作成日
:2024.01.09
2024.10.11 16:59
Bybit(バイビット)には6種類のアカウントがあり、利用用途に応じてそれらを使い分ける必要があります。例えば、現物取引をするなら現物アカウント、Bybitステーキングを利用するなら資金調達アカウント、といった具合です。
この記事では、各アカウントの特徴を解説していきます。中でも仕組みが少し複雑な「資金調達アカウント」と「統合取引アカウント(UTA)」については、特に詳しく解説します。
2024年9月27日、Bybit(バイビット)はすべての「標準アカウント」を「統合取引アカウント(UTA)」に段階的に更新していくことを発表しました。アカウントの更新・制限は、以下のスケジュールに沿って行われます。
移行日 | 概要 |
---|---|
2024年10月21日〜 | 非アクティブな標準アカウントを自動更新(*1)(*2) |
2024年11月1日〜 |
・現物とデリバティブでアクティブ注文がない標準アカウントを自動更新(*2)
・インバース無期限のアクティブ注文がない旧バージョンの統合取引アカウントを自動更新(*2)
|
2024年12月1日〜 | 標準アカウントでの無期限取引と先物取引、旧バージョンの統合取引アカウントでのインバース無期限取引をリデュースオンリーに切り替え(ポジションを増やす新規注文ができなくなり、ポジション決済のみ可能) |
2024年12月16日〜 |
・標準アカウントでの現物取引を停止
・標準アカウントで保留中の現物注文とデリバティブ注文、旧バージョンの統合取引アカウントのインバース注文がキャンセル
・標準アカウントと旧バージョンの統合取引アカウントを自動更新
|
(*1)現物アカウントとデリバティブアカウントに資産、保留中の注文、アクティブなポジションがない標準アカウントが対象となります。
(*2)更新中は毎日午前11時〜午後7時(日本時間)の間に、現物アカウントとデリバティブアカウントで約2分間ほどの短いダウンタイムが発生します。
上記のスケジュールの通り、2024年10月21日から段階的にアカウントの更新・制限が行われ、12月16日からすべての標準アカウントと旧バージョンの統合取引アカウントが自動更新されます。
いずれ標準アカウントは利用できなくなるため、現在標準アカウントを使用している方は、早めに統合取引アカウントに更新しておいてもよいでしょう。
Bybit(バイビット)のアカウント体系には、取引商品ごとにアカウントを管理する、従来型の「標準アカウント」と、それらを1つにまとめた新しい「統合取引アカウント」の2通りがあります。
統合取引アカウントは、2023年1月から運用が開始されているサービスです。2023年10月1日より、新規に口座開設したユーザーは、デフォルトで統合取引アカウントが設定されるようになっています。
なお、現在標準アカウントを利用しているユーザーは、統合取引アカウントに移行することができます。
Bybitのアカウントとは、Bybitのサービス利用に必要なビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を管理する投資口座のようなものです。
ここからは、標準アカウントと統合取引アカウントで管理されるアカウントの種類を解説していきます。
2023年9月30日までにアカウントを開設したユーザーのうち、統合取引アカウントに移行していないユーザーは、従来型の取引商品ごとの標準アカウント体系となっています。
管理対象のアカウントは4種類あり、それぞれの利用用途は以下の通りです。
アカウント名 | 利用用途 |
---|---|
資金調達アカウント |
・仮想通貨(暗号資産)入出金
・仮想通貨の購入(*1)
・資産運用
など
|
現物アカウント |
・現物取引
・レバレッジトークン取引
|
デリバティブアカウント |
・インバース無期限/先物契約
・USDT無期限契約
|
USDCデリバティブアカウント | ・なし(*2) |
(*1)クレジットカード決済や第三者決済サービス、P2Pによる仮想通貨の購入
(*2)USDC無期限/先物契約、USDCオプション契約は統合取引アカウントでのみ取引可能
上記のとおり、アカウントによって利用可能なサービスが異なっています。特定のサービスを使うためには、対応するアカウントに残高を用意しておく必要があり、残高不足なら入金や資産振替を行います。
例えば、仮想通貨(暗号資産)の現物を担保にデリバティブ取引をするとします。その場合、資金調達アカウントまたは現物アカウントで購入した現物を、デリバティブアカウントへ振り替えることで、トレードできるようになります。
アカウント間の資金振替方法は、以下の記事をご覧ください。
