作成日
:2021.04.09
2022.04.20 12:27
ここ数日間でリップル(XRP/USD)価格は、過去3年間の最高値を更新する1.09ドルに到達したが、今月5日に0.90ドルまで下落しており、その後再び1ドル台への復帰を目指す動きを見せている。
2020年末、開発元のRipple, Inc.【以下、リップル社と称す】が米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】から証券法違反の疑いで起訴されたことを受け、複数の仮想通貨取引所がリップルを上場廃止している。結果的にリップル価格は0.60ドルから0.20ドルまで急落し、昨年末から続く仮想通貨(暗号資産)市場全体の好調による恩恵を享受できず、しばらく底値付近で停滞するに至った。これに対して金融アナリストのFrances Coppola氏は、SECによる訴訟がリップル(Ripple)の「終わりの始まり」になるとの見解を示した。
反対にSheesha FinanceのCOOを務めるBenjamin Leff氏は、多くのアナリストがSECとの裁判および上場廃止がリップルに深刻な影響を与えることはないと考えていると言及している。加えて、Gate.ioのCMOを務めるMarie Tatibouet氏もリップル社がSECとの法廷闘争で優位に立ち始めていると主張し、それに反応した投資家が徐々にリップルの買い圧力を高めていることを伝えた。今月6日、SECがどのようにリップルが証券であると判断したかを検証する権利がリップル社に与えられたとの報道をきっかけに、投資家は同社がこの裁判に勝利するとの考えを強めているようだ。これに関してリップル社の弁護士であるMathew Solomon氏は、SECがリップルをビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)と同等の仮想通貨として取り扱っていた経緯があることを指摘し、当局が敗訴する可能性があると述べた。
今回、リップル価格は決済企業のTrangloを買収したことを要因に約40%の上昇を記録している。しかしながら、テクニカル分析でリップル価格が過大評価されているように見えることから、複数のアナリストが大規模な揺り戻しが発生する可能性を危惧しているようだ。Tatibouet氏は、リップル価格が1ドルの心理的な抵抗線を超える前に調整に入る可能性があると説明しており、更に3ドルを突破して史上最高値に到達するまでには長い道のりになると主張した。リップル価格は短期的な上昇のシグナルを示しているが、Leff氏によるとそれが長期的な調整を打ち消すほど重要な要素にはならないという。
現在、リップル社は同社の使命である包括的な金融システムや世界標準のグローバル決済インフラを構築することに尽力している。最近、リップル社はCBDC対応のプライベートブロックチェーンをテストするなど、新しい試みも進めているが、これがリップル価格にどのような影響を及ぼすのか、今後も同社の取り組みを見守っていきたい。
release date 2021.04.09
出典元:
ニュースコメント
分散型の構造にシフトするリップル
リップルは実質的にリップル社が管理する中央集権型の仮想通貨だと認識されており、これまで長期投資の対象にはなり得ないと考えられてきた。実際に、過去にはリップル社の共同創設者が大量のXRPを売却して同仮想通貨価格にネガティブな影響を与えるなど、その中央集権型の構造が投資家に不利益を与えた経緯があるという。しかしながら、2019年頃からリップル社はバリデータの分権化や関係者によるリップルの大量売却を制限することで、ネットワークの透明性向上に取り組んでいる。結果的にリップルのXRP Ledgerにおけるバリデータは、80%以上が第三者機関のノードに置き換わっており、同仮想通貨はより分散型の構造に近づいているようだ。このような背景から、リップルにも投資家の資金が流入するようになってきているが、同仮想通貨価格の上昇はどこまで継続するのか、今後もその動向に注目していきたい。
作成日
:2021.04.09
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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