作成日
:2023.11.17
2023.11.17 14:09
2023年10月11日、大手海外取引所のBybit(バイビット)が「ボラティリティ投資」という新商品の提供を開始しました。ボラティリティ投資とは、相場のボラティリティを利用して利益を狙う投資商品です。
仕組みはバイナリーオプションに似ているものの、相場の変動幅を予測できればよく、相場の方向性は当てなくてもよい点が異なります。
この記事では、Bybitのボラティリティ投資の概要やメリット・デメリット、使い方などを解説します。
Bybit(バイビット)のボラティリティ投資は、今後の市場価格の変動幅を予想することで利益を狙える投資商品です。
価格の変動範囲を指定し、満期日時における決済価格が指定した変動範囲の外にあれば、利益を獲得できます。一方、決済価格が変動範囲内にある場合は利益は0となり投資額を失います。
つまりボラティリティ投資とは、相場の変動幅が大きければ大きいほど利益を狙いやすい投資商品なのです。
決済価格は、満期日時までの30分間における1秒ごとのデリバティブインデックス価格の平均を計算して決まります。満期時点の市場価格と異なるので、注意が必要です。
Bybitのボラティリティ投資は、バイナリーオプションの考え方を参考にしています。
ボラティリティ投資とバイナリーオプションの最大の違いは、ボラティリティ投資では相場の方向性を当てなくても良い点です。バイナリーオプションでは、満期日時において相場価格が基準価格の上下どちらに位置するかを当てなければなりません。
一方、ボラティリティ投資では相場の変動幅さえ予測できればよいので、相場の方向性は当てなくてもよいのです。経済指標発表時のような、相場価格は上下どちらに動くか分からないが急変動が発生しそう、という場合に適しています。
バイナリーオプションとは、一般的に、特定日時の為替レートが目標レートよりも「上にあるか、下にあるか」を予想します。予想が当たれば、ペイアウト(払い戻し金)を受け取れる一方、予想が外れると受け取れません。
以下のような相場状況の場合、Bybit(バイビット)のボラティリティ投資の結果はどのようになるのか見ていきましょう。
2023年10月28日17時時点で、相場価格が34,200USDT(34,000USDT + 200USDT)より高い、または33,800USDT(34,000USDT - 200USDT)より低い場合は、予測が的中です。当たった場合、払い戻し額は以下の計算式で算出されます。
払い戻し額 =
投資額 + レバレッジ × 投資額 × (決済価格 - 設定した上限価格) / 参入価格
例えば、決済価格が34,500USDTの場合、利益額は以下のように計算されます。
100USDT + 7 × 100USDT × (34,500USDT - 34,200USDT) / 34,000USDT =
約106USDT
上記の計算式からわかる通り、変動範囲から離れるほど利益が増えます。
Bybitのボラティリティ投資ではレバレッジを自由に設定できません。取引銘柄や設定する変動範囲によってレバレッジは自動的に指定されます。変動範囲を大きく設定するほど予測が当たる可能性が低くなるので、レバレッジが高く設定される傾向にあります。
2023年10月28日17時時点における相場価格が、33,800USDT(34,000USDT - 200USDT)~34,200USDT(34,000USDT + 200USDT)の範囲内にある場合は不成功です。この場合、投資額の100USDTを失います。
Bybit(バイビット)のボラティリティ投資には、以下のメリットがあります。
Bybitのボラティリティ投資は、変動範囲と投資額を指定すれば取引できます。Bybitの他の自動売買ボットよりも設定項目が少なく、初心者でも利用しやすいです。
また、銘柄別や設定別で投資プランが用意されており、プランの選択後に投資額を決めるだけで始められます。
画像引用:Bybit
Bybitのボラティリティ投資での損失額は投資金額に限られており、リスクがわかりやすい点もメリットとして挙げられます。
取引開始後は満期日時まで待つだけなので、適切にリスク管理することでストレスフリーな取引が可能です。
Bybit(バイビット)のボラティリティ投資には、以下のようなデメリットもあります。
Bybitのボラティリティ投資の仕組みは、とてもシンプルです。しかし、発注後に注文を変更できず、相場状況に合わせて細かく利益確定や損切りができない点がデメリットとして挙げられます。
予想を外すと投資額が全て失われるので、リスク管理をしっかりと行わなければなりません。
Bybitのボラティリティ投資で得られる利益は、決済価格が変動範囲から遠く離れるほど増えていきます。決済価格と変動範囲の差が小さい場合、たとえ取引が成功したとしても利益は少なくなってしまうのです。
ボラティリティ投資で得られる利益は、ボラティリティ投資画面に表示されるシミュレーターで確認できます。事前に投資額に対して得られるリターンを確認しておきましょう。
Bybit(バイビット)でボラティリティ投資を始める方法を、解説していきます。なお、ボラティリティ投資を始めるにはKYCレベル1以上が必要です。本人確認の手続きがまだ完了していない方は、以下の記事を参考にして書類の提出を済ませておきましょう。
KYCとは「Know Your Customer」の略称です。金融犯罪などのリスクを回避するために、金融機関は顧客に個人情報の提出を求めます。
以下のリンクより、Bybitへアクセスし、ログインします。
上部メニューの「ファイナンス」から「資産運用」を選択し、「ボラティリティ投資」をクリックします。
シミュレーターのメニューにて「投資額」と「変動範囲」を指定します。投資額は「10USDT」「100USDT」「300USDT」「500USDT」の4つから選択できます。また、指定できる変動範囲は銘柄ごとに異なります。例えばBTCの場合は「400USDT」、「800USDT」の指定が可能です。右横のグラフではシミュレーション結果が表示されているので、始める前に確認しておくとよいでしょう。
設定が完了したら、シミュレーターメニューのグラフ下にある「今すぐ購入」を選択します。
また、シミュレーションメニューの下には、Bybitのボラティリティ投資で購入できる全ての投資プランが表示されています。プラン横の「今すぐ購入」を押すことでも、手続きを進められます。
注文画面が表示されるので「今すぐ購入」をクリックします。満期日時など注文に関する詳細が記載されているので、確認しておきましょう。
注文確認画面にて「確認」をクリックします。
ボラティリティ投資は、発注すると注文の変更やキャンセルができません。満期日時前に決済することもできないので、注文確認画面で取引内容をしっかりと確認しておきましょう。
注文完了画面が表示されると完了です。注文完了画面の「注文を確認」をクリックすると、注文の詳細を確認できます。
また、アカウント画面の「ボラティリティ投資」メニューからも、注文の詳細を確認可能です。
Bybit(バイビット)のボラティリティ投資は仕組みが分かりやすく、ボラティリティが高いほど利益を狙いやすい投資商品です。そして、レンジ相場のようなボラティリティが低い相場には適していません。相場状況に合わせて投資商品を使い分けることが大切です。
例えば、レンジ相場に強いBybitの投資商品として、マーチンゲール戦略が組み込まれた「先物マーチンゲール取引ボット」があります。Bybitではさまざまな取引ボットを利用できるので、自身の取引スタイルに合ったものを選ぶと良いでしょう。
作成日
:2023.11.17
最終更新
:2023.11.17
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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