作成日
:2023.11.20
2024.07.15 07:49
メタマスク(MetaMask)は仮想通貨(暗号資産)ウォレットの一種で、世界中で多くのユーザーに利用されています。
その一方、メタマスクの偽サイトがGoogleの検索結果に表示されており、ユーザーのウォレットから資産を盗み取ろうとしているのも事実です。
当記事では、メタマスクの偽サイトの見分け方やその他の詐欺手法、そして詐欺被害にあわないための対策について解説します。
詐欺師はユーザーをメタマスク(MetaMask)の偽サイトに誘導するために、さまざまな方法を使います。
その中で、おそらく最も見かける機会が多いのは、Googleのリスティング広告に表示される偽サイトでしょう。Google ChromeやSafariなどのブラウザで「メタマスク」と検索すると、以下のような画面が表示されます。
一番上の検索結果が、メタマスクの偽サイトです。
Googleにはリスティング広告という仕組みがあり、企業は広告費を払って自社のウェブサイトなどを検索結果の最上位に表示します。詐欺師は最も目立つ場所に偽サイトを掲載してユーザーを誘導し、仮想通貨を盗みます。
メタマスク(MetaMask)のサイトには、本物と偽物を見分けるポイントがいくつかあります。以下の3点に注意すれば、偽サイトを開いてしまうリスクを抑えられるでしょう。
偽サイトへの誘導手段として最も多いのが、リスティング広告です。リスティング広告には、以下の画像のように必ず「スポンサー」の文字が付きます。
本物のメタマスクが、リスティング広告を使用するとは考えづらいです。「スポンサー」の文字がついていた場合、むやみに開かないようにしましょう。
メタマスクのサイトのURLを確認する方法でも、本物と偽物を見分けられます。本物のメタマスクのサイトのURLは「https://metamask.io/」です。
特に注目すべきはURLの末尾で、「.io」で終わっています。
日本では「.jp」や「.com」で終わるURLを多く見かけるため、「.io」は偽物に見えるかもしれません。しかし、OpenSeaをはじめ、仮想通貨(暗号資産)やNFT関連サービスでは、「.io」を用いる例がよくあります。
本物のURLは「https://metamask.io/」のみですので、注意してください。
仮に偽サイトのURLを開いてしまった場合も、見分けるポイントがあります。サイト内のダウンロードボタンです。
本物は以下の画像の通り、画面右上に「Download」というボタンが表示されます。すでにメタマスクをダウンロード済みの場合でも「Download」と表示されます。
一方、偽サイトでは「Connect to Wallet」と表示される例が珍しくありません。メタマスクをまだ作っていなくても「Connect to Wallet」と表示されます。
詐欺師がユーザーから資金を盗む手口は、「メタマスクを偽サイトに接続させてウォレット内の資金を抜き取る」というものです。このため、Connect to Wallet(ウォレットを接続せよ)と促しているのだと考えられます。
誤って偽サイトを開いてしまった場合も、実際にメタマスクを接続しなければ、資金を盗まれる危険性はほとんどありません。
落ち着いて、ダウンロードボタン部分に書かれている表示を確認してください。
偽サイトが表示されないようにすることで、詐欺にあうリスクをさらに減らせます。
偽サイトを避ける工夫の1つが、Braveブラウザの利用です。Braveはweb3時代のブラウザと呼ばれ、広告のブロック機能やプライバシー保護機能を強みとしています。リスティング広告を一切表示しないようにもできます。
以下の画像は、実際にBraveを使って「メタマスク」を検索した結果です。
Google Chromeでの検索結果と違い、一番上にあるはずのリスティング広告が表示されていません。
メタマスクなど仮想通貨(暗号資産)関連のサービスを利用する場合、Braveを使うと詐欺にあうリスクを抑えられます。
もう1つは、拡張機能からメタマスクを開く方法です。メタマスクでウォレットを作ると、拡張機能と呼ばれる機能でメタマスクを立ち上げ可能で、メタマスクの公式サイトを経由する必要はありません。
Google ChromeやBraveを使っている場合、画面上部のURL入力欄の右側にある「拡張機能」のボタンを押せば、インストール済みの拡張機能の一覧を表示可能です。拡張機能のボタンからメタマスクを開くと、偽サイトが表示される機会を減らせます。
検索結果を使う方法のほかにも、さまざまな手口があります。
フィッシング詐欺とは、企業などを装った電子メールを使ってユーザーを偽のホームページに誘導し、クレジットカード番号や個人のアカウント情報などを盗む行為です。仮想通貨に限らず、インターネットでよく見られる詐欺手法として知られています。
昨今では、フィッシング詐欺でメタマスク内の資金を盗む事例が発生しています。
X(旧Twitter)やDiscordのDMも、詐欺行為の温床になっています。偽サイトに誘導しようとするDMの他、以下のような手口が見られます。
「あなたのウォレットが危険に晒されています。至急対応が必要なためリカバリーフレーズを送ってください」などと、危機感を煽るようなDMも散見されます。
心当たりがないDMは100%詐欺であるとみなして構いませんので、無視してください。
X(旧Twitter)でポストする際にも、注意が必要です。「メタマスク」や「MetaMask」の文字列を含むポストをすると、詐欺botによるリプライが返ってきます。
内容としては「メタマスクについてお困りのことがあればサポートします」というものが見られ、これらはすべて詐欺です。すべて無視しましょう。
また、リプライに記載されているURLは絶対に開かず、返信もしないようにしましょう。
こちらもXやDiscordで見られる詐欺の手口で、以下のような連絡がDMやリプライなどで届きます。
このように、ユーザー側にメリットがあるかのような偽の情報を送り付け、メタマスクを偽サイトに接続させたり、リカバリーフレーズを聞き出そうとします。こちらも、すべて無視しましょう。
OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスでマイページを見ると、見知らぬNFTをいつの間にか保有していることがあります。これは詐欺師が勝手に送り付けてきた詐欺NFTである可能性が高く、触ってはいけません。
これらのNFTをクリックした場合、偽サイトなどに誘導され、最終的にウォレットの中身をすべて抜き取られる可能性があります。
以下の対策を取ることで、多くの被害を防げます。
仮想通貨(暗号資産)やNFTを扱う際の最重要事項が、リカバリーフレーズを絶対に他人に教えないことです。
リカバリーフレーズは、いわば自分の金庫の「カギ」です。このカギを聞き出そうとする相手は100%詐欺師であるため、絶対に教えてはいけません。
OpenSeaやMagic EdenのようなNFTマーケットプレイス、あるいは他のweb3関係のサービスを装ってリカバリーフレーズの入力を求めてくる相手は、すべて無視してください。
メタマスク(MetaMask)に限らず、リカバリーフレーズを入力することがあるとすれば、それは「新しいデバイス(スマホやPC)に自分の元のウォレットの内容を復元するとき」のみです。
英語が苦手な人が被害に遭うケースとして、「英語の指示を読まずに処理を進めた結果、NFTを盗まれた」というものがあります。
かつてよく見られたのが、「SetApprovalforAll」というスマートコントラクトを悪用した詐欺です。
SetApprovalforAllとは、「ユーザーのウォレット内にあるすべてのNFTに対して、(詐欺師側が)自由に扱う許可を与える」という意味です。メタマスクを偽サイトに接続すると、上記のメッセージが英語で表示されることがあります。
ConfirmやVerifyなどのボタンを押して許可を与えると、詐欺師はユーザーのウォレット内のNFTを詐欺師自身のウォレットに勝手に送付可能になります。
仮想通貨やNFTを取り扱う際は、英語のメッセージを必ず読んで内容を理解してください。英語が苦手な方は、DeepLなど精度の高い翻訳ソフトを活用しましょう。
多くの場合、Google検索やDMなどから偽サイトに誘導されます。そこで、頻繁に利用する仮想通貨関連サイトは、すべてブックマークしましょう。
検索回数を減らすだけで、詐欺に遭う確率を減らせます。
仮想通貨(暗号資産)やNFTにまつわる詐欺の手口は、時代と共に新しいものが次々に誕生します。そして現状は「偽サイトに誘導してメタマスク(MetaMask)などのウォレットを接続させる」という手口が多数見られます。
まずは、偽サイトにアクセスしないための知識を身につけましょう。偽サイトにアクセスした場合も落ち着いて対処し、リカバリーフレーズの入力など、資金の盗難に直結する行為を絶対にしないように注意しましょう。
作成日
:2023.11.20
最終更新
:2024.07.15
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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