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欧州連合、新しいAML機関の設立を計画

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update 2022.04.20 12:28
欧州連合、新しいAML機関の設立を計画

update 2022.04.20 12:28

仮想通貨関連の規制を導入することも提案

今月8日、欧州連合(EU)が新しいAML(マネーロンダリング防止)機関の設立を計画していることが報道によって明らかになった。[1]

2007年から2015年にかけて、エストニアのダンスケ銀行(Danske Bank)が2,000億ユーロを超える疑わしい取引に関与したことを受け、欧州ではAML規制の強化を求める声が高まっていたという。今回、欧州連合の政策執行機関である欧州委員会(EC)は、マネーロンダリングやテロ資金供与、組織犯罪に対処する必要があるとの考えを示し、国家当局で構成される総合監視システムの中心的存在となるAML機関の立ち上げを提案した。欧州委員会は国家間の調整により単一のルールを制定することで、均一で高度な監督基準やアプローチ、リスク評価方法の導入を支援すると言及している。

加えて、欧州委員会は仮想通貨(暗号資産)サービスプロバイダーが資産の譲渡および送受金者に関する情報を収集し、開示するための規制を採用することを提案しているようだ。現在、欧州では仮想通貨取引が金融サービスに関する規制の対象外となっており、法的抜け道として悪用される危険性を含んでいる。これに関して欧州委員会は、規制の欠如が仮想通貨の犯罪利用を可能とするため、保有者はマネーロンダリングやテロ資金供与のリスクに晒されていると警告した。

欧州議会のスヴェン・ギゴールド氏は、欧州委員会がマネーロンダリングに対する強力な規制を構築していることを評価し、これが金融犯罪を抑止する重要なものになると期待を寄せている。この規制が承認されることで正式導入が決定するが、最終的に欧州諸国はどのような判断を下すのか、今後も加盟国の動向に注目していきたい。

release date 2021.07.12

ニュースコメント

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包括的な規制導入に苦戦する欧州連合


欧州では包括的な金融規制の導入が進められているが、一部国家が国内法の改正で遅れを取っており、金融犯罪の温床となるリスクを抱えているという。最近ではオランダやポルトガル、スロベニア、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー、キプロスなどが第5次マネーロンダリング対策指令(The Fifth EU Anti-Money Laundering Directive, AMLD5)に対応できず、欧州委員会から警告を受けていた。最終的に仮想通貨規制の強化を実施したエストニアや、金融犯罪対策で法改正を実施したスペインは、他の欧州諸国と足並みを揃えることに成功したものの、大規模なマネーロンダリング事件を招いたとして批判されているようだ。欧州では2025年までにデジタルユーロが発行される可能性が出てきているが、欧州連合は加盟国をまとめ上げることができるのか、今後も同地域での展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2021.07.12

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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