作成日
:2022.09.26
2022.11.18 18:57
2022年9月24日、App StoreでMetatrader(メタトレーダー)の取り扱いが停止されました。メタトレーダーには、Metatrader4(MT4)とMetatrader5(MT5)の2つのバージョンがあり、MT4・MT5ともにApp Storeでダウンロードできなくなっています。
開発元のMetaQuotes(メタクオーツ)はキプロスに拠点を構える企業ですが、ロシア企業と紹介されることもあり、一部で不安が広がっている模様です。ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁との関連を指摘する声もありますが、メタクオーツ社は否定しており、現在アプリの再開に向けて手続きを進めているということです。
一方、タイミングとしては、米上院銀行委員会の議長を務めるシェロット・ブラウン氏が2022年7月に、「仮想通貨詐欺を可能にしているように見えるアプリを許可していること」についてAppleとGoogleに説明を求めたことがきっかけになった可能性も考えられます。海外大手メディアForbsでは、こうしたアプリの中にMT4・MT5が含まれると報じています。
9月26日現在、App StoreでMT4とMT5のダウンロードができなくなっています。App Storeで「メタトレーダー」を検索しても、MT4・MT5ともに表示されない状態です。
MetaQuotes(メタクオーツ)社はモバイル用のメタトレーダーとして、Apple社製のモバイル端末向けのiOS版とGoogle社製のOSを採用するスマホ向けのAndoroid版の2種類を提供しています。ダウンロードできなくなっているのはiOS版のみで、Andoroid版はこれまで通りGoogle Playでダウンロード可能です。
MetaTraderとは、MetaQuotes社がリリースしたFXの取引プラットフォーム(ソフト)のことで、世界的に普及している取引プラットフォームです。現在、MetaTrader4(MT4)とMetaTrader5(MT5)の2つのバージョンが運用されていますが、海外FX業者では徐々にMT4からMT5への移行が進んでいます。
また、Metaquotes社のホワイトラベル製品も公式サイトより購入できなくなっています。購入不可となった時期がAppleデバイスでのアプリのダウンロード停止の時期と近かったために、同時に報じられていますが、具体的な関連は不明です。
ホワイトラベルとは、MT4やMT5のサーバーライセンスを購入しないまま、他社が持つライセンスを利用して自社ブランド名でサービスを展開できるサービスです。Metaquotes社は以前からこのサービスの利用厳格化の取り組みを行っており、その一環である可能性もあります。
開発元のMetaQuotes(メタクオーツ)社は、今回のアプリ削除とロシアに対する制裁との関連を否定しています。金融メディアのFinance Magnatesの取材に対し、メタクオーツの担当者は、「Apple社より、App Storeのガイドラインに準拠していないという書簡を受け取った」としています。
そのため、MetaQuotes社は今回のアプリ削除とロシアに対する西側諸国の制裁は無関係としています。また、同社の担当者によると、すでにiOS版をインストールしているユーザーは平常通りアプリを使用できるとしているため、既存ユーザーへの影響はないようです。
現在は、問題の解決に向けてApple社と連絡を取り合っているとしています。
MetaQuotes(メタクオーツ)社の本社はキプロスのリマソールにあります。また、キプロスの本社の他に、日本を含む合計7つの地域に現地事務所を開設しています。
以前はロシアにも現地オフィスがありましたが、ホームページ上では紹介されておらず、現地のロシアオフィスが機能しているかは不明です。
現在は、キプロスを拠点にMT4/MT5のアップデートやコミュニティサイトの運営などを行っています。また、世界各国の現地事務所では、管轄地域へのブローカーへの営業活動を積極的に行っており、MT4/MT5のシェア拡大をしています。
2022年3月以降、欧米諸国からのロシア系企業に対するサービスの制限などが実施されていますが、本社がキプロスに存在するメタクォーツ社に影響が及ぶ可能性は低いとみられていました。
キプロスは、ヨーロッパの金融の要所となっています。キプロスの金融ライセンスは、英国に次ぐ信頼性を持つといわれています。例えば、大手海外FXブローカーのExness(エクスネス)はキプロスを拠点に活動しており、XMグループの本社もキプロスにあります。
米上院銀行委員会の議長を務めるシェロット・ブラウン氏は2022年7月、MT4・MT5のアプリを提供しているAppleとGoogleに書簡を送り、「仮想通貨詐欺を可能にしているように見えるアプリを許可していること」について説明を求めました。
詐欺の手法としては、トレードの代行を偽装するケースが多いとされています。トレードの代行の偽装とは、指定したブローカーのMT4・MT5の口座に資金を入れさせ、しばらくの間はトレードで利益を上げているとみせかけるものの、顧客が利益の引き出しを求めても応じないものです。トレードで損失を出して資金がなくなったと偽るケースもあります。
こうしたケースは、確かにゼロではありません。MT4・MT5は比較的簡単にブローカー業を始めることができるため、詐欺会社が設立されてしまうこともあります。そのため、MT4・MT5を利用しているからといって信頼せず、FX業者の信頼性そのものをチェックする必要があります。
アプリの削除を受けて、SNS上では「自動アップデートの設定をどうしよう」など、一部でユーザーの不安が広がっています。自動アップデートの設定については、AppStore上での公開が再開されない限り、実施されることはないため、設定はそのままにしておいても問題ありません。
また、1度MT4・MT5をインストールしたことがあるユーザーについては、現段階では削除後も購入履歴から再インストールが可能です。
しかし、この方法での再インストールはMetaQuotes(メタクオーツ)から確実にできると保障されているものではないため、いつまで再インストールできるのか不明です。スマホで取引する方は、削除しない、または現在削除している場合は早めに再インストールするという対応が必要となります。
MetaQuotes(メタクオーツ)社はすでにApp Storeでのアプリ配布の再開に向けて準備を進めており、メタトレーダーの配布が再開される可能性はありますが、現時点では不透明です。
すでにMT4やMT5を使用している既存ユーザーは、現状のまま取引を継続できるため、今のところ大きな混乱は起きていない模様です。一方でメタトレーダーは、多くのFX業者で採用されている取引ツールです。FX業者の新規ユーザー獲得に影響を与える可能性もあります。
これからFXを始めようと考えている方やFX業者の乗り換えを検討しているiPhoneユーザーは、MetaQuotesや業者の動向に注意する必要がありそうです。
作成日
:2022.09.26
最終更新
:2022.11.18
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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