作成日
:2023.02.08
2023.03.16 15:30
ソリディティ(Solidity)はイーサリアム(ETH)のプログラミング言語で、DApp開発などに広く利用されています。仮想通貨市場ではDeFi(分散型金融)やNFTなどが流行しており、イーサリアムエコシステムの拡大に伴って、ソリディティの重要性は今後も増していくと予想されています。
当記事ではソリディティを学習すべき理由や学習方法に焦点を当てて解説します。
ソリディティはイーサリアム向けに開発されたプログラミング言語です。Gavin Wood氏によって2014年に考案され、イーサリアムのプロジェクトチームによって開発されました。
プログラミング言語とは、コンピュータ用の言語を人間の言語に近い形で記述したものです。JavaやPaython、C++など多くの種類があり、用途によって使い分けられています。
ソリディティはイーサリアムの開発で用いられます。他のプログラム言語との相違もありますが、既存のプログラマーにも馴染みやすい設計です。
イーサリアムのスマートコントラクトはソリディティで記述されており、ソリディティは仮想通貨市場全体で標準的に利用されています。
スマートコントラクトは契約を自動履行するプログラムです。自動販売機でたとえると、「利用者が必要なお金を投入する」「特定の飲料のボタンを押す」という二つの契約条件が満たされた場合に、自動的に「その飲料を利用者に提供する」という契約が実行されます。
ブロックチェーンは取引記録の改ざんが困難で、プライバシーを守りながら公正な取引ができます。ソリディティでスマートコントラクトを操ると、これらの利点を活かしたシステムや機能を実現できます。
イーサリアムは仮想通貨市場最大のDApp(分散型アプリ)プラットフォームで、多数のDAppが運用されています。
DAppとはブロックチェーンを活用したアプリを指し、ブロックチェーンゲームや分散型取引所(DEX)などがあります。イーサリアムでのDApp開発にはソリディティが必須です。
仮想通貨市場には、イーサリアム以外にもDAppプラットフォームが多数あります。これらはイーサリアムキラーと呼ばれ、その名の通りイーサリアムに対抗するブロックチェーンです。
イーサリアム・キラーとは、DAppプラットフォームとしてイーサリアムの座を狙うブロックチェーンを指します。スマートコントラクトだけでなく、より効率的なコンセンサスアルゴリズムを採用して、高速取引や安い手数料を実現しています。すなわち、イーサリアムが抱えている課題をある程度克服しているのが特徴です。
イーサリアムはソリディティを採用していますが、イーサリアム・キラーなどは、汎用的な開発環境や高度な機能を実現するために、異なるプログラミング言語を採用しています。
画像引用:Solana
ソラナは高速なトランザクション処理が可能で、イーサリアム・キラーの筆頭格です。対応しているプログラミング言語は、RustをメインにC、C++、Pythonなどがあります。
ネムは日本で人気のあるブロックチェーンで、企業向けのソリューションなども提供しています。複数のプログラミング言語に対応しており、その中でJavaが主に利用されています。
画像引用:neo
ネオは中国版イーサリアムと呼ばれるブロックチェーンです。インターネット業界で主流のJavaScriptを採用しており、Java・Python・Goなども使用できます。
画像引用:Algorand
アルゴランドは独自プログラミング言語のTEAL(Transaction Execution Approval Language)でスマートコントラクトを記述でき、PythonなどをTEALに変換することも可能です。
画像引用:Hyperledger Foundation
Hyperledger Facbricは企業向けのブロックチェーンで、Goを中心にJavaなどを採用しています。
主要なプログラミング言語であれば、いずれかのブロックチェーンでDApp開発ができます。それでもソリディティを学習すべき理由として、以下などが挙げられます。
ブロックチェーンの多くはオープンソースとして開発されており、コミュニティの力が重要になります。開発者のコミュニティが大きければ、その分開発活動も活発になります。
イーサリアムは世界最大のコミュニティを有しており、今後も仮想通貨世界を引っ張っていくと期待されています。
ソフトウェアのソースコード(プログラム)を無償で一般公開することです。これにより、多くの開発者が開発に携わるようになり、発展を期待できます。
EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、イーサリアムがスマートコントラクトを実行するための技術です。
