Select Language

リップル社会長、仮想通貨のコンセンサスアルゴリズム移行を提言

リップル社会長、仮想通貨のコンセンサスアルゴリズム移行を提言

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:27
リップル社会長、仮想通貨のコンセンサスアルゴリズム移行を提言

update 2022.04.20 12:27

PoWベースの仮想通貨による環境負荷を懸念

Ripple, Inc.【以下、リップル社と称す】の共同創設者兼会長であるChris Larsen氏は、ビットコイン(Bitcoin)を始めとする仮想通貨(暗号資産)がPoW(プルーフ・オブ・ワーク)から脱却し、効率的で環境負荷の低いコンセンサスアルゴリズムに移行すべきだとの考えを示した。[1]

Larsen氏によると、PoWベースの仮想通貨によるエネルギー需要および二酸化炭素排出量は持続不可能な水準に達しており、ビットコインを筆頭に仮想通貨市場全体がPoS(プルーフ・オブ・ステーク)やフェデレーションコンセンサスなどを採用する必要性が高まっているという。現在、ビットコインだけでも米国の約1,200万世帯分の電力に相当する年間平均132TWhを消費しているのに加え、年間推定6,300万トンの二酸化炭素を排出している。新しく開発される仮想通貨の多くは、より効率的なシステムを採用する傾向にあるものの、依然としてPoWは主要な存在となっており、時価総額では市場全体の43%が同コンセンサスアルゴリズムに依存している状況だ。

マイニング報酬が減少するにつれて、PoWベースの仮想通貨によるエネルギー需要は低下していくという議論もあるが、現実では仮想通貨価格の値上がりがそれを阻害している。例えば、ビットコインは年間18%の価格上昇で4年毎の半減期による消費電力減少の効果を相殺するという。昨年からビットコイン価格は上昇を続けており、JPモルガンやMicroStrategyが予想するようにこのトレンドが長期化した場合、2020年台の終わりまでにビットコインの二酸化炭素排出量は年間数ギガトン規模に達する見通しだ。

この問題は以前から認識されており、ビットコイン開発者のHal Finney氏でさえもPoWのエネルギー消費量が懸念事項であると述べ、何らかの対策が必要であることを示唆していた。これに対してPoSへの移行を決定したイーサリアム(Ethereum)やバイナンスコイン(Binance Coin)などの仮想通貨は、持続可能なシステムを構築することで対処する方針を示している。また、人気仮想通貨のリップル(Ripple)は、フェデレーションコンセンサスを利用して米国の約50世帯分の電力消費で年間6,200万件以上のトランザクションを処理し、カーボンニュートラルな運用を可能にしているようだ。

仮想通貨が普及する上で環境への配慮は重要な課題となっているが、これに対して仮想通貨業界はどのような動きに出るのか、今後も仮想通貨関連プロジェクトや企業の取り組みに注目していきたい。

release date 2021.04.26

ニュースコメント

comment

世界各国で仮想通貨マイニングによる電力消費問題が顕著化


仮想通貨マイニングは世界的な産業として拡大しているが、国家や地域の電力供給に負荷を与えることから問題視され始めている。実際に、イランではマイニングの電力消費が問題になるなど、同国政府はマイニング事業者の監視を強化しているという。また、中国では四川省や新疆ウイグル自治区と並ぶマイニングハブの内モンゴル自治区が仮想通貨マイニングを禁止するなど、中央政府のエネルギー目標を達成するためにマイニング事業者を強制的に排除する動きに出ているようだ。一方、米モンタナ州はマイニングによる消費電力対策として再生可能エネルギーの利用を義務化することを含め、持続可能なモデルを構築すべく検討を進めている。仮想通貨は新たな金融インフラとして普及することが期待されているが、消費電力にまつわる問題はどのような形で解決に向かうのか、今後も仮想通貨市場での展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2021.04.26

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.12 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル