作成日
:2023.04.17
2023.08.28 09:06
2023年3月9日、フリマアプリで有名なメルカリがビットコイン取引サービスを開始しました。サービス開始から約2週間で利用者数が10万人を突破するなど、大きな盛り上がりを見せています。
手数料は無料で、メルカリのアプリで簡単にビットコインを売買できるため、仮想通貨(暗号資産)の取引経験がないユーザーに利用されているようです。しかし、アプリからビットコインを出金できず、一部の利用者からはユーザーの囲い込みでは?といったネガティブな意見も寄せられています。
本記事では、メルカリが提供するビットコイン取引サービスの仕組みやTwitter(ツイッター)での評判、手数料・スプレッドなどを解説します。
大手フリマアプリのメルカリがビットコインの取引サービスを開始し、仮想通貨(暗号資産)業界でも大きな話題となっています。
メルカリのビットコイン取引サービスは、子会社の株式会社メルコインが提供しています。メルコインは、仮想通貨やブロックチェーン関連事業の企画・開発を行う企業であり、2021年4月に設立されました。
また、アプリ上でのビットコイン売買機能を提供するにあたり、2022年6月に暗号資産交換業者として金融庁への登録も完了しています。
メルカリのビットコイン取引サービスは、提供開始からわずか2週間ほどで利用者数10万人を突破しています。
画像引用:株式会社メルコイン
公式プレスリリースによると、メルカリで口座開設したユーザーのうち、77%が「仮想通貨取引経験がない」と回答しているとのことです。
利用者が急拡大している背景には、メルカリのユーザー数がそもそも多いことや、手軽に購入できる機能性が好感されていると考えられます。
また、サービス開始から2ヶ月後の2023年5月には、利用者数30万人を突破しています。2023年6月からはCMも放送しており、今後もこの勢いが続くのか注目です。
メルカリのビットコイン取引サービスについて確認しましょう。
メルカリアプリでは、フリマの売上金でビットコインを購入できます。また、キャンペーンなどでもらえるポイントを使って購入できます。
フリマの売上金を使用でき、購入資金を改めて入金する必要がないので楽です。また、最低購入金額も1円に設定されており、初心者でも安心して利用できます。
売買の仕組みとしては、ユーザー対メルカリの関係でビットコインの取引をします。これは、多くの国内取引所で採用されている「販売所」と同じです。
国内の仮想通貨(暗号資産)取引所では、「取引所」と「販売所」という2つの取引方法を提供していることが多いです。「取引所」はユーザー同士で売買を行う取引形式であり、安価な手数料で売買できます。一方「販売所」は取引所よりも操作が簡単であるものの、スプレッドと呼ばれる売買時の価格差が大きく、取引コストが高くなる傾向があります。
メルカリで購入したビットコインは、いつでもアプリ上で売却できます。売却すると、自動的にメルペイ残高に反映されます。
メルペイ残高は、アプリ内のフリマやメルペイ対応店舗で利用可能です。また、ビットコインを日本円に戻したい場合、メルペイ残高に交換してから銀行振込します。
なお、アプリ内のビットコインは、他の取引所や外部のウォレットに送金できません。
続いて、メルカリのビットコイン売買時に発生する手数料やスプレッドを確認していきましょう。
ビットコインの取引手数料は無料です。ただし、売買時にはスプレッドが発生します。
スプレッドは取引手数料とは区別されていますが、実質的には手数料として機能するため、スプレッドも合わせて確認すべきでしょう。
スプレッドとは、仮想通貨やFXなどの金融商品の取引において、ある銘柄を買うときの価格と売るときの価格の「差」のことです。例えばBTC/JPYの買値が3,050,000円、売値が3,000,000円の場合、その差の50,000円(約1.7%)がスプレッドです。
ユーザーにとって、スプレッドは小さいほうが有利です。取引は、このスプレッド分だけ収支がマイナスの状態からスタートすることになるためです。
メルカリのスプレッドは変動制で、固定ではありません。2023年4月13日時点での数値を参考にして、他社のスプレッドと比較します。
仮想通貨取引所 | スプレッド(%表記) |
---|---|
メルカリ | 約1.0% |
Coincheck | 約3.0% |
GMOコイン | 約2.5% |
DMM Bitcoin | 約1.1% |
bitbank | 約2.5% |
(*1)2023年4月13日時点で計算
上記の表は、主要国内取引所のスプレッドを比較したものです。スプレッドは取引所が独自に設定しており、各社で大きく異なります。比較すると、メルカリのスプレッドは比較的狭いといえます。特に、Coincheckと比べると3倍ほどの差があります。
メルカリは他社と比べて良心的なサービスだといえそうです。
メルカリのビットコイン機能について、Twitter(ツイッター)では様々な意見が投稿されています。ここでは、多くのユーザーが投稿していた、以下の評判や反応を紹介します。
簡単にビットコインを購入できて便利という口コミが多数投稿されています。実際、メルカリアプリでは複雑な機能をなくし、ビットコインの売買というシンプルなサービスのみを提供しています。
メルカリは、仮想通貨(暗号資産)初心者を主なユーザーとしているので、簡単さと使いやすさを意識しているのでしょう。また、本人確認済のユーザーであれば最短30秒でサービスに登録ができる点も、ユーザーから評価されていると考えられます。
キャンペーンなどでもらえる無料のポイントでビットコインを購入できる点も、ユーザーから高評価を得ているようです。中には、「有効期限のあるポイントで購入できるのが嬉しい」といった投稿をするユーザーも確認できました。
獲得した期間限定ポイントをビットコインに交換すれば、日本円に現金化することも可能です。
メルカリが短期間で多くのユーザーを獲得したことに対する驚きの声も投稿されています。特に、仮想通貨の知識が深いユーザーや、Web3.0関連プロジェクトに関わっている人物から、そういった反応が多く見られました。
今回のメルカリの躍進については、業界でも驚きを持って受け止められているといえるでしょう。
ポジティブな反応が多いメルカリのビットコインサービスですが、ネガティブな意見もいくつか投稿されています。特に、ビットコインの売買時に発生するスプレッドが広いという意見が多く見られました。
中には「ビットコインの購入直後、なぜ金額が減っているのかわからない」といったように、スプレッドを理解できていないユーザーも確認できます。メルカリでビットコインを購入している約8割のユーザーは仮想通貨経験がないため、今後何かしらのトラブルが発生する可能性も考えられるでしょう。
メルカリに対して、ユーザーを囲い込んでいるという批判の声も見られました。
メルカリで購入したビットコインは、外部のウォレットや取引所に送金できません。メルカリアプリ内でしか管理できないため、ユーザーの囲い込みだと批判の声が上がっています。
2023年6月1日より、メルカリでは最大2,000円分のビットコイン(もしくはメルカリポイント)がもらえるキャンペーンが実施されています。本キャンペーンは、いわゆる「紹介キャンペーン」です。友達や家族などからメルカリに新規招待してもらうことで、双方に最大2,000円分のビットコインが付与されます。
なお、キャンペーン期間は2023年6月1日から2023年7月8日までとなっています。
画像引用:株式会社メルコイン
紹介された人がメルカリに新規登録すると500円分、さらにビットコイン取引サービスの利用申込をすると1,500円分のビットコインが、紹介した人・紹介された人の両方に付与されます。
また、すでにメルカリに登録していても、ビットコイン取引サービスを新規利用することで、紹介した人は200円分、紹介された人は600円分のビットコインがもらえます。
ただし、キャンペーンを適用するためには、紹介してもらう人から「専用URL」もしくは「招待コード」をもらう必要があります。通常の登録方法では、キャンペーンは適用されないので注意しましょう。
簡単にビットコインを取引できるメルカリアプリですが、いくつかデメリットもあります。
メルカリアプリのデメリットとして、ビットコインの入出庫ができないことが挙げられます。例えば、外部のウォレットや取引所などで保有しているビットコインをメルカリに送金できません。
出金に関しても同様であり、購入したビットコインを別の取引所に送金できません。もしビットコインを出金したい場合は、一度メルペイ残高に反映し、銀行振込で出金するという流れになります。
また、ビットコインをメルペイ残高に反映した時点で利益が発生していれば、課税の対象となります。
メルカリアプリでは、ビットコインのみ取り扱っています。イーサリアムなどアルトコインの売買はできません。ただし、今後はビットコイン以外の銘柄も増やす計画を立てているようです。
メルカリのビットコイン取引サービスは、スマホアプリでのみ提供しています。パソコンはもちろん、スマホのブラウザからも利用できないので、必ずアプリから使うようにしましょう。
デメリットとして、ユーザーの利用制限が挙げられます。具体的には、サービスの登録時に以下の3つを満たす必要があります。
年齢制限に関しては、取引所ごとに対応が異なります。しかし、18歳から口座開設ができたり、75歳以上でも口座開設を受け付けている取引所はあります。他社と比較すると、メルカリは年齢制限の基準が少し厳しいといえるでしょう。
次に、以下のメリットを確認していきましょう。
メルカリを利用するメリットは、とにかく手軽にビットコインを売買できることです。メルカリアプリでは、機能をビットコインの売買に限定しており、分かりやすさを売りにしています。
アプリ上の機能は、簡単なチャートや取引履歴の表示くらいです。必要最低限の機能に絞っているので、初心者でも簡単に利用できるでしょう。
メルカリではフリマの売上金でビットコインを購入できます。わざわざ購入資金を入金する必要がないので、ハードルがとても低いです。
不用品を売ったお金とビットコインを交換できる機能は、メルカリだからできる新しい体験だといえます。
メルカリアプリやビットコイン取引サービスへの登録方法や、ビットコインの購入・売却の手順を解説します。また、ビットコインの売却後、メルペイ残高に戻す方法も紹介します。
画像引用:メルカリ公式サイト
メルカリでビットコインを取引するためには、まずアプリの登録が必要です。以下の手順に沿って、メルカリアプリ会員に登録してください。
上記の手順で、メルカリアプリの登録は完了です。本人確認手続きや生体認証を行っておくと、スムーズにビットコイン取引を開始できます。
また、「ビットコインがもらえるキャンペーン」を適用したい方は、AppStoreなどではなく、必ず専用URLから登録するようにしましょう。
まず、ビットコイン取引サービスに登録します。メルカリのアプリを起動して、以下の手順に沿って手続きします。
画面に沿って手続きを進めれば、登録は簡単です。すでに本人確認などを行っている人なら、1分程度で登録できるでしょう。
メルカリでビットコインを購入する方法を解説します。
ビットコインの取引画面に移動し、「買う」ボタンをタップします。
購入する金額を入力して「購入額の確認へ」をタップします。
注文内容が表示されるので、問題なければ「この内容で購入する」をタップしてください。
購入が完了すると、画面上に現在の運用額が表示されます。
次に、メルカリでビットコインを売却する方法を紹介します。
ビットコインの取引画面で「売る」ボタンをタップします。
売却したい金額を入力して「売却額の確認へ」をタップしてください。
注文内容が表示されるので、内容を確認して「この内容で売却する」をタップします。
売却が完了すると、画面上の運用額が更新されます。
ビットコインを売却して得た日本円を買い物などに使うためには、一度メルペイ残高に戻す必要があります。ここでは、その手順を解説します。
ビットコインの取引画面で「設定」をタップします。
「メルペイ残高へ移す」をタップしてください。
メルペイ残高へ移したい金額を入力し、「お金を移す」をタップします。
無事にメルペイ残高の移動ができれば、マイページ上で反映されます。
メルカリのビットコイン取引サービスは、その手軽さから多くのユーザーを獲得しています。また、その多くがビットコイン取引の経験がないユーザーであり、国内の仮想通貨(暗号資産)ユーザーの裾野を広げているといえるでしょう。
今後はビットコイン以外の銘柄も取り扱う計画をしており、新たなユーザーを獲得できる余地は残っています。これからメルカリが日本の仮想通貨業界へどのような影響を与えるのか、ウォッチしていく必要がありそうです。
作成日
:2023.04.17
最終更新
:2023.08.28
FXや株などをメインに取引し、2020年より仮想通貨投資を開始。自身が情報を得づらかった経験から、仮想通貨初心者でも分かりやすい解説を心掛ける。草コインへの投資やステーキングなどをメインに運用。
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