グレースケール、運用資産残高が430億ドルを突破

2022.04.20 12:27

2022.04.20 12:27

ポートフォリオの多様性強化を計画

仮想通貨関連の投資商品を開発するGrayscale Investments（本社：250 Park Avenue South, New York[1]）【以下、グレースケールと称す】は、同社の運用資産残高（AUM）が430億ドルを突破し、過去最高の水準に達したことを発表した。[2]

現在、グレースケールは約360億ドル相当の65万BTCおよび約58億ドル相当の317万ETHを保有しており、仮想通貨市場の好調に同調する形で運用資産残を拡大している。グレースケールの運用資産残高の90％以上がビットコイン（Bitcoin）およびイーサリアム（Ethereum）となっているが、同社は約2億9,400万ドル相当のライトコイン（Litecoin）や約1億6,000万ドル相当のビットコインキャッシュ（Bitcoin Cash）なども保有しているという。その他、グレースケールはイーサリアムクラシック（Ethereum Classic）やジーキャッシュ（Zcash）、ホライゼン（Horizen）、ステラ（Stellar）などのマイナーな仮想通貨も保有しているようだ。

ここ数ヶ月間、グレースケールはポートフォリオの多様性を強化する動きを見せている。先日、グレースケールはAAVEやチェーンリンク（Chainlink）、ポルカドット（Polkadot）、エイダコイン（ADA Coin）、コスモス（Cosmos）、ユニスワップ（Uniswap）、モネロ（Monero）、テゾス（Tezos）、Yearn.Finance（ヤーン・ファイナンス）、イオス（EOS）を含む23種類の仮想通貨を対象とした新しい投資商品をローンチすることを計画していると発表した。

今月初めにDigital Currency Group（DCG）が約2億5,000万ドルの資金をGrayscale Bitcoin Trustに投資するなど、多くの企業が仮想通貨投資に関心を示しているが、これがどのような変化をもたらすのか、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。

release date 2021.03.15

出典元：

Grayscale Investments
https://grayscale.co/terms-of-service/
Twitter（Grayscale）
https://twitter.com/Grayscale/status/1369765745161363456

ニュースコメント

仮想通貨市場へのアクセスを拡大するビットコインETF

米国では米証券取引委員会（US Securities and Exchange Commission）【以下、SECと称す】議長のJay Clayton氏が辞任したことを受け、2021年中のビットコインETF誕生への期待が高まっているという。既に大手資産運用会社のVanEckがVanEck Bitcoin Trustと呼ばれるビットコインETFの申請書をSECに提出するなど、具体的な取り組みが進められているようだ。隣国のカナダでは、資産運用会社のパーパスが世界初のビットコインETFの上場を実現しており、一般投資家がトロント証券取引所（Toronto Stock Exchange, TSX）を通じてビットコインETFに投資することが可能となっている。ビットコイン価格は5万3,000ドルに復帰して好調を維持しているが、VanEckを始めとする米国企業は仮想通貨市場へのアクセスを拡大することができるのか、今後も同国での展開に注目していきたい。

作成日

：2021.03.15

最終更新

：2022.04.20

著者情報

Zero（ゼロ） | Zero

金融ライター

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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