作成日
:2021.04.26
2021.06.08 12:45
米商品先物取引委員会(CFTC)は23日、20日火曜日時点の建玉報告を公表した。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)通貨先物市場における投機筋の通貨別ポジションは下記の通り。円、ショートポジションが増加
円は対ドルで5万9,819枚の売り越し(ネットショート)であった。先週比では1,507枚の減少となる。3月16日時点の円ポジションが、約1年ぶりに円ショートに転じて以降、円の売り越しが6週間続いている。
画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC JPY投機筋ポジション
建玉別の増減率を見ると、買い建玉(円ロング)が前週比マイナス3.8%、売り建玉(円ショート)はプラス0.5%となり、ショートポジションを積み増される形となった。
【円ポジション】
建玉 | 先週 | 今週 | 増加率 |
ロング | 27,682 | 26,617 | -3.8% |
---|---|---|---|
ショート | 85,994 | 86,436 | 0.5% |
ネット | -58,312 | -59,819 | - |
【円ポジション】
ロング | ||
---|---|---|
先週 | 今週 | 増加率 |
27,682 | 26,617 | -3.8% |
ショート | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
85,994 | 86,436 | 0.5% |
ネット | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
-58,312 | -59,819 | - |
20日時点の投機筋のショートポジションは微増だったが、ドル円相場はIMMポジション集計後の週後半へ進むに連れてドル安が優勢となり、週末23日には約1ヶ月半ぶりの安値水準となる107円台半ばを割り込む場面が見られた。背景としては、ドル円相場と強い相関性がうかがえる米10年債利回りが、3月31日に1.77%を付けて以降、23日には1.560%まで低下していることが挙げられる。
ユーロ、ロングポジションは反転増加
ユーロは対ドルで8万808枚の買い越し(ネットロング)となった。先週比では13,957枚の増加となる。1月末以降、ネットポジションの取り崩し傾向が続いていたが、今週は大きく増加した。
画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC EUR投機筋ポジション
建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比プラス3.4%、売り建玉(ショート)はマイナス6.0%となり、ショートポジションが大きく減少した。
【ユーロポジション】
建玉 | 先週 | 今週 | 増加率 |
ロング | 190,640 | 197,137 | 3.4% |
---|---|---|---|
ショート | 123,789 | 116,329 | -6.0% |
ネット | 66,851 | 80,808 | - |
【ユーロポジション】
ロング | ||
---|---|---|
先週 | 今週 | 増加率 |
190,640 | 197,137 | 3.4% |
ショート | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
123,789 | 116,329 | -6.0% |
ネット | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
66,851 | 80,808 | - |
投機筋によるユーロ先高観の修正から、ユーロの買い越しは減少傾向にあったが、足元でその動きが反転したことで、投機筋によるユーロの見通しに変化が出始めている模様だ。
20日までのユーロは、対ドルでほぼ一本調子に買われ、心理的節目となる1.2000ドルをブレイクした。背景としては、米長期金利低下に伴うドル売り圧力が強まったことや、欧州で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、景気回復に弾みがつくとの期待が広がっていることが挙げられる。また、IMMポジション集計後の23日に公表された4月のユーロ圏のPMI総合指数が市場予想を上回り、欧州経済の景況感改善も示されたことを受け、ユーロは対ドルで約7週間ぶりの高値となる1.2100ドルを付ける場面が見られた。
ポンド、ネットポジションは横這い
ポンドは対ドルで2万5,178枚の買い越し(ネットロング)となった。先週比では412枚の減少となる。ワクチン接種で先行する英国のポンドは、先週は買い越しが大幅に増加したが、今週はほぼ横ばいだった。
画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC GBP投機筋ポジション
建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比プラス15.5%、売り建玉(ショート)はプラス31.6%となり、ショートポジションの増加が目立った。
【ポンドポジション】
建玉 | 先週 | 今週 | 増加率 |
ロング | 52,851 | 61,053 | 15.5% |
---|---|---|---|
ショート | 27,261 | 35,875 | 31.6% |
ネット | 25,590 | 25,178 | - |
【ポンドポジション】
ロング | ||
---|---|---|
先週 | 今週 | 増加率 |
52,851 | 61,053 | 15.5% |
