Select Language

イスラム法国で初めてブロックチェーンを用いた信用状取引が成立

イスラム法国で初めてブロックチェーンを用いた信用状取引が成立

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
イスラム法国で初めてブロックチェーンを用いた信用状取引が成立

update 2021.08.31 15:31

R3のコーダブロックチェーンを基礎に構築されたContourが利用される

サウジアラビアのジェッダを拠点とするInternational Islamic Trade Finance Corporation(本社:P.O. Box 55335, Jeddah 21534, Kingdom of Saudi Arabia[1])【以下、ITFCと称す】およびバングラデシュのCity Bank(本社:136, Gulshan Avenue, Gulshan-2 Dhaka-1212, Bangladesh[2])が、シャリーアに準拠するイスラム法国において初めてブロックチェーン上での信用状(Letter of Credit)取引を成立させたことが明らかになった。[3]

発表によると、この信用状はバングラデシュの輸入業者であるDebonair Groupが香港のApparel Linkから商品を購入する際にCity Bankが発行し、R3のコーダ(Corda)ブロックチェーンによって構築されたネットワークであるContour上でトランザクションが処理されたという。これに関してCity BankのSheikh Mohammad Maroof氏は、同行が顧客に効率的で満足のいくサービスを提供することに取り組んでおり、今回の経験がブロックチェーン技術を用いたデジタル取引を改善していくための足がかりになると言及した。

一方、ContourのCEOであるCarl Wegner氏は、次のようにコメントしている。

遂に貿易金融業界がデジタル化を採用し、接続性と効率性の向上という信用状のメリットを享受できるようになりました。世界貿易のために信頼できるネットワーク構築を継続する中、我が社は銀行や企業、テクノロジープロバイダーに向けたこのエコシステムが全ての人にとって包括的でアクセスしやすいものであり続けることを保証したいと考えています。ネットワーク上で初めてシャリーアに則ったトランザクションを完結させたことは、我が社の目標に向けた重要なマイルストーンになると言えるでしょう。

Carl Wegner, CEO of Contour - City Bankより引用

昨年末、HSBCがContourと提携して国際貿易取引をデジタル化したのに加え、オーストラリアとシンガポールの貿易当局がブロックチェーン技術を用いて両国間の取引を簡素化することを試みるなど、貿易業界は変革の時を迎えているようだ。これがどのような効果を発揮するのか、今後も同分野での展開を見守っていきたい。

release date 2021.01.13

出典元:

ニュースコメント

貿易業界でブロックチェーン関連ソリューションが拡大

これまでブロックチェーン関連企業は同技術のユースケースを模索してきたが、貿易業界ではその不可逆的な性質やトランザクションスピードを活かしたソリューションが確立され始めている。特に信用状取引はトークン化して効率的にやり取りすることが可能となっており、マイクロソフトのAzure Blockchain Tokenと呼ばれる企業向けブロックチェーンプラットフォームでも同様の機能実装が実現されているという。また、ロシア最大の商業銀行であるSberbankはロシアルーブル連動のステーブルコイン発行を計画するなど、ブロックチェーン上で信用状取引から決済まで実行できるエコシステムの構築を目指しているようだ。イスラム法国でもサウジアラビアとUAEがデジタル通貨発行に合意しており、これら新興テクノロジーの取り込みが加速しているだけに、今回、ITFCおよびCity Bankがブロックチェーン上で信用状取引を成功させたことはこの流れを象徴する出来事になったと言えるだろう。


Date

作成日

2021.01.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Exnessのスワップフリーが突然解除?!条件をサポートに直接聞いてみた

「Exnessのスワップフリーが解除された」という投稿がSNSの一部で話題になっていますが、解除の具体的な条件は公式サイトにも掲載されていません。そこで当サイトではサポートに直接条件を質問してみました。
update2025.08.25 19:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMTradingが新銘柄GAUUSDを追加!取引コストはGOLDより割高か

XMTradingが新たにGAUUSDなど4種類のゴールド銘柄を追加し、グラム単位で少額取引が可能になりました。この記事では、従来のGOLDとの取引コストやスワップを比較します。
update2025.10.10 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル