作成日
:2021.04.06
2022.04.20 12:27
ビットコイン価格(BTC/USD)が大幅な上昇を見せた後、クジラと呼ばれる大口投資家が大量の同仮想通貨(暗号資産)を相次いでどこかに送金していることが明らかになった。
ブロックチェーン分析会社のWhale Alertによると、4月1日に合計3件のトランザクションを通じて約12億ドル相当の2万1,334BTCがクジラのウォレットアドレスから送金されたという。ビットコイン供給量の低下に拍車をかけているようだ。また、クジラは約9,600万ドル相当の48,399ETHを送金する動きも見せている。
これらのトランザクションの中には米大手仮想通貨取引所のコインベースから出金された1万2,000BTCも含まれており、過去2年間の最低水準に達した今月2日にビットコイン価格が一時的に6万ドルに復帰したのに加え、イーサリアム価格(ETH/USD)も過去7日間で25%以上の上昇を記録して2,000ドルを超えるなど、仮想通貨市場は年初から続く好調を維持している。このような状況下で、クジラは主要な仮想通貨を長期保有する構えを見せており、大量のビットコインおよびイーサリアムを取引所からコールドウォレットに移動している可能性があるという。
仮想通貨市場は機関投資家の強い需要を背景に拡大を続けており、最近ではバイナンスコイン(Binance Coin)などのアルトコインも勢力を増してきている。これら仮想通貨市場を取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後もその動向を見守っていきたい。
release date 2021.04.06
出典元:
ニュースコメント
機関投資家の大規模な利益確定が売りを誘発する可能性
仮想通貨関連情報を提供するGlassnodeによると、1,000BTC以上を保有するクジラのアドレス数は昨年末の2,221件から今年初旬には2,334件まで増加しているという。これを受け、仮想通貨市場ではクジラによる売り浴びせがビットコイン価格の暴落を招くとの懸念が高まっている。特に今年に入ってから約10億ドル相当のビットコインを購入したMicroStrategyや、ビットコイン決済を開始したテスラなど、仮想通貨市場に新規参入してきた機関投資家の大規模な利益確定が売りを誘発する可能性が危惧されているようだ。米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board, FRB)が2023年4月まで金融緩和を維持するとの方針を示したことから、一部アナリストは少なくとも2022年中旬頃まで、ビットコインへの資金流入が継続すると予想しているが、これら企業はどのような判断を下すのか、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。
作成日
:2021.04.06
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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