標準アカウントを利用しているユーザーも、統合取引アカウントに移行することが可能です。一度移行すると戻せないため、メリット・デメリットをよく理解してご判断ください。
2023年10月以降にアカウント開設したユーザーは、統合取引アカウントがデフォルトで設定されます。また、標準アカウントから移行済みの場合も、統合取引アカウントとなります。
管理対象のアカウントは3種類あり、それぞれの用途は以下の通りです。資金調達アカウントは、標準アカウント体系と共通しています。
アカウント名 | 利用用途 |
---|---|
資金調達アカウント |
・仮想通貨(暗号資産)入出金
・仮想通貨の購入(*1)
・資産運用
など
|
統合取引アカウント |
・現物取引
・現物マージン取引
・レバレッジトークン取引
・USDT無期限契約
・USDC無期限/先物契約
・USDCオプション契約
|
インバースアカウント | ・インバース無期限/先物契約 |
(*1)クレジットカード決済や第三者決済サービス、P2Pによる仮想通貨の購入
統合取引アカウントでは、標準アカウントで現物・デリバティブ・USDCデリバティブの3つのアカウントに分かれていた商品が1つにまとめられています。これにより、1つのアカウント内でさまざまな資産を管理・活用でき、取引の柔軟性や資金効率を高めることが可能です。ただし、インバース無期限/先物契約のみ、インバースアカウントで取引する形となります。
インバース無期限/先物契約とは、証拠金や損益の基準通貨にBTC、ETHなどの仮想通貨を使用する無期限/先物契約のことです。つまり、インバース無期限/先物契約の取引をするためには、BTCやETHなどを保有する必要があります。USDTやUSDCと異なり、証拠金である仮想通貨にも価格変動リスクがあります。
3種類のアカウント間での資金振替の考え方は、標準アカウントと同様です。アカウント間の資金振替方法は、以下の記事をご覧ください。
Bybit(バイビット)の資金調達アカウントは、以下のサービスを利用するための仮想通貨(暗号資産)や法定通貨を管理するアカウントです。
(*1)統合取引アカウント利用者の場合のみ
資金調達アカウントは、ステーキングや流動性マイニングなどの資産運用サービスや、取引ボットのような資産を預け入れて増やすサービスで主に利用されます。また、法定通貨で仮想通貨を買う際や入出金の際にも利用される、用途の広いアカウントです。
Bybitの資金調達アカウントでは、以下の7つの機能を利用できます。
機能 | 内容 |
---|---|
入金 | 仮想通貨または法定通貨の入金 |
出金 | 仮想通貨または法定通貨の出金 |
購入 | 仮想通貨の現物の購入 |
運用 | Bybit資産運用の利用 |
振替 | アカウント間の資産残高の振替 |
販売 |
仮想通貨の現物の売却
(法定通貨への交換)
|
変換 | 他の仮想通貨への交換 |
資金調達アカウントの7つの機能は、アカウントページ右側のアクション項目から利用可能です。
Bybit(バイビット)の統合取引アカウント(UTA)とは、2023年1月にサービス開始された、あらゆる種類の仮想通貨(暗号資産)取引を一括で管理できるアカウントです。2023年10月以降に口座開設した場合には、デフォルトで設定されます。統合取引アカウントでは、1つのアカウントで以下の6つの商品を取引できます。
また、インバース無期限/先物契約を行うためのインバースアカウントも同時に設定されます。
統合取引アカウントでは、アカウント単位で下記の計算式に基づいてUSD建ての総資産価値が算出されます。
総資産価値(USD建て) =
資産の数量 × 仮想通貨の価格(USD建て) × 交換レート
仮想通貨の交換レートは下記のとおりです。
資産 | 交換レート |
---|---|
USDC | 100% |
USDT | 99.5% |
BTC | 95.0% |
ETH | 95.0% |
例えば、統合取引アカウントに10,000 USDTと1 ETHがある場合、1 ETHの価格が2,000 USDだとすると、
となり、総資産価値(USD建て)は11,850 USDとなります。
統合取引アカウントはデフォルトでは利用できず、利用するには既存アカウントの更新が必要です。しかし、一度更新すると元に戻せないため、更新するかどうかは慎重に判断する必要があります。
統合取引アカウントへの更新には、以下の5つのメリットがあります。
統合取引アカウントでは、6つのサービスで共通の資産残高を利用できるため、資金を振り替える手間を省けます。
通常、USDT無期限契約取引を利用する際、現物アカウントなどで購入した現物をデリバティブアカウントへ振り替えて取引しなければいけません。しかし、統合取引アカウントを利用すれば、購入した現物をそのままUSDT無期限契約取引などのデリバティブ取引に利用できます。
