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国内FX市場、高金利通貨のスプレッド競争が過熱化

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update 2022.04.20 12:28
国内FX市場、高金利通貨のスプレッド競争が過熱化

update 2022.04.20 12:28

南アフリカランド/円やメキシコペソ/円のスプレッドを縮小

日本国内のFX業界では、南アフリカランド/円(ZAR/JPY)やメキシコペソ/円(MXN/JPY)といった高金利通貨のスプレッド競争が過熱化し始めている。

スプレッド競争の口火を切ったのは、楽天証券株式会社(FXサービス名:楽天FX)【以下、楽天証券と称す】だ。同社は6月7日、南アフリカランド/円とメキシコペソ/円のスプレッド(原則固定)を縮小した。[1]具体的には、南アフリカランド/円は従来の1.0銭から0.9銭に、メキシコペソ/円は0.5銭から0.2銭に縮小している。続いて、GMOクリック証券株式会社(FXサービス名:FXネオ)【以下、GMOクリック証券と称す】が6月14日、両通貨ペアのスプレッド(原則固定)を縮小した。[2]南アフリカランド/円は従来の1.0銭から0.9銭に、メキシコペソ/円は0.3銭から0.2銭に縮小しており、一歩先んじてスプレッドを縮小させた楽天証券を意識した動きと見られる。更に、株式会社DMM.com証券(FXサービス名:DMM FX)【以下、DMM.com証券と称す】が、2021年6月15日から9月1日までの期間において、両通貨ペアのスプレッド(原則固定)を縮小するキャンペーンを開始した。[3]同社も縮小後における両通貨ペアのスプレッドは、楽天証券及びGMOクリック証券と同様である。これら各社の動きを踏まえると、国内FX業界では高金利通貨のスプレッド競争が激化し始めていることが伺える。

上記3社が揃って南アフリカランド/円のスプレッドを0.9銭に縮小したが、これは国内FX業界で第3位の水準となる。株式会社外為どっとコム(FXサービス名:外貨ネクストネオ)【以下、外為どっとコムと称す】とトレイダーズ証券株式会社(FXサービス名:みんなのFX)【以下、トレイダーズ証券と称す】が、業界最狭水準のスプレッド(原則固定)となる0.3銭を提示している。[4]但し、両社ともキャンペーンスプレッドであることに注意したい。また、メキシコペソ/円の0.2銭というスプレッドは、国内FX業界最狭水準となる。3社以外にも、株式会社マネーパートナーズ(FXサービス名:パートナーズFX)やセントラル短資FX株式会社(FXサービス名:FXダイレクトプラス)が、原則固定で0.2銭のスプレッドを提供している。[5]加えて、外為どっとコムとSBI FXトレード株式会社(FXサービス名:SBI FXトレード)、トレイダーズ証券が、期間限定でスプレッドを0.2銭に縮小している。[6]

尚、高金利通貨と日本円の通貨ペアを取り扱う海外FXブローカーは限定的であるものの、日本語字幕付き動画を配信したExclusive Marketsや、充実した取引分析ツールを提供するHotForex(ホットフォレックス)などが、南アフリカランド/円を取り扱っている。また、無制限レバレッジとハイスペックなトレード環境が魅力のExness(エクスネス)が、メキシコペソ/円を提供している。

金融先物取引業協会が公表している店頭FX月次速報の通貨ペア別取引金額によると、メキシコペソ/円と南アフリカランド/円は、それぞれ10位と14位に位置づけており、投資家の間で根強い人気を誇る通貨ペアだ。[7]また、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックから商品市況の回復が鮮明となる中、両通貨ペアは上昇基調にあり、今後更に投資家の注目が高まる可能性がある。加えて、GMOがワイジェイFXを買収した他、DMM.com証券と外為ジャパンFXが口座を統合する予定であり、各社が更なる市場シェア拡大を模索している状況だ。これらのことを踏まえると、国内FX業界は激しいスプレッド競争が続く可能性があり、今後も各社の動向に注目したい。

release date 2021.06.28

出典元:

  1. 楽天証券株式会社

    https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20210607-01.html
  2. GMOクリック証券株式会社

    https://www.click-sec.com/corp/news/press/20210614-01/
  3. 株式会社DMM.com証券

    https://fx.dmm.com/info/20210615151408/
  4. 株式会社外為どっとコム

    https://www.gaitame.com/zartrade/

    トレイダーズ証券株式会社

    https://min-fx.jp/LP/fx/zarjpy/
  5. 株式会社マネーパートナーズ

    https://www.moneypartners.co.jp/fx/partnersfx/commission.html

    セントラル短資FX株式会社

    https://www.central-tanshifx.com/fxdirectplus/commision-cost/
  6. 株式会社外為どっとコム

    https://www.gaitame.com/products/nextneo/spread.html

    SBI FXトレード株式会社

    https://www.sbifxt.co.jp/notice/post_541.html

    トレイダーズ証券

    https://min-fx.jp/mxnjpy/
  7. 金融先物取引業協会

    https://www.ffaj.or.jp/library/performance/fx_flash/

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特徴が大きく異なる国内FXブローカーと海外FXブローカー


日本の金融庁(JFSA)の規制下にある国内FXブローカーは、総じて日本人ユーザー向けに抜群の知名度を生かすと共に、信託保全制度が義務付けられた高い安全性を誇っている。また、日本人ユーザーが活発に取引する米ドル/円(USD/JPY)やポンド/円(GBP/JPY)などの通貨ペアを中心に、タイトなスプレッドを提供しているが、最大レバレッジは25倍に規制されている。一方、海外FXブローカーは安心度という面では国内FXブローカーに見劣りするかもしれないが、ハイレバレッジや豊富なロイヤルティプログラムなどの魅力的なサービスは、日本人ユーザーから高い支持を得ている。また、日本人スタッフによる充実したサポート体制を構築する海外FXブローカーも散見されている。中でも、XMTrading(エックス エム)は、最大レバレッジ888倍や豊富なボーナスキャンペーン、毎週実施の日本語ウェビナー、充実した顧客サポートが高く評価されており、海外FXブローカーとして日本人シェアNo.1を誇る。また、今月新たにヘルプセンターを導入したMILTON MARKETSは、最大レバレッジ1,000倍を提供すると共に、ボーナスキャンペーンの開催にも積極的であり、10名ほどの日本人スタッフによるきめ細かな顧客サポートに定評がある。両社のように、ゼロカットシステムを採用する海外FXブローカーでは、追証を心配する必要がない。また、多額の追証が発生した2015年のスイスフランショック時にも、XMTradingは確実にゼロカットを実施した他、MILTON MARKETSは独自のスリッページ保証制度を導入しており、トレーダーからの信頼を高めている。ユーザーが自身の重視する点を踏まえ、特徴の異なる国内FXブローカーと海外FXブローカーを使い分けることで、更に取引が活性化することに今後も期待したい。


Date

作成日

2021.06.28

Update

最終更新

2022.04.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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