作成日
:2021.03.26
2022.04.20 12:27
テザー(Tether)の時価総額が400億ドルを超え、世界最大のステーブルコインとしての地位を確固たるものにしている。
テザーの発行元であるTether Limited【以下、テザー社と称す】によると、同じステーブルコインはDeFi(分散型金融)を含む革新的なプロジェクトで利用さており、その需要を拡大しているという。特にテザーは決済分野で高い評価を受け、クレジットカードなどの従来の決済システムと比較して、より安価で迅速な決済手段として重宝されているようだ。今年1月1日時点でテザーの時価総額は200億ドル程度だったが、翌2月に260億ドル、今月に350億ドルに達し、遂に400億ドルの大台を突破するに至った。
テザー社のCTO(Chief Technology Officer)であるPaolo Ardoino氏は、このニュースに関して次のようにコメントしている。
時価総額が400億ドルを超えたことは、テザーにとって重要なマイルストーンになるでしょう。我が社の成長はデジタルトークンエコシステム全体でテザーが重要な役割を果たしていることを反映しています。トレーダーまたは開発者、決済利用者であるかに関わらず、最も流動的で安定性があり、信頼できるステーブルコインを使用することには多くの利点があるのです。
Paolo Ardoino, CTO of Tether Limited - Finance Magnates - より引用
現時点で、テザーはアルゴランド(Algorand)およびビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、イーサリアム(Ethereum)、イオス(EOS)、Liquid Network、オムニ(Omni)、トロン(Tron)などのブロックチェーン上で発行されている。準備金をめぐる問題でテザー社がNYAGと和解したことを受け、テザーは勢いを増しているが、同ステーブルコインを取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後も仮想通貨(暗号資産)市場での展開を見守っていきたい。
release date 2021.03.26
出典元:
ニュースコメント
ステーブルコインの利用拡大を懸念する各国政府
仮想通貨市場では法定通貨を裏付けとするステーブルコインの利用が拡大しているが、これに対して各国政府は懸念を示しているようだ。例えば、ECB総裁はステーブルコインへの懸念を示し、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)を含めて適切な規制環境を構築する必要があると言及した。一方、東南アジア地域ではタイの中央銀行であるタイ銀行がデジタルタイバーツの違法性を警告するなど、ステーブルコインが現行の通貨法に違反するとの立場を明確にしている。将来的にステーブルコインは新しい決済手段として普及する可能性を秘めているが、各国政府はこれにどのような対応を示すのか、今後も仮想通貨市場での動きを注視していきたい。
作成日
:2021.03.26
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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