作成日
:2021.07.15
2022.04.20 12:28
7月13日、日本の仮想通貨(暗号資産)取引所である株式会社ディーカレット【以下、ディーカレットと称す】が、国内で初めてオントロジー(Ontology)の取り扱いを開始することを決定した。
発表によると、ディーカレットは今月中にオントロジーを上場することを予定しており、送受金や取引サービスでの利用に向けた準備を進めているという。これに際してディーカレットは、利用促進を目的としたキャンペーンの実施を計画しているが、詳細は後日発表すると伝えている。
オントロジーは企業向けパブリックブロックチェーン開発プラットフォームのプライマリトークンとして発行され、同エコシステム内での送金やステーキングなどに利用されているようだ。基盤となるONTチェーンは、独自アルゴリズムであるVBFT(Verifiable-Random-Function Byzantine Fault Tolerance)によるトランザクションの高速化を実現するだけでなく、アイデンティティ証明などの機能を兼ね備えたブロックチェーンシステムを構成することを可能にしている。運用組織のオントロジー財団(Ontology Foundation)は、大手自動車メーカーのダイムラーとパートナーシップを締結するなど、様々な分野でユースケースの確立に取り組んでいるという。
ディーカレットは仮想通貨の取引所サービスを今年4月に開始したばかりだが、チャートツールのTradingViewを採用したことや専用のスマホアプリを導入したことなどが評価されている。その他、ディーカレットはデジタル通貨関連の勉強会を開催するなど、事業活動以外の取り組みを通じて国内の仮想通貨コミュニティでプレゼンスを発揮している。今回、オントロジーを上場することがどのような成果につながるのか、今後もディーカレットの動向を見守っていきたい。
release date 2021.07.15
出典元:
ニュースコメント
新規上場のプロセス改善が求められるJVCEA
日本では金融庁に自主規制団体として認定されたJVCEA(日本仮想通貨交換業協会)が実質的に取引所を規制しており、仮想通貨市場の安全性や透明性を高めることに努めている。現在、会員企業の取引所は仮想通貨の新規上場の際にJVCEAの承認を得ることが必須となっているが、これが事業展開を失速させると同時に、市場から投資機会を奪う結果を招いているという。例えば、今年5月にGMOコインでポルカドット(Polkadot)が国内初上場となった際には、バイナンスなどの海外取引所に約9ヶ月の遅れを取り、既に同仮想通貨の価格はピークを過ぎて下降線を辿っていた。JVCEAの副会長に就任したPayward Asiaの千野剛司氏は、このプロセスを改善する方針を示しているが、国内の仮想通貨市場はどのように変化していくのか、今後も同協会の取り組みに注目していきたい。
作成日
:2021.07.15
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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