作成日
:2021.01.22
2021.08.31 15:31
世界最大の資産運用会社であるBlackRock(本社:40 East 52nd Street New York, NY, USA 10022
)が、少なくとも2つのファンドを通じてビットコイン(Bitcoin)先物に投資する可能性があることが明らかになった。米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】に提出された目論見書によると、BlackRockが運用するBlackRock Global Allocation Fund Inc.およびBlackRock Funds Vがビットコイン先物に投資する許可を得たという。BlackRockがどの商品に投資するかは明らかになっていないが、現金決済のビットコイン先物のみ保有することが許されているため、米商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Commission, CFTC)に登録されているCMEが唯一の選択肢になると考えられる。
これまでSECへのファイリングの中で、BlackRockがビットコインについて言及することはなかったが、この目論見書には、特定のファンドがビットコインを原資産とする先物契約を購入する可能性があると記されている。昨年、BlackRockのCEOであるLarry Fink氏がビットコインの需要が高まっている事実を認め、ビットコインが世界基準の資産になる可能性があると発言したことをきっかけに、同社は方針を転換して仮想通貨市場に接近しているようだ。以前、Fink氏はビットコインが投機やマネーロンダリングの手段に過ぎないと批判していたものの、現在、BlackRockは仮想通貨やブロックチェーン技術に精通した人材を募集しているという。
一方、BlackRockは仮想通貨市場が比較的新しい市場であることから、規制の変更や評価の問題、流動性リスクがファンドに悪影響を与える可能性があると投資家に警告している。実際に、仮想通貨関連の投資商品を開発するグレースケールがリップルを除外するなど、当局による規制強化の影響を受けているが、投資家はBlackRockの方針転換をどのように評価するのか、今後も仮想通貨市場の動向に注目していきたい。
release date 2021.01.22
昨年、フィデリティ投信およびバンガード、チャールズ・シュワブの大手資産管理会社3社が仮想通貨関連企業への投資を拡大するなど、既存の金融業界は成長著しい仮想通貨分野への関心を強めている。今年もその強気なトレンドは継続しており、仮想通貨市場に流入する機関投資家の大量の資金が、より直接的な形でビットコインやイーサリアム(Ethereum)を始めとする主要な仮想通貨の価格を押し上げているという。特に、ビットコイン価格は昨年の最高値を大幅に超えて一時的に4万ドルラインを上抜ける展開を見せている。これに伴い、仮想通貨管理会社であるBitwiseのAUMが5億ドルに到達するなど、仮想通貨を対象としたファンド型の商品に対する需要も高まっているようだ。2021年は米国におけるビットコインETFの実現なども期待されているが、仮想通貨市場はどのように推移していくのか、今後もその変化を見守っていきたい。
作成日
:2021.01.22
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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