作成日
:2021.04.26
2022.04.20 12:27
Ripple, Inc.【以下、リップル社と称す】の共同創設者兼会長であるChris Larsen氏は、ビットコイン(Bitcoin)を始めとする仮想通貨(暗号資産)がPoW(プルーフ・オブ・ワーク)から脱却し、効率的で環境負荷の低いコンセンサスアルゴリズムに移行すべきだとの考えを示した。
Larsen氏によると、PoWベースの仮想通貨によるエネルギー需要および二酸化炭素排出量は持続不可能な水準に達しており、ビットコインを筆頭に仮想通貨市場全体がPoS(プルーフ・オブ・ステーク)やフェデレーションコンセンサスなどを採用する必要性が高まっているという。現在、ビットコインだけでも米国の約1,200万世帯分の電力に相当する年間平均132TWhを消費しているのに加え、年間推定6,300万トンの二酸化炭素を排出している。新しく開発される仮想通貨の多くは、より効率的なシステムを採用する傾向にあるものの、依然としてPoWは主要な存在となっており、時価総額では市場全体の43%が同コンセンサスアルゴリズムに依存している状況だ。
マイニング報酬が減少するにつれて、PoWベースの仮想通貨によるエネルギー需要は低下していくという議論もあるが、現実では仮想通貨価格の値上がりがそれを阻害している。例えば、ビットコインは年間18%の価格上昇で4年毎の半減期による消費電力減少の効果を相殺するという。昨年からビットコイン価格は上昇を続けており、JPモルガンやMicroStrategyが予想するようにこのトレンドが長期化した場合、2020年台の終わりまでにビットコインの二酸化炭素排出量は年間数ギガトン規模に達する見通しだ。
この問題は以前から認識されており、ビットコイン開発者のHal Finney氏でさえもPoWのエネルギー消費量が懸念事項であると述べ、何らかの対策が必要であることを示唆していた。これに対してPoSへの移行を決定したイーサリアム(Ethereum)やバイナンスコイン(Binance Coin)などの仮想通貨は、持続可能なシステムを構築することで対処する方針を示している。また、人気仮想通貨のリップル(Ripple)は、フェデレーションコンセンサスを利用して米国の約50世帯分の電力消費で年間6,200万件以上のトランザクションを処理し、カーボンニュートラルな運用を可能にしているようだ。
仮想通貨が普及する上で環境への配慮は重要な課題となっているが、これに対して仮想通貨業界はどのような動きに出るのか、今後も仮想通貨関連プロジェクトや企業の取り組みに注目していきたい。
release date 2021.04.26
出典元:
ニュースコメント
世界各国で仮想通貨マイニングによる電力消費問題が顕著化
仮想通貨マイニングは世界的な産業として拡大しているが、国家や地域の電力供給に負荷を与えることから問題視され始めている。実際に、イランではマイニングの電力消費が問題になるなど、同国政府はマイニング事業者の監視を強化しているという。また、中国では四川省や新疆ウイグル自治区と並ぶマイニングハブの内モンゴル自治区が仮想通貨マイニングを禁止するなど、中央政府のエネルギー目標を達成するためにマイニング事業者を強制的に排除する動きに出ているようだ。一方、米モンタナ州はマイニングによる消費電力対策として再生可能エネルギーの利用を義務化することを含め、持続可能なモデルを構築すべく検討を進めている。仮想通貨は新たな金融インフラとして普及することが期待されているが、消費電力にまつわる問題はどのような形で解決に向かうのか、今後も仮想通貨市場での展開を見守っていきたい。
作成日
:2021.04.26
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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