Select Language

サウジアラビアとUAE、デジタル通貨の発行で合意

サウジアラビアとUAE、デジタル通貨の発行で合意

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
サウジアラビアとUAE、デジタル通貨の発行で合意

update 2021.08.31 15:29

デジタル通貨活用プロジェクトAberを推進

ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)・サウジアラビア王国皇太子と、シェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド(Sheikh Mohamed bin Zayed)・アブダビ皇太子兼アラブ首長国連邦(UAE)軍副最高司令官が、インターバンク市場でのデジタル通貨の活用に関する合意書を締結したと、UAEの英字紙The Nationalが11月27日に報じた。[1]

合意書の締結を受け、両国は新たに4つの政策分野におけるパートナーシップ契約を締結すると共に、7つの戦略的イニシアチブの検証を行う見通しだ。また、両国共同で日量120万バレルの精製能力を誇る製油所の建設やサイバーセキュリティ対策を推進するほか、銀行監督当局が金融市場の課題や発展について議論する場も設けられるとのことである。

2019年初頭には、UAE中央銀行(Central Bank of the United Arab Emirates)とサウジアラビア通貨庁(Saudi Arabian Monetary Authority)【以下、SAMAと称す】が、Aberと呼ばれるインターバンク市場におけるデジタル通貨の活用を推し進める計画を公表していた。その際にSAMAは、デジタル通貨の最新テクノロジーやフィージビリティスタディ、送金コストの削減、テクニカル面のリスク評価、活用方法などに関する検証を行っているとコメントしていた。

なお、ビッサム(Bithumb)がNvelopと提携し、UAEで仮想通貨取引所の設立を目指すほか、フォビ(Huobi)はクラウドベースのホワイトラベルサービスの展開を目論むなど、多くのブロックチェーン関連企業が高い成長の見込まれる中東市場に流入してきている。脱石油及び産業の多角化を推し進める中東の雄・サウジアラビアと、他のアラブ諸国と比較して成熟した金融市場を構築するUAEがタッグを組み、今後如何なる国策のデジタル通貨産業が成立するか動静を見守る必要がありそうだ。

release date 2019.11.29

出典元:

ニュースコメント

脱石油依存に挑むアラブ諸国

IMFが10月に公表した最新の世界経済見通しにおいて、中東・中央アジアの2019年のGDP成長率予測は0.9%増と、4月の発表時点と比較して0.9%下方修正したほか、先進国と新興・途上国を含む世界全体の経済成長率見通しである3.0%も大きく下回った。アラブ諸国は経済を安定成長させるべく、石油依存からの脱却を目指しているものの、原油価格の伸び悩みや不安定な金融市場など外部環境の影響を受け、経済構造の変革が停滞している模様だ。市場環境は厳しいものとなりつつあるが、アラブ諸国のFX取引が拡大するなど、明るい兆しも見えてきている。足元では、Finior CapitalがUAEでFX取引を開始したほか、Equiti Groupがリヤドバンクと提携するなど、海外FXブローカー各社による中東への進出が増加傾向にある。そして今回、中東の盟主であるサウジアラビアとUAEが、本格的にデジタル通貨の活用を推し進めることで、脱石油依存に向けた一大産業の形成に期待が高まっている状況だ。また、デジタル通貨の活用において必須となる高いブロックチェーン技術を誇る金融テクノロジープロバイダーが、中東での市場開拓を目論み進出を加速させていることから、今後官民が一体となって画期的なソリューションが開発されることを期待したい。


Date

作成日

2019.11.29

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

BybitがMT5から仮想通貨商品を削除!変更点や今後の影響は?

2025年4月18日、大手海外取引所のBybitがMetaTrader 5から仮想通貨商品を削除することを発表しました。今後、BybitでMT5を利用した仮想通貨取引はできなくなります。2025年5月2日までに全ポジションが強制決済されるため、ユーザーは早急な対応が求められます。
update2025.04.23 19:00

キャプテン翼-RIVALS- がJOHNトークンのエアドロを発表!LINEなどで遊べるMini Appの独自トークン

「キャプテン翼-RIVALS- Mini App」は、キャプテン翼のIPを活用したWeb3ゲームです。2025年4月にJOHNトークンのエアドロップが予定されており、注目を集めています。本記事では、JOHNトークンの特徴、エアドロップの仕組み、将来性などを解説します。
update2025.03.27 19:00

MT4/MT5の自動売買をスマホだけでやるって本気?!EA設定はPCに任せよう

「MT4/MT5の自動売買をスマホで完結させたい」と考える方もいるでしょう。スマホだけで自動売買の設定やEAを稼働させることは可能ですが、操作性の低さから現実的ではありません。本記事ではMT4/MT5の自動売買におけるスマホの活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:00

ビットコインを500円分買ってみた!利益額や買ってみた感想を紹介

Myforex編集部では、実際にビットコインを500円分購入してみました。今回の記事では、ビットコインを500円分買ってみた投資結果や利益額、買ってみて感じた感想、ビットコインの買い方などを解説します。
update2025.02.27 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル