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仮想通貨ネム&シンボルがハードフォーク実施へ、その内容と価格への影響を解説

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仮想通貨ネム&シンボルがハードフォーク実施へ、その内容と価格への影響を解説

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update 2021.11.12 17:55
仮想通貨ネム&シンボルがハードフォーク実施へ、その内容と価格への影響を解説

update 2021.11.12 17:55

2021年11月5日、仮想通貨(暗号資産)関連プロジェクトのネム(NEM/XEM)とシンボル(Symbol/XYM)が、最新のハードフォーク計画である「ハーロック」と「キプロス」をそれぞれ実施する予定だと発表しました。[1]

ネムとシンボルは開発元が同じで、今回のハードフォークには、ネムをシンボルに統合することの是非を問う投票も含まれます。知名度のある仮想通貨であるネム・シンボルの今後の展開に関わることであり、この発表は仮想通貨メディアでも大きく取り上げられています。

今回は、ネムとシンボルの仮想通貨関連プロジェクトとしての概要を説明した上で、ハードフォークの内容や価格動向などを解説していきます。

ネムとシンボルの関係

ネムとシンボルは、同じ開発元が開発した仮想通貨です。2021年3月にネムの次世代版としてシンボルが誕生しましたが、元々あったネムもそのまま継続することで、2つの仮想通貨が存在することになりました。

ネムとシンボル

ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)のように、運営方針の違いにより別の仮想通貨になったわけではないため、関連性が強い仮想通貨です。

そもそもネムとシンボルとは?

ネムは「New Economy Movement(新しい経済運動)」をコンセプトに、新しい経済システムを確立するブロックチェーン開発を進めており、ネイティブトークンとして「ゼム(XEM)」を発行していますが、どちらも「ネム(NEM)」と表記されることがあります。

point ネイティブトークンとは

ネイティブトークンとは、そのブロックチェーンが発行する独自仮想通貨のことです。例えば、イーサリアムブロックチェーンでは、ネイティブトークンとしてイーサ(ETH)が利用されています。

ネムのブロックチェーンは、新規仮想通貨発行を可能にするICO(新規通貨公開)や、DApp(分散型アプリケーション)のプラットフォームとして利用されています。

一方シンボルは、カタパルトと呼ばれる大型アップグレードで誕生した新しいプラットフォームです。シンボルは独立したブロックチェーンとして稼働しており、「ジム(XYM)」と呼ばれるネイティブトークンを発行しています。

ネムと比較してシンボルは、処理速度やセキュリティ性能が優れているといわれいます。シンボルは、ネム保有者に同枚数配布される形で流通しました。ネムをシンボルに交換するわけではなく、ネムを保有しつつシンボルも受け取ることができるということで、シンボル誕生前はネムが高騰しました。しかし、シンボルを受け取った後ネムが大量に売却されたため、値下がりに繋がりました。

ネムとシンボルの今後の計画

ネム(NEM/XEM)とシンボル(Symbol/XYM)のハードフォークは、ブロックチェーンとしての性能の変更を行うためのものではなく、今後の方針について保有者が意見を表明するためのものです。提案されたことに賛成するかどうかの投票が行われ、3分の2の賛成で承認されます。

シンボルについては既に賛成多数で方針が承認されました。ここからは、今回どのような提案が行われたのかを含め、ネムとシンボルの今後の計画について解説します。

サイドチェーンとしてネムを活用

ネムのハードフォークでは、シンボル専用のサブチェーン(一般的にはサイドチェーンと呼ばれる)としてネムを活用する仕様変更することに賛成か反対かが問われます。サイドチェーンはメインチェーンのトランザクション(取引)の処理を助けるだけでなく、拡張機能の追加を可能にします。

シンボルとネムの関係性を示すサイドチェーンの説明画像

ネムは個人向け、シンボルは企業向けという特徴もあり、シンボル誕生当初は並存する方向でしたが、次世代版であるシンボルに一本化するという方針変更が行われたようです。

一方、シンボルのハードフォークでは、方向性を変更することの是非を保有者に問うことを目的としています。当初は、企業向けのブロックチェーンとなることを重視していましたが、7月に分散型・コミュニティ主導のブロックチェーンを目指すことが発表されていました。今回のハードフォークで、この方針を承認するかどうかの投票が行われました。

資金管理体制を変更

通常、仮想通貨関連プロジェクトは、仮想通貨を発行する際に、特定の割合を開発資金や宣伝費などに割り当てています。この資金は開発企業や財団などによって管理され、目的に応じて支出されます。

ネムも例外ではなく、ネイティブトークンのゼムで資金管理していましたが、ハーロックとキプロスでは、それを全て焼却処理した上で、新たに発行する仮想通貨を資金源にすることが決定されています。

また、資金管理の方法も、米資産管理企業のヴァルキリー社と主な開発者のマルチシグウォレットで管理するように変更される予定です。ちなみに、ヴァルキリー社は、ビットコイン関連の投資商品なども開発しており、各国における規制への対応や取引所への採用でネムとシンボルに支援を提供する方針です。

point マルチシグとは

マルチシグとはマルチシグネチャーの略称で、ウォレットなどに利用される技術であり、マルチシグを採用するウォレットはマルチシグウォレットと呼ばれます。仮想通貨送金に複数人の承認を必要とすることから、従来のウォレットと比べて資金管理の透明性やセキュリティ性能が向上するとされています。

ハードフォーク後に運用体制を刷新

これはハーロックとキプロスに直接含まれることではありませんが、ネムとシンボルはハードフォーク後に、シンボルシンジケート、リンガフランカ、不死鳥財団という名称の3つの組織を立ち上げると発表しています。

シンボルシンジケートは、米デラウェア州で非営利法人として、メインチェーンのシンボルやサイドチェーンのネムの開発を行います。リンガフランカはバミューダを拠点にする事業体であり、取引所や関連企業と連携して、ネムやシンボルのコミュニティ発展に注力する予定です。スイスに設立される不死鳥財団は、ネムとシンボルの資金を保管する責任を負うだけでなく、ブロックチェーン運用において重要なノードやテストネット(テスト環境として稼働するブロックチェーン)のインフラ管理を行います。

これらの組織を通じて、ネムとシンボルはより強力な支援を受けられるでしょう。

仮想通貨価格への影響

ネム(NEM/XEM)とシンボル(Symbol/XYM)によるハードフォーク計画の発表を受け、それぞれの仮想通貨価格はどのように推移しているでしょうか。

落ち着いた値動き

ハーロックとキプロスを実施する見通しであることが公表された11月5日、ネムの価格は瞬間的に直近の高値を更新して0.23ドル台になりましたが、その後は落ち着いた動きになっています。シンボルも同様の値動きとなっており、市場はハードフォークを冷静に受け止めている模様です。

XEM(NEM)とシンボルの価格チャート

ハードフォークに併せて公表された情報

今回のハードフォークに併せて、ネムとシンボルは今後の方針に関わる複数の発表を行いました。これらはネムやシンボルの将来性にも大きく影響するものだと考えられます。

ネムのオープンソース化構想

オープンソースとは、ソフトウェアのソースコード(プログラム)を無償で一般公開することです。これにより、多くの開発者が開発に携わるようになり、ネムの改良や新しいサービスの発展が期待できます。

現時点でネムは、開発者向けのウェブサイトや説明書、ソフトウェア開発キット(SDK)などを強化し、開発活動のサポートを強化していくことを示しています。これが実現すれば、ネムだけでなく、メインチェーンのシンボルにも好影響をもたらすと期待できます。

新しい関連サービスを計画

今回、シンボルは新たなNFTプラットフォームである「NFT-Drive」を開発することを発表しています。NFTは仮想通貨市場でも成長分野として期待されているので、NFT-Driveの開発は重要な出来事になるといえるかもしれません。

point NFTとは

NFTとは日本語で「非代替性トークン」と訳されています。現在、NFTはゲームアイテムやデジタルアートなどのコンテンツをトークン化する手段として利用されており、これらはマーケットプレイスで取引可能なことから、投資対象としても注目され始めています。

また、ネムとシンボルは、専用のウォレットアプリである「Hermes」を公開するなど、続々と新しいサービスを投入していく構えを見せています。

人気仮想通貨の進化に期待

ネム(NEM/XEM)は人気の仮想通貨として活発に取引されていますが、シンボルの時価総額は約20億ドル程度、時価総額順位は200位以降の規模に留まっています(2021年11月Coinmarketcapのデータより)。

しかし、ハードフォークが成功すれば、シンボルはネムをサイドチェーンとして統合することになり、仮想通貨価格にも好影響となることが予想されます。

仮想通貨市場ではハーロックとキプロスのハードフォークに注目が集まっていますが、これがネムとシンボルの今後を占う資金石となることでしょう。


Date

作成日

 : 2021.11.12

Update

最終更新

 : 2021.11.12

著者情報

Zero(ゼロ) | Zero

金融ライター

arw
Zero

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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