統合取引アカウントでは、対象のサービス全体の含み益や含み損が合算されて資産状況として反映されるため、資産を効率よく運用できます。例えば、USDT無期限契約取引で利益が発生している場合、含み益をUSDC無期限契約取引やUSDCオプションなど、他の取引に利用できます。
また資産残高が合計で計算されることで、強制決済を防ぐことも可能です。USDT無期限契約取引で利益が出ているが、USDC無期限契約取引で損失となっている場合、損失を利益で自動的に相殺して強制決済を防げます。
統合取引アカウントでは、60種類以上の仮想通貨を担保にした取引が可能です。従来では、USDT無期限契約取引を行う場合、デリバティブアカウントに証拠金として必要なUSDTを保有しておく必要がありました。
一方、統合取引アカウントを利用すればUSDTがなくても、必要証拠金と同等の資産価値の他の仮想通貨がある場合、それを担保に取引が可能です。
統合取引アカウントのデリバティブ取引で借り入れを行った場合、1時間ごとに利息が発生します。利息の支払額は、借入金額に時間利率をかけて計算されます。ただし、一定の借入金額範囲内までは無利息で借入可能です。
従来は、標準アカウントの現物アカウントでも「現物マージン取引」が可能でしたが、現在では統合取引アカウントでのみ可能となっています。現物マージン取引を行いたい場合には、統合取引アカウントへの移行が必須です。
現物マージン取引とは、Bybitから資金を借りてより多くの資産を売買できる取引です。借入には、他に担保となる証拠金を差し入れる必要があります。最大で10倍までレバレッジをかけることが可能です。
統合取引アカウントのデリバティブ取引では、分離マージンとクロスマージンに加えて、ポートフォリオマージンにも対応しています。
マージンとは証拠金を指しており、「クロスマージン」はアカウントに入っている資金をすべて証拠金として取引する方法です。一方、「分離マージン」はアカウントの資金と証拠金を分離する方法を指します。クロスマージンの方が、強制決済のリスクは低い反面、資金の全てを失うリスクがあり、分離マージンはその逆になります。
統合取引アカウントでのみ提供されている「ポートフォリオマージン」は、原資産のマーク価格や推定変動率をもとに、ポートフォリオ全体のリスクを計算します。ヘッジポジションを含む適正なポートフォリオを維持できている場合、必要な証拠金をクロスマージンモードよりも減らせる可能性があります。
統合取引アカウントへの更新には、以下のデメリットもあります。
一度統合取引アカウントに更新すると、以前のアカウント状態に戻すことはできません。更新すると「現物アカウント」「デリバティブアカウント」「USDCデリバティブアカウント」が1つのアカウントで管理されます。従来のアカウントの利用方法に慣れていた方にとっては、使い勝手が悪くなってしまう可能性があるため、慎重に考えて更新しましょう。
Bybitでは、デモトレードができるテストネットを公開しています。統合取引アカウントへの更新を考えている場合、一度テストネットでお試しすることもできます。
Bybitの統合取引アカウントへの更新方法の手順は以下のとおりです。
なお、取引イベントやローンチパッド、ByVoteなどに参加中の場合には更新できません。また、決済前の注文や入出金もキャンセルする必要があります。
以下のリンクよりBybitへアクセスし、ログインします。
右上にある人物アイコンにカーソルを合わせます。そして「資産」をクリック後に表示される「現物」「デリバティブ」「USDCデリバティブ」のいずれかを選択します。上部に「資産」タブが表示されている場合は、「資産」をクリックします。
画面上部に表示されている「統合取引アカウントに更新」の「今すぐ更新」をクリックします。
統合取引アカウント(UTA)の紹介を確認して「次へ」をクリックします。続いて表示されるマージンモードの説明も確認し、「次へ」をクリックします。
注意事項を読み、「更新を確定」をクリックすると、統合取引アカウントへの更新が完了です。更新には約1分の時間がかかります。
更新完了後は確認メールが届きます。現物アカウントの全資産と、デリバティブおよびUSDCデリバティブアカウントのUSDT/USDCは、自動で統合取引アカウントに振替られます。
作成日
:2024.01.09
最終更新
:2024.10.11
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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