ボタンをクリックします。
右上の「出金」ボタンをクリックします。
出金額を入力して「確認」ボタンをクリックします。次の画面で「出金完了」と表示されれば完了です。出金した資金は資金調達アカウントに入金されます。
デリバティブ取引ボットの停止方法を解説します。
以下のリンクより、Bybit(バイビット)へアクセスし、ログインします。
Bybitへアクセスしたら、上部メニューの「ツール」を選択し、「取引ボット」をクリックします。
「マイボットを見る」をクリックします。
ボットを停止したい場合は、「ボット停止」をクリックします。
表示される注意事項を確認し、問題なければ「確認」ボタンをクリックします。
「停止中」メニューの中に前の手順で選んだボットがあれば、停止処理は完了です。なお、ボットを稼働させるために使っていたUSDTは、デリバティブアカウントに返却されます。
Bybit(バイビット)のデリバティブ取引ボットは、数多くの利食い回数を期待できます。その一方、相場の状況や取引設定次第で含み損になってしまったり、強制ロスカットになってしまったりします。このため、デリバティブ取引ボットの仕組みを把握してから取引することが大切です。
なお、Bybit(バイビット)ではデリバティブ取引ボットの他にも、現物取引ボットが提供されています。デリバティブ取引でのレバレッジなどの設定が難しく感じる場合は、現物取引ボットから始めてみてもよいでしょう。
作成日
:2023.03.10
最終更新
:2024.03.09
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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