作成日
:2021.03.26
2022.04.20 12:27
米大手資産運用会社であるFidelity Investments【以下、フィデリティ投信と称す】が、独自のビットコイン(Bitcoin)ETF(上場投資信託)立ち上げに向けて準備を進めていることが明らかになった。
今月24日、フィデリティ投信の子会社であるFD Funds Managementは、米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】に証券登録届出書(Form S-1)を提出し、Wise Origin Bitcoin Trustと呼ばれるビットコインETFを立ち上げる予定だと語った。このビットコインETFは、フィデリティ投信が提供するFidelity Bitcoin Indexに連動するよう設計されているという。
今の所、SECがフィデリティ投信の申請を承認するかは明らかではないが、米国では2021年中のビットコインETF誕生への期待が高まっており、数多くの企業が当局に申請書を提出している。特に仮想通貨(暗号資産)市場ではビットコイン価格が5万ドルを超える水準にまで上昇するなど、ビットコインに対する需要が拡大していることがこの流れを後押ししているようだ。
先週、SECはVanEckが提案したビットコインETFの審査を開始した。これまで、SECは市場操作やボラティリティなどを懸念して消極的な姿勢を見せていたが、最終的にどのような判断を下すのか、今後も当局の取り組みに注目していきたい。
release date 2021.03.26
出典元:
ニュースコメント
仮想通貨市場でプレゼンスを発揮するフィデリティ投信
フィデリティ投信は、2018年にFidelity Digital Asset Services【以下、FDASと称す】を立ち上げ、仮想通貨カストディサービスを開始した。それ以来、仮想通貨関連事業を拡大しており、フィデリティ投信は機関投資家向け仮想通貨取引サービスなども提供し始めている。加えて、同社はFDASの欧州拠点を新設して同地域に進出し、仮想通貨市場でプレゼンスを発揮しているという。この動きを受け、競合のWisdomTreeやCharles Schwabなどの企業も相次いで仮想通貨市場に参入してきており、最近では資産運用会社であるBlackRockがビットコイン先物に投資する可能性があることを示している。今回、フィデリティ投信は他社に先行する形でビットコインETFの実現を試みているが、これが業界にどのような変化をもたらすのか、今後も同社の動向を見守っていきたい。
作成日
:2021.03.26
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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