作成日
:2023.04.17
2024.04.23 15:32
2023年3月9日、フリマアプリで有名なメルカリがビットコイン取引サービスを開始しました。2024年2月15日には、メルカリのフリマにてビットコイン決済ができる機能が発表されるなど、さらなる盛り上がりを見せています。
手数料は無料で、メルカリのアプリで簡単にビットコインを売買できるため、仮想通貨(暗号資産)の取引経験がないユーザーに利用されているようです。しかし、アプリからビットコインを出金できず、一部の利用者からは「ユーザーの囲い込みでは?」といったネガティブな意見も寄せられています。
本記事では、メルカリが提供するビットコイン取引サービスの仕組みやX(旧Twitter)での評判、手数料・スプレッドなどを解説します。また、メルカリでビットコインを売買する方法も紹介します。
メルカリのビットコイン取引サービスは、子会社の株式会社メルコインが提供しています。メルコインは、仮想通貨やブロックチェーン関連事業の企画・開発を行う企業であり、2021年4月に設立されました。
画像引用:メルコイン
アプリ上でのビットコイン売買機能を提供するにあたり、2022年6月に暗号資産交換業者として金融庁への登録も完了しています。
メルカリのビットコイン取引サービスは、アプリ上で手軽にビットコインを売買できる機能です。フリマでの売上金やポイントを使ってビットコインを購入したり、購入したビットコインを手軽に売却したりできます。
また、フリマで買い物をする際、ビットコインで決済できる機能も導入されています。その他、購入したビットコインを売却してメルペイ残高に戻せば、日本円として出金することも可能です。
2023年10月16日、メルカリは、ビットコイン取引サービスの提供開始から7ヶ月間で、利用者数100万人を突破したことを発表しました。
画像引用:株式会社メルカリ
メルカリのビットコイン取引サービスは、開始から順調に利用者を拡大してきました。サービス開始から、わずか2週間で利用者10万人、3か月強で50万人、約7か月で100万人を突破しています。
短期間で多くの利用者を獲得できた理由として、アプリ上で簡単にビットコインを売買できるという手軽さが考えられます。また、もともとメルカリが持っているユーザー規模が大きかったことも挙げられるでしょう。
一般社団法人日本暗号資産取引業協会によると、2023年8月時点の国内の仮想通貨利用者口座数は約760万口座となっています。この数字を見ても、メルカリが一定のシェアを獲得していることがわかります。
また、メルカリによると、ビットコイン取引サービスの利用者の約80%が、仮想通貨取引歴「なし」と回答しているようです。メルカリは、日本での仮想通貨の普及に大きく貢献しているといえます。
画像引用:株式会社メルカリ
ビットコイン取引サービスは、メルカリグループが提供するクレジットカード「メルカード」とあわせて、2023年度グッドデザイン賞を受賞しています。
画像引用:株式会社メルカリ
グッドデザイン賞とは、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。1957年に創設され、これまで50,000件以上の製品が受賞しています。特徴的な「Gマーク」をシンボルとして、 デザインによって暮らしや社会を良くしていくための活動を行っています。
今回の受賞理由として、公式のプレスリリースでは以下のように記載されています。
日本最大のフリマアプリとそれを通した決済事業を営む同社による、既存のサービスとほとんど変わらない操作感で誰でも暗号資産取引を始めることを可能にしているサービスデザインと、「価値の循環」という会社のパーパスを新しい領域にも果敢に適用していく姿勢が評価された。
PRTIMES - より引用
誰でも簡単にビットコインを取引できるユーザビリティの良さや、アプリ内でシームレスに資金が循環できる仕様が評価され、今回の受賞に至ったと考えられます。
今回の受賞を受け、メルカリは今後さらにユーザーが使いやすいプロダクトを設計していく展望を表明しています。
2024年2月15日、メルカリはビットコイン決済機能の導入を発表しました。この機能の導入により、ユーザーはメルカリで購入したビットコインを使い、フリマで買い物ができるようになりました。
画像引用:株式会社メルカリ
従来はフリマなどで買い物をする際、購入したビットコインを一度売却し、メルペイ残高に戻す必要がありました。しかし、今回の機能実装により、保有しているビットコインをそのまま使い、フリマで買い物ができます。
メルカリによると、ビットコイン取引サービスを使っているユーザーの約5割が、ビットコイン売却後のメルペイ残高を使い、再び買い物をしているとのことです。このようなユーザーのニーズに応えるため、ビットコインでの決済機能が導入されたと考えられます。
また、今回の新機能を通して、ビットコインを「持つ」だけでなく「使う」ことで、より身近なものとして感じてもらうための意図もあるようです。
メルカリが提供するビットコイン取引サービスは、以下のような機能があります。それぞれ詳しく解説します。
メルカリアプリでは、フリマの売上金でビットコインを購入できます。また、キャンペーンなどでもらえるポイントを使って購入できます。
フリマの売上金を使用でき、購入資金を改めて入金する必要がないので楽です。また、最低購入金額も1円に設定されており、初心者でも安心して利用できます。
売買の仕組みとしては、ユーザー対メルカリの関係でビットコインの取引をします。これは、多くの国内取引所で採用されている「販売所」と同じです。
国内の仮想通貨(暗号資産)取引所では、「取引所」と「販売所」という2つの取引方法を提供していることが多いです。「取引所」はユーザー同士で売買を行う取引形式であり、安価な手数料で売買できます。一方「販売所」は取引所よりも操作が簡単であるものの、スプレッドと呼ばれる売買時の価格差が大きく、取引コストが高くなる傾向があります。
メルカリで購入したビットコインは、いつでもアプリ上で売却できます。ビットコインを売って得たお金は、メルペイ残高に戻すことも可能です。
メルペイ残高は、アプリ内のフリマでの買い物や、メルペイ対応店舗で利用可能です。また、購入したビットコインを日本円に戻したい場合、一度メルペイ残高に交換してから銀行振込します。
なお、アプリ内のビットコインは、他の取引所や外部のウォレットに送金できません。
メルカリで購入したビットコインを使い、フリマで買い物することもできます。これまでフリマで買い物をする場合、一度ビットコインを売ってメルペイ残高に戻す必要がありました。
しかし、2024年2月15日に発表されたビットコイン決済機能により、持っているビットコインをそのまま使用して、買い物ができるようになっています。
メルカリでのビットコイン売買時に発生する手数料やスプレッドについて解説します。
ビットコインの取引手数料は無料です。その他、サービスの利用登録や、メルペイ残高からチャージする際などにも手数料は発生しません。
ただし、売買時にはスプレッドが発生します。スプレッドは取引手数料とは区別されていますが、実質的には手数料として機能するため、スプレッドも合わせて確認すべきでしょう。
スプレッドとは、仮想通貨やFXなどの金融商品の取引において、ある銘柄を買うときの価格と売るときの価格の「差」のことです。例えばBTC/JPYの買値が3,050,000円、売値が3,000,000円の場合、その差の50,000円(約1.7%)がスプレッドです。
ユーザーにとって、スプレッドは小さいほうが有利です。取引は、このスプレッド分だけ収支がマイナスの状態からスタートすることになるためです。
メルカリのスプレッドは変動制で、固定ではありません。2023年4月13日時点での数値を参考にして、他社のスプレッドと比較します。
仮想通貨取引所 | スプレッド(%表記)(*1) |
---|---|
メルカリ | 約1.0% |
Coincheck | 約3.0% |
GMOコイン | 約2.5% |
DMM Bitcoin | 約1.1% |
bitbank | 約2.5% |
(*1)2023年4月13日時点で計算
上記の表は、主要国内取引所のスプレッドを比較したものです。スプレッドは取引所が独自に設定しており、各社で大きく異なります。比較すると、メルカリのスプレッドは比較的狭いといえます。特に、Coincheckと比べると3倍ほどの差があります。
メルカリは他社と比べて良心的なサービスだといえそうです。
メルカリのビットコイン機能について、X(旧Twitter)では様々な意見が投稿されています。ここでは、多くのユーザーが投稿していた、以下の評判や反応を紹介します。
簡単にビットコインを購入できて便利という口コミが多数投稿されています。実際、メルカリアプリでは複雑な機能をなくし、ビットコインの売買というシンプルなサービスのみを提供しています。
メルカリは、仮想通貨(暗号資産)初心者を主なユーザーとしているので、簡単さと使いやすさを意識しているのでしょう。また、本人確認済のユーザーであれば最短30秒でサービスに登録ができる点も、ユーザーから評価されていると考えられます。
キャンペーンなどでもらえる無料のポイントでビットコインを購入できる点も、ユーザーから高評価を得ているようです。中には、「有効期限のあるポイントで購入できるのが嬉しい」といった投稿をするユーザーも確認できました。
獲得した期間限定ポイントをビットコインに交換すれば、日本円に現金化することも可能です。
メルカリが短期間で多くのユーザーを獲得したことに対する驚きの声も投稿されています。特に、仮想通貨の知識が深いユーザーや、Web3.0関連プロジェクトに関わっている人物から、そういった反応が多く見られました。
また、利用者が100万人を突破したニュースに対する反応も確認できます。仮想通貨コミュニティで有名なインフルエンサーも、この件についてポジティブな投稿を行っています。
現在のメルカリの躍進については、業界でも驚きを持って受け止められているといえるでしょう。
ポジティブな反応が多いメルカリのビットコインサービスですが、ネガティブな意見もいくつか投稿されています。特に、ビットコインの売買時に発生するスプレッドが広いという意見が多く見られました。
中には「ビットコインの購入直後、なぜ金額が減っているのかわからない」といったように、スプレッドを理解できていないユーザーも確認できます。メルカリでビットコインを購入している約8割のユーザーは仮想通貨経験がないため、今後何かしらのトラブルが発生する可能性も考えられるでしょう。
メルカリに対して、ユーザーを囲い込んでいるという批判の声も見られました。
メルカリで購入したビットコインは、外部のウォレットや取引所に送金できません。メルカリアプリ内でしか管理できないため、ユーザーの囲い込みだと批判の声が上がっています。
簡単にビットコインを取引できるメルカリアプリですが、いくつかデメリットや注意点があります。
メルカリアプリのデメリットとして、ビットコインの入出庫ができないことが挙げられます。例えば、外部のウォレットや取引所などで保有しているビットコインをメルカリに送金できません。
出庫に関しても同様であり、購入したビットコインを別の取引所に送金できません。もしビットコインを出金したい場合は、売却してからメルペイ残高に反映し、日本円として銀行振込で出金するという流れになります。
メルカリで購入したビットコインを売却する際、利益が発生すれば課税対象になる可能性があります。また、含み益があるビットコインを使ってフリマで買い物をする場合も、利益確定として処理されます。
個人の方が仮想通貨取引などで年間20万円を超える所得が発生した場合、雑所得として課税対象となり、確定申告が必要になります。また、仮想通貨取引などで得た所得が20万円以下でも、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を行う場合は、申告が必要です。
雑所得とは事業所得や給与所得などに該当しない所得を指し、仮想通貨取引による収入や公的年金などが該当します。
メルカリでビットコインを取引する際は、日本の仮想通貨税制についても理解しておくようにしましょう。
メルカリアプリでは、ビットコインのみ取り扱っています。イーサリアムなどアルトコインの売買はできません。ただし、今後はビットコイン以外の銘柄も増やす計画を立てているようです。
メルカリのビットコイン取引サービスは、スマホアプリでのみ提供しています。パソコンはもちろん、スマホのブラウザからも利用できないので、必ずアプリから使うようにしましょう。
注意点として、ユーザーの利用制限が挙げられます。具体的には、サービスの登録時に以下の3つを満たす必要があります。
年齢制限に関しては、取引所ごとに対応が異なります。しかし、18歳から口座開設ができたり、75歳以上でも口座開設を受け付けている取引所はあります。他社と比較すると、メルカリは年齢制限の基準が少し厳しいといえるでしょう。
メルカリでビットコインを取引するメリットには、以下が挙げられます。
メルカリを利用するメリットは、とにかく手軽にビットコインを売買できることです。メルカリアプリでは、機能をビットコインの売買に限定しており、分かりやすさを売りにしています。
アプリ上の機能は、簡単なチャートや取引履歴の表示くらいです。必要最低限の機能に絞っているので、初心者でも簡単に利用できるでしょう。
メルカリではフリマの売上金でビットコインを購入できます。わざわざ購入資金を入金する必要がないので、ハードルがとても低いです。
不用品を売ったお金とビットコインを交換できる機能は、メルカリだからこそできる新しい体験だといえます。
メルカリアプリやビットコイン取引サービスへの登録方法や、ビットコインの購入・売却の手順を解説します。また、ビットコインの売却後、メルペイ残高に戻す方法も紹介します。
画像引用:メルカリ公式サイト
メルカリでビットコインを取引するためには、まずアプリの登録が必要です。以下の手順に沿って、メルカリアプリ会員に登録してください。
上記の手順で、メルカリアプリの登録は完了です。本人確認手続きや生体認証を行っておくと、スムーズにビットコイン取引を開始できます。
また、「ビットコインがもらえるキャンペーン」を適用したい方は、AppStoreなどではなく、必ず専用URLから登録するようにしましょう。
まず、ビットコイン取引サービスに登録します。メルカリのアプリを起動して、以下の手順に沿って手続きします。
画面に沿って手続きを進めれば、登録は簡単です。すでに本人確認などを行っている人なら、1分程度で登録できるでしょう。
メルカリでビットコインを購入する方法を解説します。
ビットコインの取引画面に移動し、「買う」ボタンをタップします。
購入する金額を入力して「購入額の確認へ」をタップします。
注文内容が表示されるので、問題なければ「この内容で購入する」をタップしてください。
購入が完了すると、画面上に現在の運用額が表示されます。
次に、メルカリでビットコインを売却する方法を紹介します。
ビットコインの取引画面で「売る」ボタンをタップします。
売却したい金額を入力して「売却額の確認へ」をタップしてください。
注文内容が表示されるので、内容を確認して「この内容で売却する」をタップします。
売却が完了すると、画面上の運用額が更新されます。
ビットコインの売却後、日本円として出金する際などには、一度メルペイ残高に戻す必要があります。ここでは、その手順を解説します。
ビットコインの取引画面で「設定」をタップします。
「メルペイ残高へ移す」をタップしてください。
メルペイ残高へ移したい金額を入力し、「お金を移す」をタップします。
無事にメルペイ残高の移動ができれば、マイページ上で反映されます。
メルカリのビットコイン取引サービスは、その手軽さから多くのユーザーを獲得しています。また、その多くがビットコイン取引の経験がないユーザーであり、国内の仮想通貨(暗号資産)ユーザーの裾野を広げているといえるでしょう。
今後はビットコイン以外の銘柄も取り扱う計画をしており、新たなユーザーを獲得できる余地は残っています。これからメルカリが日本の仮想通貨業界へどのような影響を与えるのか、ウォッチしていく必要がありそうです。
作成日
:2023.04.17
最終更新
:2024.04.23
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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