作成日
:2022.08.24
2022.09.28 16:33
Binance(バイナンス)のDeFiステーキングは、仮想通貨(暗号資産)を預けるだけで利息を得られるサービスです。DeFiステーキングでは、Binanceを介してDeFiプロジェクトに参加しますが、この点で「定期ステーキング」と異なります。
DeFiステーキングには、DeFiプロジェクト(ブロックチェーンを活用した金融サービスの一種)に関わるからこそのリスクもあります。本記事では、DeFiステーキングの仕組みやリスク、利用方法を解説します。
Binance(バイナンス)のDeFiステーキングとは何かを、図解や他のサービスとの比較を用いて説明します。
DeFiステーキングを利用すると、BinanceがDeFiプロジェクトへの参加を代行してくれ、ユーザーは運用益を受け取れます。
DeFiとは、ブロックチェーンを活用した金融サービスの一種です。従来の銀行等のような、管理者を必要としません。仮想通貨同士の交換だけでなく、金融サービスを中央管理から非中央管理に移行できるので、透明性や利便性の向上を助けると考えられています。
有名なDeFiサービスには、分散型取引所(DEX)に資産を貸し出して手数料を得る「イールドファーミング」があります。イールドファーミングは個人でも利用できますが、以下のような理由から、手を出しづらく感じることもあるでしょう。
DeFiステーキングを利用すれば、Binance内で簡単な操作をするだけで、DeFiプロジェクトに参加可能です。
Binanceの定期ステーキングも、預け入れにより手数料を獲得できるサービスです。一見似ていますが、DeFiステーキングと定期ステーキングは以下の点で異なります。
比較項目 | DeFiステーキング | 定期ステーキング |
仕組み | Binanceを介してDeFiプロジェクトに参加 | Binanceに預け入れる |
取扱銘柄数 | 14銘柄 | 280銘柄 |
預入期間 | ・フレキシブル (いつでも引き出し可能) ・定期(30日~120日) |
定期(10日~120日) |
仕組み
DeFiステーキング | 定期ステーキング |
Binanceを介してDeFiプロジェクトに参加 | Binanceに預け入れる |
取扱銘柄数
DeFiステーキング | 定期ステーキング |
14銘柄 | 280銘柄 |
預入期間
DeFiステーキング | 定期ステーキング |
・フレキシブル (いつでも引き出し可能) ・定期(30日~120日) |
定期(10日~120日) |
取扱銘柄はDeFiステーキングと定期ステーキングで異なっています。どちらを選ぶかで迷った場合は、取扱通貨で比較してみましょう。
ステーキングとは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用する仮想通貨(暗号資産)の保有を続けることで、対価として報酬を貰える仕組みのことです。PoSでは、仮想通貨の保有を続けることでブロックチェーンのブロックの承認作業(ビットコインのマイニングに相当)へ参加でき、報酬として仮想通貨が付与されます。
ただしBinanceの「定期ステーキング」は、PoS以外の通貨の運用も可能であり、「PoSのステーキング」とは仕組み上異なっています。
また最近では、新たなステーキング方法として「リキッドステーキング」が注目されています。
BinanceのDeFiステーキングは、以下の2種類に分けられます。
種類 | 特徴 |
---|---|
フレキシブル | ・毎日利息を受け取れる ・選べる通貨がより多い ・年利は比較的低い |
定期 | ・一定期間の預け入れで利益が確定 ・年利は比較的高い |
預入期間が指定されている「定期」を利用する場合も、利息は1日ごとに現物ウォレットに付与されます。しかし、途中で預け入れを解除すると収益は没収されます。途中解除があった場合、元本から収益分が差し引かれる仕組みです。
当記事執筆時点で、DeFiステーキングで運用可能な仮想通貨と年利は以下の通りです。(取り扱いがない場合「-」を記載しています。)
通貨名 | フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
LTC | 1.40% ※売り切れ | - |
XRP | 1.39% | - |
BUSD | 1.25% | 120日:4.6% ※売り切れ |
ETH | 1.00% | 120日:3.9% ※売り切れ |
BTC | 0.72% | 60日:3.1% ※売り切れ |
DYDX | - | 30日:8.7% |
AAVE | - | 30日:5.39% |
USDT | 1.18% | - |
SXP | 0.85% | - |
LINK | 1.40% ※売り切れ | - |
HARD | 3.90% ※売り切れ | - |
XVS | 4.12% ※売り切れ | - |
DAI | 1.19% ※売り切れ | - |
LTC
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
1.40% ※売り切れ | - |
XRP
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
1.39% | - |
BUSD
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
1.25% | 120日:4.6% ※売り切れ |
ETH
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
1.00% | 120日:3.9% ※売り切れ |
BTC
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
0.72% | 60日:3.1% ※売り切れ |
DYDX
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
- | 30日:8.7% |
AAVE
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
- | 30日:5.39% |
USDT
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
1.18% | - |
SXP
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
0.85% | - |
LINK
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
1.40% ※売り切れ | - |
HARD
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
3.90% ※売り切れ | - |
XVS
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
4.12% ※売り切れ | - |
DAI
フレキシブルの年利 | 定期の年利 |
1.19% ※売り切れ | - |
Binance(バイナンス)のDeFiステーキングのメリットを紹介します。