EVMはイーサリアムだけでなく、BNBチェーンやソラナ、アバランチ(AVAX)などの数多くのブロックチェーンに実装されています。そして、EVMを実装しているブロックチェーンであれば、イーサリアムのDAppを簡単に移植できます。
すなわち、ソリディティで開発を行うと、EVM互換性のあるブロックチェーンでのDApp稼働が容易になります。
Web3.0などの盛り上がりで、多くの企業がDApp開発やブロックチェーン活用に乗り出しており、世界的にエンジニアに対する需要が高まっています。
Web3.0とは分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
そのトレンドは日本国内でも同じです。エンジニア等の求人・案件サイト「エンジニアスタイル東京」によると、2022年の言語別平均単価ランキングでソリディティが月額72万円で1位タイとなっています。
画像引用:ボスアーキテクト
ソリディティにはライブラリも用意されています。ライブラリとは、よく利用されるコードがあらかじめ準備されており、それを呼び出して効率的にプログラムを構築できる機能です。
2022年9月、イーサリアム2.0が本格稼働しました。イーサリアムはスケーラビリティ問題に悩まされており、イーサリアム2.0の開発が進むことで、DAppプラットフォームとして利用しやすくなると考えられます。
スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンの処理能力に起因する障害です。ブロックチェーンにトランザクションが集中すると、取引の遅延や手数料の高騰などが発生します。ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンは、慢性的にスケーラビリティ問題に悩まされています。
従来のブロックチェーンと比較して、イーサリアム2.0は処理性能の向上が見込まれています。スケーラビリティ問題が解決すると、DAppプラットフォームとしての利用が拡大するので、ソリディティを学習する価値も高まるでしょう。
ソリディティの学習リソースは英語を中心に豊富にあり、日本語でも勉強できます。
Crypto Zombiesはソリディティの学習のために作られたDAppです。
画像引用:CryptoZombies
ユーザーはゾンビのゲームを実際に作りながら学習し、コースを完了すると仮想通貨で報酬を獲得できます。なお、無料でプレイでき、日本語にも一部対応しています。
The Ethernautはスマートコントラクトをハッキングするゲームです。ユーザーはハッキングしながらソリディティを学べます。
NFT Schoolはオープンソースのコミュニティで、NFTに特化した学習コンテンツを提供しています。
画像引用:NFT School
NFTは様々なブロックチェーンで発行でき、イーサリアムは多くのクリエイターに利用されています。NFTはスマートコントラクトを介してミント(発行)するので、プログラムを作るにはソリディティの知識が必要です。
NFT Schoolでは、スマートコントラクトの記述方法、関連アプリの構築など、NFTに関連してソリディティの使い方を学ぶことができます。
ブロックアカデミーは日本人が運営するYouTube(ユーチューブ)チャンネルです。ソリディティの基礎編とDApp開発編がシリーズで投稿されており、日本語で学ぶことができます。
ソリディティを学ぶ上で、以下のような懸念点もあります。
イーサリアム上のDAppは、ハッキング被害に数多く見舞われてきました。ソリディティが悪いわけではありませんが、スマートコントラクトにバグが発生しやすいことが問題視されており、技術的なアップデートが必要だと考えられています。
ソリディティのバージョンが更新されるだけなら良いですが、イーサリアムが新しいプログラミング言語を採用することもあり得なくもありません。似たようなプログラミング言語でなければ、学び直す必要が出てきます。
ソリディティはほぼブロックチェーン専用のプログラミング言語となっています。基礎的な部分は主要なプログラミング言語に似ていますが、ブロックチェーン以外に利用することはありません。他の分野で利用するのは難しいでしょう。
ソリディティは仮想通貨市場で主要なプログラミング言語となっています。イーサリアム以外のブロックチェーンであれば、JavaやPythonなどのプログラミング言語にも対応していますが、ソリディティの需要も大変大きいです。
日本語に対応する学習リソースなども多少はあるので、Web3.0やDAppなどに関心があるのであれば、ソリディティの学習を始めてみるのも良いでしょう。
作成日
:2023.02.08
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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