作成日
:2021.07.30
2022.04.20 12:28
今月28日、SBI FinTech Solutions株式会社の子会社であるSBIレミット株式会社【以下、SBIレミットと称す】は、同グループの仮想通貨(暗号資産)取引所を運営するSBI VCトレード株式会社【以下、SBI VCトレードと称す】および人気仮想通貨リップル(Ripple)を開発するRipple, Inc.【以下、リップル社と称す】と提携し、仮想通貨を用いた国際送金サービスをフィリピン向けに展開すると発表した。
今回、SBIレミットはリップル社のRippleNet上で提供されるODL(On-Demand Liquidity)サービスを利用することで、リップルをブリッジ通貨とした国際送金サービスの提供を可能にしたという。SBIレミットは、SBI VCトレードの仮想通貨インフラを介してリップルを現地の送金パートナーであるBeturに送金し、同仮想通貨を法定通貨のフィリピンペソに変換・受領するためのスキームを構築している。これにより、SBIレミットは低コストな国際送金を実現すると同時に、国際送金事業における競争力の強化を図る。
この発表を受け、リップル価格は同日中に18%近い高騰を記録し、1ヶ月ぶりの高値を記録した。ここ数ヶ月間、リップル価格は仮想通貨市場全体の動きに連動して低迷していたが、0.5ドル付近で形成されたダブルボトムを背にして再び上昇トレンドを描き始めているようだ。現在、リップル価格は1ドルの大台を目指して次なる抵抗線となる0.75ドルラインに迫っている。
SBIレミットは2019年頃からODLサービスを軸としたソリューションを開発しており、既にベトナムでSBIはTPBankとRippleNetを介した送金サービスを開始している。SBIレミットはこの送金サービスを東南アジア市場で拡大していくとの方針を示しているが、これがどのような成果につながるのか、今後も同社の取り組みを見守っていきたい。
release date 2021.07.30
出典元:
ニュースコメント
仮想通貨決済の採用を試みる米大手銀行
仮想通貨を用いた決済は、迅速かつ低コストなソリューションになり得ると期待されており、金融業界では実用化に向けた開発が積極的に進められている。特に米国ではウェルズ・ファーゴが独自仮想通貨のテストを実施して国内外全ての支店における決済処理に利用することを検討するなど、大手銀行が日々のオペレーションの中で仮想通貨を活用しようとする動きが生じているようだ。米大手投資銀行のJPモルガンチェースはJPMコインの実利用を開始しており、同行の資金移動にかかる莫大なコストの削減を試みているという。このような銀行間の仮想通貨決済が一般化することで、金融業界全体で年間数億ドル規模のコスト削減が可能だと言われているが、仮想通貨を用いた決済ソリューションの採用は拡大していくのか、今後も業界の動向に注目していきたい。
作成日
:2021.07.30
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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