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【IMMポジション】円、ショートポジションが10万枚を突破

【IMMポジション】円、ショートポジションが10万枚を突破

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update 2021.07.12 16:28
【IMMポジション】円、ショートポジションが10万枚を突破

update 2021.07.12 16:28

ポンドを除きネットポジションが減少

米商品先物取引委員会(CFTC)は7月9日、6日火曜日時点の建玉報告を公表した。[1]シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)通貨先物市場における投機筋の通貨別ポジションは下記の通り。

円、ネットポジションが減少

円は対ドルで6万9,136枚の売り越し(ネットショート)であった。ネットポジションは先週比で759枚の減少となる。尚、3月16日時点で約1年ぶりに円ショートに転じて以降、円の売り越しは17週間続いている。

IMMドル円ネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC JPY投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(円ロング)が前週比プラス15.5%、売り建玉(円ショート)はプラス3.6%となった。円ロング・ショート共に増加したが、円ショートの方がポジション数が多いことから、ネットポジションは減少した。また円ショートに関しては、2020年2月以来となる10万枚を突破して積み増しが進んでいる状況だ。

【円ポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 27,380 31,625 15.5%
ショート 97,275 100,761 3.6%
ネット -69,895 -69,136 -

【円ポジション】

ロング
先週 今週 増加率
27,380 31,625 15.5%
ショート
先週 今週 増加率
97,275 100,761 3.6%
ネット
先週 今週 増加率
-69,895 -69,136 -

先週末2日に発表された米雇用統計を受け、早期の米利上げ観測が後退した流れを引き継ぎ、週初はドル売り優勢の展開となった。また、グローバル株式の下落を受けたリスク回避の円買いや、6月ISM非製造業景況感指数などの米経済指標が軒並み軟調な結果であった他、米10年債利回りが4ヶ月半ぶりの低水準となる1.25%まで急低下したことを受けたドル売り圧力も高まった。7月8日に、ドル円は約1ヶ月ぶりの安値水準となる109円53銭まで急落した。もっとも、週末9日には欧米株式の持ち直しや米10年債利回りの上昇などを受けて投資家心理が改善した他、来週14日、15日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による議会証言を控えたポジション調整の動きも出たことにより、110円12銭近辺まで値を戻して取引を終えている。

ユーロ、ネットポジションが約11%減

ユーロは対ドルで7万7,190枚の買い越し(ネットロング)となった。ネットポジションは先週比で9,956枚の減少となる。欧州中央銀行(ECB)が6月の理事会で現行の大規模金融緩和策の維持を決定して以降、ネットポジションの減少傾向が継続している。

IMMユーロネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC EUR投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比プラス1.9%、売り建玉(ショート)はプラス11.4%となった。

【ユーロポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 209,058 212,998 1.9%
ショート 121,912 135,808 11.4%
ネット 87,146 77,190 -

【ユーロポジション】

ロング
先週 今週 増加率
209,058 212,998 1.9%
ショート
先週 今週 増加率
121,912 135,808 11.4%
ネット
先週 今週 増加率
87,146 77,190 -

米早期の利上げ観測の後退を受けたドル売り圧力が高まったことを手掛かりとして、6日にユーロは対ドルで週間高値となる1.1896ドルまで上昇する場面が見られた。しかしながら、その後はドイツ7月ZEW景況感指数が大幅に悪化し、ユーロ圏の景気先行き見通しに不透明感が高まっている他、新型コロナウイルス(COVID-19)のデルタ株感染拡大への懸念も広がっていることなどが嫌気された。これらの悪材料を受け、7日にユーロドルは約3ヶ月ぶりの安値水準となる1.1781ドルまで急落した。もっとも、8日に公表されたECB特別会合における戦略点検の結果が、概ね市場予想の範囲内であったことが安心材料となった他、欧米株式が急反発したことなどを受け、週末にかけて1.1878ドル近辺まで値を持ち直している。

ポンド、ネットポジションが約24%増加

ポンドは対ドルで2万1,903枚の買い越し(ネットロング)となった。先週比では4,180枚の増加となる。6月下旬に開催された英中銀の金融政策委員会(MPC)で早期金融緩和縮小に対する慎重な立場が示された後、ネットポジションは急減していたが、足元では反転増加している。尚、2020年12月初旬にネットロングに転じて以来、ポンドの買い越しは31週間続いている。

IMMポンドネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC GBP投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)がプラス10.9%、売り建玉(ショート)はプラス4.3%となった。

【ポンドポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 51,596 57,232 10.9%
ショート 33,873 35,329 4.3%
ネット 17,723 21,903 -

【ポンドポジション】

ロング
先週 今週 増加率
51,596 57,232 10.9%
ショート
先週 今週 増加率
33,873 35,329 4.3%
ネット
先週 今週 増加率
17,723 21,903 -

英国のジョンソン首相は5日、今月19日に新型コロナウイルスのロックダウンをほぼ全面的に解除する方針を示した。但し、同首相は今後も感染者が増加する可能性があると指摘しており、投資家はポンドに対して慎重姿勢を維持している模様だ。また、イングランド銀行(中央銀行)がハト派色に傾斜していることが、ポンドの重しになっている。これらを受け、ポンドドルは8日にかけて弱含む展開となった。しかしながら、週末9日には欧米株式が大幅反発したことなどを受け、投資家のリスク許容度が高まったことを材料に、週間高値となる1.3899ドルまで値を伸ばして取引を終えた。

ポンド以外でネットポジションが減少

円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、NZドル(NZD)の7通貨では、ポンドを除き、ネットポジションが減少した。その他の通貨のポジションは下記の通り。

【その他通貨ポジション】

通貨 建玉 先週 今週 増加率
AUD ロング 48,824 53,352 9.3%
ショート 66,624 78,222 17.4%
ネット -17,800 -24,870 -
CHF ロング 18,941 19,230 1.5%
ショート 7,876 9,068 15.1%
ネット 11,065 10,162 -
CAD ロング 68,301 69,923 2.4%
ショート 22,500 28,745 27.8%
ネット 45,801 41,178 -
NZD ロング 19,914 19,412 -2.5%
ショート 16,790 17,651 5.1%
ネット 3,124 1,761 -

【AUDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
48,824 53,352 9.3%
ショート
先週 今週 増加率
66,624 78,222 17.4%
ネット
先週 今週 増加率
-17,800 -24,870 -

【CHFポジション】

ロング
先週 今週 増加率
18,941 19,230 1.5%
ショート
先週 今週 増加率
7,876 9,068 15.1%
ネット
先週 今週 増加率
11,065 10,162 -

【CADポジション】

ロング
先週 今週 増加率
68,301 69,923 2.4%
ショート
先週 今週 増加率
22,500 28,745 27.8%
ネット
先週 今週 増加率
45,801 41,178 -

【NZDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
19,914 19,412 -2.5%
ショート
先週 今週 増加率
16,790 17,651 5.1%
ネット
先週 今週 増加率
3,124 1,761 -

release date 2021.07.12

出典元:

ニュースコメント

よりハト派に傾くECB

ECBは8日、金融政策の枠組みを巡る戦略点検の最終結果を公表した。18年ぶりとなる戦略見直しの最大の焦点であった物価目標に関しては、よりハト派的な内容となった。ECBは中期的なインフレ率目標を、従来の「2%に近いが、それを下回る水準」から「2%」に変更した。ECBが物価の一時的な上振れを容認したことを受け、市場では現行の大規模金融緩和策が長期化すると見ている。他方で、ユーロ圏の経済は冴えない状況だ。5日の週に発表されたユーロ圏の経済指標の中では、欧州最大の経済大国であるドイツの経済指標が軒並み市場予想を下回った。これを受け、ドイツ10年債利回りは3ヶ月ぶりの低水準に沈んでいる。ECBが大規模金融政策を堅持すると共に、ユーロ圏では新型コロナウイルス禍からの景気回復に不透明感が漂う中、ユーロは対ドルで3ヶ月ぶりの安値圏で推移している。2021年は後半戦に突入したが、依然としてブレグジットに絡む英国と欧州の対立が解消されていない他、メルケル首相が退任を表明しているドイツの連邦議会選挙が9月に予定されており、政治不安もユーロのリスク要因となりそうである。ECBのラガルド総裁が現行の大規模金融緩和策を2022年3月まで維持する方針を示す中、ユーロは買いが入りづらい展開が続きそうだ。


Date

作成日

2021.07.12

Update

最終更新

2021.07.12

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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