分散型取引所(DEX)を利用する場合、個人ウォレットへの送金やネットワーク設定、預け入れを1人で行わないといけません。しかし、DeFiステーキングを使えば、Binanceがそれらの操作を代行してくれます。ガス代や取引手数料の支払いも不要です。
また、DeFiステーキングは最小預入額が数百円など小さいものが多いので、少額でも利用可能です。
BinanceのDeFiステーキングには、高利回りの銘柄が追加されることがあります。
銘柄(発表時期) | 預入期間と標準年利 |
---|---|
BUSD(2022年3月) | 120日:13.33% |
ETH(2022年3月) | 120日:10.12% |
BTC(2022年3月) | 60日:8.19% |
DYDX(2022年1月) | 10日:41.89% 30日:25.12% |
AAVE(2022年1月) | 10日:25.18% 30日:6.49% |
利用受け付けは先着順であり、売り切れ前に預ける必要があります。1人当たりの最大預入量は、数万円など少なめに設定されていることが多いですが、長期保有する銘柄があれば、積極的に利用したいですね。
DeFiステーキングの年利は、毎日算出されます。当初は年利が高くても、後日低くなる可能性もあります。なお利用当日の年利は、DeFiステーキングの預け入れページから確認可能です。
DeFiステーキングでは、誰でも簡単にDeFiプロジェクトに参加して利息を受け取れます。しかし、デメリットもあるので注意が必要です。
DeFiステーキング利用時には、以下のような警告が表示されます。
Binance(バイナンス)はあくまで仲介役として機能するだけであり、ブロックチェーン上でのハッキングなど、トラブル発生時の損失は自己責任となります。この点は個人でDeFiプロジェクトを利用するときも同様ですが、理解しておきましょう。
一定期間資産を預け入れることで利息を得られるサービスは、Binance内に複数あります。銘柄によっては、他のサービスの利回りがDeFiステーキングよりもお得なこともあります。
当記事更新時点(2022年9月)で、DeFiステーキングのフレキシブルロックと、同様に毎日利息を獲得できるフレキシブルセービングの比較結果は以下の通りです。
通貨名 | フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
BTC | 0.72% | 5.00% |
ETH | 1.00% | 1.80% |
USDT | 1.18% | 8.00% |
BUSD | 1.25% | 8.00% |
XRP | 1.39% | 0.45% |
LTC | 1.40% | 0.32% |
SXP | 0.85% | 1.00% |
LINK | 1.40% | 0.20% |
DAI | 1.19% | 2.20% |
BTC
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
0.72% | 5.00% |
ETH
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
1.00% | 1.80% |
USDT
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
1.18% | 8.00% |
BUSD
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
1.25% | 8.00% |
XRP
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
1.39% | 0.45% |
LTC
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
1.40% | 0.32% |
SXP
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
0.85% | 1.00% |
LINK
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
1.40% | 0.20% |
DAI
フレキシブルロック | フレキシブルセービング |
1.19% | 2.20% |
DeFiステーキングで預けた通貨を引き出せるのは、48時間から72時間後になります。引き出しの申請は、Binanceのウォレットの「収益」画面からいつでも可能です。しかしフレキシブルロックであっても、引き出しは即座にできないので注意してください。
一方、Binanceのフレキシブルセービングでは、預けていた通貨を即座に引き出せます。フレキシブルセービングと比較して、DeFiステーキングは柔軟性の面で劣るといえます。
Binance(バイナンス)のDeFiステーキングの使い方を紹介します。なお、DeFiステーキングを利用するには、開設済みのBinanceの口座が必要です。
以下のリンクより、DeFiステーキングのページにアクセスします。
リスク警告が表示された場合、内容を確認して「理解しました」ボタンをクリックします。
預けたい通貨を探して「今すぐステーク」もしくは「確認」をクリックします。
必要な項目を選択・入力して「承認」ボタンをクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
種別 |
「フレキシブル」もしくは「定期」を選びます。 |
2 |
ロック金額 |
投入金額を入力します。 |
3 |
サービス規約 |
規約確認後にチェックを入れます。 |
定期預け入れの期間が2種類以上ある場合、預入期間の選択も必要です。
表示内容を確認して、全てにチェックを入れて「確認」ボタンをクリックします。
「ステークに成功しました」と表示されたら完了です。
以下のリンクより、ウォレットの「収益」ページにアクセスします。
「ステーキング」ボタンをクリックします。
「フレキシブルDeFiステーキング」もしくは「定期DeFiステーキング」をクリックします。
「累積金利」に累計の獲得利息が記載されています。
預け入れを解除したい場合は「償還」(預け入れ解除)をクリックします。期間ありのDeFiステーキングを利用している場合は「即時償還」をクリックすることで、途中償還が可能です。
償還量の入力と規約のチェックを行って「償還」ボタンをクリックします。
右上に「償還成功」という文字が出たら、償還の申し込みは完了です。
Binance(バイナンス)のDeFiステーキングは、手持ちの仮想通貨(暗号資産)を有効活用できるサービスです。簡単にDeFiプロジェクトに参加できる点もメリットです。
ただし、ブロックチェーン上のトラブルが自己責任になる点には注意しましょう。また、Binanceには「定期ステーキング」や「セービング」などの資産運用サービスもあります。比較の上、自身にあったサービスや利用方法を探してみてください。
作成日
:2022.08.24
最終更新
:2022.09.28
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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