作成日
:2024.04.25
2024.06.08 22:58
仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。
当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
セービングとステーキングは、どちらも仮想通貨(暗号資産)を預け入れて金利や報酬を受け取れるサービスです。利用するユーザーにとって、仮想通貨を運用できるという点においては、大きな違いはありません。
セービングとステーキングの大きな違いは、預け入れた仮想通貨から金利や報酬が発生する仕組みの部分です。一般的にセービングとは、取引所などに仮想通貨を貸し出して利回りを得るレンディングサービスを指します。
一方、ステーキングとは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のブロックチェーンにおけるブロック承認プロセスであり、ブロックの生成に貢献して報酬を獲得する仕組みです。
仮想通貨レンディングとは、保有する仮想通貨を貸し出して金利を得られるサービスです。仮想通貨を貸し出すだけでなく、金利を支払って借り入れることもできます。
しかし、仮想通貨業界では、「取引所などを通じて仮想通貨を運用する手法」のことを広くステーキングと呼ぶことがあります。
例えば、提供しているレンディングサービスを「セービング」と呼ぶ取引所もあれば、「ステーキング」と呼ぶ取引所もあります。同種類のレンディングサービスでも、名称が取引所によって異なることはめずらしくありません。そのため、取引所が提供するセービングとステーキングの違いを明確に定義するのは難しいケースもあります。
ここからは、一般的なセービングとステーキングの仕組みを解説します。
セービングとは、取引所に仮想通貨(暗号資産)を預け入れて金利を得られるサービスです。海外の大手取引所では、仮想通貨の資産運用サービスとして、広くセービングの名称が使われています。
一般的にセービングは、プラットフォームに仮想通貨を貸し出して金利収入を得る「レンディング」と同様のサービスです。銀行預金のようなサービスをイメージすると良いでしょう。取引所が仲介となり、信用取引や仮想通貨ローンなどを利用したいユーザーに貸し出し、その対価として金利を獲得します。
セービングで貸し出せる銘柄や期間、利率などの条件は、取引所などによって異なります。
一般的にセービングには、ロック期間の有無によって2種類のサービスがあります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
セービングでは、ロック期間がなく、いつでも自由に解約できるものがあります。一般的に、「フレキシブルセービング」という名称でサービス提供されています。
いつでも引き出せるので、預け入れている最中に仮想通貨市場が急変した場合などにも柔軟に対応できます。反面、ロック期間ありのセービングに比べて、利率が低く設定されていることが多いです。
7日、14日、30日など、あらかじめ期間を定めて預け入れるセービングもあります。「固定セービング」や「ロック付きセービング」などの名称でサービス提供されています。
ロック期間ありのセービングでは、基本的に満期まで仮想通貨を引き出せません。そのため、ロック期間中に仮想通貨市場が急変した場合には、素早く対応できないリスクがあります。中には、途中で解約できるものもありますが、途中解約するとペナルティが課せられる可能性があります。
一定期間解約できない分、利率はロック期間なしのセービングよりも高めに設定されていることが多いです。
ステーキングとは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用するブロックチェーンのネットワーク承認に貢献し、報酬を得る仕組みのことです。
PoSはブロック生成ルールの1つです。ビットコイン(BTC)などが採用するPoW(プルーフ・オブ・ワーク)と比較して、電力消費が少ない点や拡張性が高い点などで注目されています。
通常、PoSブロックチェーンのステーキングに参加するには、自分でバリデーターノードを立ち上げる必要があるため、上級者向けです。また、イーサリアムでは、32ETH以上を保有した上でノードを運用する必要があるため、高額な資金が必要になるケースもあります。
しかし、仮想通貨(暗号資産)取引所がPoSブロックチェーンのステーキングサービスを提供していることもあります。こういったサービスでは、取引所が仲介役となり、ユーザーに代わってステーキングしてくれるため、簡単かつ少額からステーキングに参加できます。
一般的な意味でのバリデーターとは、仮想通貨ブロックチェーンのブロック生成やトランザクション(取引)データの内容が正しいのかを検証し承認するノード(端末)のことです。
主にコンセンサスアルゴリズムにPoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用する仮想通貨で採用されており、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)でマイニングを行うマイナーと同様の役割を担っています。
ステーキング利率やロック期間は、銘柄や取引所によって異なります。また、中にはリキッドステーキングを利用したステーキングサービスを提供する取引所もあります。
リキッドステーキングとはその名前のとおり「流動性のあるステーキング」です。通常のステーキングでは、預け入れた仮想通貨がロックされる一方、リキッドステーキングでは、それと等価のリキッドステーキングトークンの現金化や送金、運用などができます。
本来のステーキングは、上記のようなPoSブロックチェーンにおけるブロック承認プロセスを指します。
一方、取引所によっては、仮想通貨レンディングなどを含む資産運用サービスを広くステーキングと呼んでいるケースもあります。ステーキングという名称のサービスであっても、セービング(レンディング)と同種類のサービス内容であることも少なくありません。
こうした点が、最初に述べた、取引所が提供するセービングとステーキングの違いを明確に定義することが難しい理由です。
レンディングなどの資産運用サービスをステーキングと呼ぶケースでは、一般的にセービングと同じくロック期間あり・なしの2種類のサービスが提供されています。例えば、Bybit(バイビット)が提供する積立ステーキングと定期ステーキングがその一例です。
海外取引所のBitget(ビットゲット)のセービングと、Bybit(バイビット)のステーキングの利率を比べてみましょう。また、両取引所が提供するPoSブロックチェーンのステーキングサービスも比較します。
ここでは、比較対象のサービスで取り扱いのあるイーサリアム(ETH)の利率を比較します(2024年4月16日時点)。
取引所 | セービング(*1) | ステーキング(*2) |
---|---|---|
Bitget |
フレキシブルセービング:0.40%〜4.00%
固定セービング:1.50%〜2.00%
|
ETH2.0ステーキング:4.00% |
Bybit |
積立ステーキング:0.50%〜3.00%
定期ステーキング:1.50%〜1.80%
|
ETH2.0流動性ステーキング:4.64% |
セービング(*1)
Bitget |
フレキシブルセービング:0.40%〜4.00%
固定セービング:1.50%〜2.00%
|
Bybit |
積立ステーキング:0.50%〜3.00%
定期ステーキング:1.50%〜1.80%
|
ステーキング(*2)
Bitget | ETH2.0ステーキング:4.00% |
Bybit | ETH2.0流動性ステーキング:4.64% |
(*1)Bybitの積立ステーキング、定期ステーキングはセービングと同種類のサービスのため、セービングに分類
(*2)BybitのETH2.0流動性ステーキングは、Lidoのリキッドステーキングを利用したステーキングサービス
預け入れ期間などの条件が異なるため単純な比較はできないものの、Bitgetのセービングの方が、Bybitのステーキングよりも若干高い利回りを提供しています。一方、PoSブロックチェーンのステーキングサービスに関しては、BybitでETHを預ける方が高い利回りを得られます。
しかし、銘柄によって利回りや預け入れ期間は異なるため、詳細は各自でご確認ください。
PCサイトでBitget(ビットゲット)のセービングを始める方法を紹介します。
Bitgetの公式ページにアクセスします。
「Bitget Earn」にカーソルを合わせ、表示される「セービング」をクリックします。
まず、預けたい銘柄を見つけます。銘柄が見つからないときは、画面右側にある検索窓を使ってみてもよいでしょう。
ここではBNB(バイナンスコイン)をセービングする想定で進めます。BNBの欄にある「今すぐ申し込む」をクリックします。
また、自動申込を有効にすると、複利での運用が可能となります。効率的に運用したい方は、自動申込を有効にしておいてもよいでしょう。(*1)
(*1)有効化された状態の場合、現物口座内の利用可能なトークン残高が、毎日自動で預けられます。
「申込金額」欄にセービングしたい金額を入力し、利用規約に同意(チェック)の上、「確認」をクリックします。
以下の画面が表示されたら、セービングの手続きは完了です。
PCサイトでBybitステーキングを始める方法を紹介します。
Bybit(バイビット)の公式ページにアクセスします。
「ファイナンス」の中の「資産運用」にカーソルを合わせ、表示される「Bybitステーキング」をクリックします。
Bybitステーキング画面でスクロールして「積立」もしくは「定期」を選びます。ここでは積立ステーキングを行う場合を想定して「積立」をクリックします。
ステーキングしたい通貨の「ステーキングする」ボタンをクリックします。今回はBTCを例にしますが、どの仮想通貨(暗号資産)でも同じ操作です。
「金額」欄にステーキングしたい金額を入力し、サービス規約に同意(チェック)の上、「ステーキングする」を押せば購入が完了します。
セービングやステーキングは、仮想通貨を預け入れて報酬を獲得できるという点では、大きな違いはありません。しかし、セービングは一般的にレンディングサービスを意味する一方、ステーキングはPoSステーキングを指すこともあれば、レンディングサービスを指すこともあります。
セービングやステーキングで対応している銘柄や利率、ロック期間などの個別条件は取引所などによって異なります。利用する際は、自分の運用の目的に合ったサービスを選ぶようにしましょう。
作成日
:2024.04.25
最終更新
:2024.06.08
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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