ショート | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
27,261 | 35,875 | 31.6% |
ネット | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
25,590 | 25,178 | - |
カナダドルが大幅増
円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、NZドル(NZD)の7通貨では、ネットポジションが横ばいの通貨が多かったが、ユーロ以外ではカナダドルが大きく増加した。その他の通貨のポジションは下記の通り。
【その他通貨ポジション】
通貨 | 建玉 | 先週 | 今週 | 増加率 |
AUD | ロング | 64,031 | 56,723 | -11.4% |
---|---|---|---|---|
ショート | 60,272 | 58,529 | -2.9% | |
ネット | 3,759 | -1,806 | - | |
CHF | ロング | 12,965 | 11,264 | -13.1% |
ショート | 12,141 | 12,906 | 6.3% | |
ネット | 824 | -1,642 | - | |
CAD | ロング | 48,056 | 53,824 | 12% |
ショート | 45,650 | 40,578 | -11.1% | |
ネット | 2,406 | 13,246 | - | |
NZD | ロング | 19,727 | 21,695 | 1% |
ショート | 17,207 | 17,373 | 1% | |
ネット | 2,520 | 4,322 | - |
【AUDポジション】
ロング | ||
---|---|---|
先週 | 今週 | 増加率 |
64,031 | 56,723 | -11.4% |
ショート | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
60,272 | 58,529 | -2.9% |
ネット | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
3,759 | -1,806 | - |
【CHFポジション】
ロング | ||
---|---|---|
先週 | 今週 | 増加率 |
12,965 | 11,264 | -13.1% |
ショート | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
12,141 | 12,906 | 6.3% |
ネット | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
824 | -1,642 | - |
【CADポジション】
ロング | ||
---|---|---|
先週 | 今週 | 増加率 |
48,056 | 53,824 | 12% |
ショート | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
45,650 | 40,578 | -11.1% |
ネット | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
2,406 | 13,246 | - |
【NZDポジション】
ロング | ||
---|---|---|
先週 | 今週 | 増加率 |
19,727 | 21,695 | 1% |
ショート | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
17,207 | 17,373 | 1% |
ネット | ||
先週 | 今週 | 増加率 |
2,520 | 4,322 | - |
release date 2021.04.26
米10年債利回りの上昇に伴い、ドル円は年初からの3ヶ月間で約9円弱急騰した。しかしながら、3月31日に約1年2ヶ月ぶりの高値水準となる1.77%まで上昇した10年債利回りは、その後上昇一服となり、ドル円相場も連動する形で上昇の勢いを失っている状況だ。背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が、物価上昇は一時的なものであるとの認識を示すと共に、少なくとも23年末まではゼロ金利政策を維持するとし、大規模な金融緩和を継続する方針を強調したことが挙げられる。FRBが当面利上げを行わない意向を示し、市場で高まっていた早期の緩和縮小観測を退けたことを受け、米10年債利回りは低下傾向にあり、年初から続いていたドル高円安基調も反転している。実際に、4月2日に公表された3月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が7か月ぶりの大幅増となったものの、米債券利回りの上昇は長続きしていない。このような市場環境下において、28日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、テーパリングのタイミングに注目が集まっている。また、市場で警戒感が高まっているバイデン政権によるキャピタルゲイン増税案に関しては、バイデン大統領が28日に行う議会演説前に詳細を発表する見通しとなっている。ユーロに関しては、一足早く投機筋の動きに変化の兆しが見られ始めているが、FOMCやバイデン政権のキャピタルゲイン増税案の詳細公表を受け、円に関してもIMMポジション推移に変化が見られるか注目したい。
作成日
:2021.04.26
最終更新
:2021.06.08
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー