作成日
:2023.11.16
2024.05.26 06:08
フリマアプリのメルカリは、2023年3月9日より「ビットコイン取引サービス」を提供しています。これにより、ユーザーはメルカリアプリを使って、ビットコインを売買することが可能となっています。
このメルカリのビットコイン取引サービスを利用して、利益を出すことはできるのでしょうか。当記事では、メルカリのビットコイン取引サービスは儲かるのか?といったことや、他の取引所とのスプレッド比較、売買するタイミングの目安などを解説します。
メルカリは、子会社の株式会社メルコインを通じて、ビットコイン取引サービスを提供しています。2023年10月16日には、サービスの提供開始から7ヶ月間で、利用者数100万人を突破したことを発表しました。
画像引用:株式会社メルカリ
メルカリのビットコイン取引サービスでは、メルペイ残高やメルカリポイントと引き換えに、1円からビットコインを購入できます。購入したビットコインは、いつでも好きな時に売却して、メルペイ残高として利用することが可能です。また、2024年2月15日には、メルカリでの買い物をビットコインで決済できる機能が導入されました。
アプリ上で簡単にビットコインを売買できるという手軽さから、仮想通貨(暗号資産)の取引経験がない多くのユーザーを獲得しています。
仮想通貨業界でも注目を集めるメルカリのビットコイン取引サービスですが、利用して利益を出すことはできるのでしょうか。
当記事執筆現在(2024年2月20日)、メルカリアプリでは、ビットコインの購入・売却といった基本的な機能しか提供していません。他の取引所のように、ステーキングをはじめとした資産運用サービスなどはないため、単純な売買でしか利益を出す手段はないといえるでしょう。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
ビットコインの価格は常に一定ではなく、上がったり下がったりしています。ビットコインの価格が購入したときの価格を上回れば、その差額が儲けとなります。
価格変動を正確に予測するのは困難ですが、メルカリのアプリ上でビットコインを安く買って高く売れば、儲けることは可能です。
メルカリでは、販売所形式でビットコインを売買します。販売所とは、ユーザー同士ではなく、ユーザー対メルカリの関係でビットコインを売買する取引形式です。
国内の仮想通貨(暗号資産)取引所では、「取引所」と「販売所」という2つの取引方法を提供していることが多いです。「取引所」はユーザー同士で売買を行う取引形式であり、安価な手数料で売買できます。一方「販売所」は取引所よりも操作が簡単であるものの、スプレッドと呼ばれる売買時の価格差が大きく、取引コストが高くなる傾向があります。
メルカリでのビットコイン取引手数料は無料です。しかし、スプレッドと呼ばれる売値と買値の差額が発生し、これが実質的な手数料として機能します。
以下は、メルカリと主要な国内取引所における、ビットコイン売買時のスプレッドおよび取引手数料を比較した表です(2023年11月14日現在)。
仮想通貨取引所 |
スプレッド
(販売所)(*1)
|
取引手数料
(取引所)
|
---|---|---|
メルカリ | 約1.0% | - |
Coincheck | 約3.0% | 0% |
GMOコイン | 約2.5% |
・メイカー:-0.01%
・テイカー:0.05%
|
DMM Bitcoin | 約2.0% | - |
bitbank | 約2.5% |
・メイカー:-0.02%
・テイカー:0.12%
|
スプレッド(販売所)(*1)
メルカリ | 約1.0% |
Coincheck | 約3.0% |
GMOコイン | 約2.5% |
DMM Bitcoin | 約2.0% |
bitbank | 約2.5% |
取引手数料(取引所)
メルカリ | - |
Coincheck | 0% |
GMOコイン |
・メイカー:-0.01%
・テイカー:0.05%
|
DMM Bitcoin | - |
bitbank |
・メイカー:-0.02%
・テイカー:0.12%
|
(*1)2023年11月14日時点でのスプレッドを%で表記しています。
上記の通り、他の取引所と比べて、メルカリのスプレッドは比較的狭いといえるでしょう。特に、Coincheck(コインチェック)と比べると3倍ほどの差があります。販売所での売買という観点では、メルカリは取引コストを抑えられ、利益を出しやすいといえます。
しかし、他の国内取引所では、販売所だけでなく取引所形式でもビットコインを売買できます。取引所では、安価な手数料で売買でき、スプレッドも発生しません。中には、メイカーになることで、反対に手数料をもらえる取引所も存在します。そのため、取引所形式の売買と比べると、メルカリの方がコスト面の負担が大きく、利益を出しにくいといえるでしょう。
取引が成立するには、2つの注文がマッチする必要があります。例えば、BTCを買う注文と売る注文の2つが特定の価格で揃うことで取引成立となります。
マッチした2つの注文はもともと出されていた注文(メイカー)と、メイカーを使って取引を成立させた注文(テイカー)に分けられます。メイカーが流動性を提供することにより約定しやすい環境になるため、メイカー手数料は優遇されます。
ただ、少額での取引であれば、取引コストにそこまで大きな差はないと考えられます。まずはメルカリでビットコインの取引に慣れ、その後に取引所形式の売買に移行する流れでもよいかもしれません。
メルカリでビットコインを買う場合、具体的にいつ買えばよいのか気になる方も多いでしょう。あくまで目安ではありますが、買うタイミングとしては、以下などが挙げられます。
半減期とは、マイニングで得られるビットコインの数量が継続的に半分になるイベントです。約4年に1回の頻度で採掘量が半分になります。つまり、ビットコインの供給が減り、相対的な需要が高まります。
マイニングとは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)型のブロックチェーンの維持に貢献して、報酬として仮想通貨を得ることを指します。PoS(プルーフ・オブ・ステーク)型のブロックチェーンの場合はステーキングと呼ばれます。
ビットコインの価格は、半減期の翌年に大きく上昇する傾向があります。過去の半減期では、いずれも強気相場が到来して、大幅に価格が高騰しました。2020年に迎えた半減期の翌年、ビットコインは史上最高値を更新し、約750万円まで価格上昇しています。
画像引用:CoinMarketCap
そのため、半減期の前は、ビットコインを買うタイミングとして適していると考えられます。次回の半減期は、2024年4月あたりに到来すると予想されています。
投資の世界には、「Buy the Dip」という言葉があります。日本語では「下値で拾う」と訳せます。
ビットコイン価格が長期的に上昇すると考えるのであれば、短期的な要因で暴落した際には、購入するタイミングとなります。長期的に保有する前提だと、結果的に割安でビットコインを買える可能性があります。
ビットコイン価格は、日々のニュースなどの材料に反応して変動します。ポジティブな材料があれば、ビットコイン価格は上昇する可能性があります。
例えば、日本時間の2024年1月11日、米国で初となるビットコイン現物ETFの上場が承認されました。ビットコイン現物ETFが承認される前には、その期待の高まりにより、ビットコイン価格は大きな上昇を見せました。
ETFはExchange Traded Fundの略称で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。その名の通り、投資信託のように投資を行うことができるだけでなく、上場された株式のように市場でいつでも取引できるという性質を持ち合わせています。手数料が安いものが多いのも特徴的で、投資信託と現物投資のいいとこ取りのような商品になっています。
このようなポジティブな材料がある時は、一般的にビットコインの買いのタイミングだといえるかもしれません。
ビットコインを買うタイミングを判断するのが難しい場合、ドルコスト平均法で積み立てる方法もあります。ドルコスト平均法とは、一定の間隔で一定の金額ずつ、指定した銘柄を購入する投資手法のことです。
例えば、ビットコインを毎月1万円購入する場合、価格が高いときには少ない量を、価格が低いときには多くの量を買い付けることになります。つまり、取得単価を平準化できるため、いわゆる高値掴みを避けることができます。
ビットコインの購入タイミングを判断できない場合は、ドルコスト平均法でコツコツ積み立てるのもよいでしょう。
ビットコインを売るタイミングの目安として、以下が挙げられるかもしれません。
ビットコインを売るタイミングの目安として、半減期の翌年が挙げられるでしょう。
過去のビットコイン価格は、半減期の翌年にピークを迎えています。以下の3つの画像は、2012年、2016年、2020年の半減期あたりのチャートです。いずれも半減期の翌年にピークをつけた後、大きく価格下落していることがわかります。
画像引用:CoinMarketCap
画像引用:CoinMarketCap
画像引用:CoinMarketCap
上記のように、ビットコインの価格は、半減期をもとに4年サイクルで推移する傾向があります。ビットコインをピークの価格で売り抜けたい場合、半減期の翌年まで保有するのが得策かもしれません。
税制が改正された後、ビットコインを売却するのもひとつの選択肢です。日本の税制では、仮想通貨取引から得た利益に最大45%の所得税がかかります。加えて、住民税は一律10%であるため、税率は最大55%になります。
また、仮想通貨取引の利益は雑所得に分類され、特別控除がない、赤字の繰越ができない、株式等と損益通算できないという特徴を持っています。
雑所得とは事業所得や給与所得などに該当しない所得を指し、仮想通貨取引による収入や公的年金などが該当します。
自民党デジタル社会推進本部の「web3政策に関する緊急提言」の中で、仮想通貨の税制を「20%の税率による申告分離課税」にするよう求めています。この要望は2023年度のものですが、2024年度以降も引き続き議論される見通しです。
メルカリのビットコイン取引サービスの特徴としては、次のようなものが挙げられます。
メルカリのビットコイン取引サービスは、簡単にビットコインを売買できるのが特徴です。メルカリアプリさえあれば、誰でも手軽に取引ができます。
機能面もビットコインの売買だけに限定されており、初心者にもわかりやすい仕様となっています。メルカリユーザーの約80%が仮想通貨(暗号資産)取引歴「なし」と回答しており、初心者にその手軽さが好感されていると考えられます。
画像引用:株式会社メルカリ
メルカリのビットコイン取引サービスでは、フリマでの売上金でビットコインを購入できます。また、友達紹介やキャンペーンなどでもらえるメルカリポイントを使って、ビットコインを買うことも可能です。
わざわざ購入資金を入金する必要がないので、ビットコインを買うまでのハードルが低いといえるでしょう。
購入したビットコインはいつでも売却できます。売却するとメルペイ残高に反映することができ、メルカリでの買い物や対応店舗で利用したり、日本円として出金したりできます。また、メルカリで買い物をする際、保有しているビットコインで決済することも可能です。
メルカリでは、ビットコインの入出庫に対応していません。メルカリにあるビットコインを外部ウォレットに送金したり、取引所などからメルカリにビットコインを送金することは不可能です。
もしビットコインを出金する場合は、一度ビットコインを売ってメルペイ残高に反映し、銀行振込で出金するという流れになります。ただし、ビットコインを売却した時点で利益が発生していれば、課税対象になる可能性があるため注意が必要です。
ビットコインを購入し、保有しているだけであれば、税金は発生しません。しかし、個人の方が仮想通貨(暗号資産)の取引などで年間20万円を超える所得が発生した場合、確定申告が必要になります。
なお、所得が発生するケースは、仮想通貨の売買だけに限りません。ビットコインを使ってメルカリで買い物をした場合も、保有しているビットコインに利益が出ていれば、利益確定となり所得が発生します。
1月1日から12月31日までの1年間の損益から所得を計算し、原則、雑所得として申告しなければいけません。
また、仮想通貨取引などで得た所得が20万円以下であっても、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を行う場合は、申告が必要となります。
年間の利益がいくらあるかは、メルカリが提供する取引履歴を参照して確認できます。なお、利益を計算する際には、売却時に支払った手数料など、必要な支出については必要経費として控除することが可能です。
メルカリでは、簡単にビットコインの売買を始められる環境を提供しています。フリマでの売上金や、友達紹介などでもらえるメルカリポイントでもビットコインを取引できます。購入までのハードルが低いので、気になる方はメルカリでビットコインの取引を始めてみてもよいかもしれません。
作成日
:2023.11.16
最終更新
:2024.05.26
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
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